堺『ハイQランド』本誌未公開/愛があるから…【後編】
- SV男子
- 2021.01.18
本誌2月号の『ハイQランド』には、堺ブレイザーズが登場! たくさんの対談が掲載されている中でも、特に“ブレイザーズらしさ”があふれていた『SAKAI-1グランプリ』では、チームサポートスタッフのなおきさん×佐川選手×出耒田選手×山口選手の4名が思う存分、ファンフェスティバル2020の裏側について語ってくださいました。“これはほんとうにバレーボール雑誌の取材か!?”と、本人たちも思うほど、漫才についての話が盛り上がった座談会。そんな座談会の未公開内容を、前編と後編に分けて月バレ.comにてお届けします!
佐川 翔×山口頌平×出耒田 敬×チームサポートスタッフ なおき
【後編】
■ファンフェス漫才&ミニドラマ裏話。すべては“愛”から始まる
――ファンフェスでの漫才はもちろん、取材時にも楽しげな雰囲気でお話ししてくださる皆さん。なおきさんから選手へ、普段から漫才の授業をされていたりするんですか?(笑)
佐川 してもらっています!(笑) ってまぁ、授業はないんやけど、ふだんの関わりとかからね。実際、入団した時から周りがもうそんな感じというか。コバさん(木場田和希/現・久光スプリングスコーチ)や坂梨さん(坂梨朋彦/現・JTサンダーズ広島コーチ)がそういう雰囲気を作っていたし、そういうのを見て、僕は「おもろいな」と思っていました。横田さん(横田一義)もおったし、先輩方から勝手に学んでいたかな。
なおき ショウヘイ(山口)は、入団する時に「ファンフェスはクオリティが高いぞ!」とか、何か聞いてた?
山口 もうすぐファンフェスだ、っていう時に、スタッフさんから「うちは力を入れているから、頑張れよ」みたいなことは、言われました(笑)
なおき それで思い出したけど、堀江が入団する時におもしろいことがあってな(笑) 早稲田大がブレイザーズに合宿に来た時、堀江のお父さんも見に来てはってん。それで、堀江とフロアでバッタリあった時に「今年、お世話になります。堀江です!」って挨拶してくれてんな。僕が「知ってるよ。よろしくね」って言ったんやけど、その次に堀江の口から出た言葉が、「僕、ファンフェスは漫才担当ですか?」って(笑)
全員 (笑)
なおき そしたらお父さんも、「よし、そっからやな!」って(笑) いやいや。それは入団してから考えてくれたらええで、って思ったわ(笑)
佐川 ファンフェスが登竜門、みたいな(笑) すでにファンフェスのことを聞いていたんですね(笑)
――もともと関西出身ではない選手もいる中で、“お笑い”がチームに浸透していることがすごいですよね。
出耒田 僕は、2年前くらいに初めて漫才をやった時に「あ、いいな」と思ったんですよね。
なおき そやな。みんなに言うのは、「お客さんの前でやったら、ちゃうで。ええで~」ということ。でも、ファンフェスの漫才でも、始まる前の舞台袖の雰囲気は、吉本の芸人と同じ感じやからな(笑) フーって息を吐いて緊張をほぐしたり、ネクタイを締め直したり(笑) 出囃子が鳴ったら「よしっ!」って感じで舞台に出てね。俺は、そんなみんなの姿を後ろから見ながら「お前ら、漫才師か!」って思うねん(笑) だから、そういう部分を含めても、毎年クオリティが上がっているのよ。だってさ、練習が終わってから「ボケろよ、お前ら!」とか「ツッコめや!」とか、吉本みたいなことを言ってるのって、ブレイザーズのトレーニング室だけちゃう?(笑)
佐川 そうそう(笑) それで、堀江がちょっと心を痛めているんですよ(笑) 俺とショウヘイとかが何か掛け合いをしたら、「あ、そうか。今はそれを言わなきゃアカンのか。間違えたな~」とか、何かを学んでいるんです。あいつ(笑)
山口 基本的に、ショウさん(佐川)の周りにいる人たちがボケて、ショウさんがツッコミみたいな感じで日常会話とかもやっていますけど、そこに堀江がいたら、こっちがボケていても堀江は「へ~」とか、そのまま受け入れる(笑) そこでショウさんが「なんでやねん!」って言うと、「あ、今のはボケか!」って(笑) ボケに気付かずに流しちゃう時があるんですよね(笑) あとは、堀江がショウさんのツッコミに関して「今のワードいいわ~!」とか感心していたり(笑)
佐川 言ってるな~(笑)
出耒田 だから、ショウさんの腕が上がるのは、僕らのおかげですよね?(笑)
佐川 常に、ボケを拾い上げてるからな(笑)
なおき だから俺、そういうやりとりを見ていて思うのはね、ショウはただ単に“ツッコんで、うるさい”だけじゃなくて、トーンの使い方が芸人レベルやねん。最初は柔らかく「できるかいっ」って感じでスタート。それで、いろいろやっていく中で「できるか、言うてんねん!」って。そしたら最後は、動いてボールを投げたりしてみながら「できるかぁ~い!!!!」ってね。だんだんトーンを上げていくねんな~。それでもう、周りは“ドッカーン!”。爆笑よ(笑) ツッコミで笑かす。ダウンタウンさんが言っているように、ツッコミとボケで2回笑かすねん(笑)
佐川 いや。この記事、誰が読むねん!!!!
全員 (爆笑)
なおき でもさ、例えばチームの雰囲気が悪くなった時とかに、そういうところをちょっと利用せぇへん? “ここちょっとこう、漫才っぽくして明るくしようかな”みたいな。
佐川 それはありますね!
なおき 逆に、何もできていない子って誰?(笑) って、芸人ちゃうんやけどさ(笑) そのノリについてこられへん子というかね(笑)
佐川 竹元かな…(笑)
なおき タケちゃん(竹元)は、新人の時の漫才はうまかったで!
佐川 いや、やらせたらやるんですよ。要領がよくて、何でもそつなくこなす。でも、自分から、っていうのはないですね。
なおき うん、これホンマに何の話やねん(笑)
――なおきさんは普段、どれくらいチームにいらっしゃるのですか?
なおき ファンフェスの時期は、「ファンフェス、頼むな」ばっかりではアカンから、練習の時に「あの選手はこんな声か」とか「こんなトーンなんや」っていうところは、わかるようにしています。球拾いなどもやっていろいろと共有して、「次はこういうことができるかなぁ」とかね。ホンマはもう、漫才とかではなくて次に移行していきたい。それが、今回のミニドラマやったんです。もう、最後のほうとか、スタッフ同士も険悪になったもん。
山口 ハハハ!(笑)
佐川 それ、ねぇ~(笑)
出耒田 話は聞いたけど(笑)
山口 だんだん撮影時間が遅くなってきて、最後の、小池の長台詞の時でしたかね?
なおき その少し前の、カメラのアングルの時やな。カメラで受けるのか、背中越しに撮るのか、一発挟んだ方がいいんちゃうか、でもその時の立ち位置どうすんねん、とか。編集するときにショウがそこにおるのか、おれへんのか、とか。
佐川 それで、なおきさんやカメラマンさんとか、お互いに意見が引けへんくなってね。俺らはその板挟みになって「進んでないけど、どうすんねん…」って(笑) 「俺、入った方がいいですか?」って言ったら、なおきさんが「ううん、ええねん」とか言って(笑)
なおき 僕、絵コンテとかも全部書いていたし、そこにいたみんなが全員プロやったから。俺らも作るプロやし、カメラマンもアングルのプロやし。美術さんも、いろんなドラマのお仕事とかもしているから、トータルで見た時に「いや、これ(映像)繋がらへんよな」って。俺らは「イライラせんとこな」って言ってたんやけど、まぁいろいろあってそれぞれスイッチが入ってしまってな(笑)
佐川 あの後、選手たちも「みんな怒ってたね~」って、話していました(笑)
なおき でも、その次の日にすぐ謝りに行った(笑) 「ええもん作りたいから、つい。ごめんな」って。
佐川 でも、ホンマに、ここで留まっておくのはもったいないですよね。
なおき 実は、ドラマの次編は考えているのよ。みんなのスケジュールを合わせて、今回のミニドラマだけの賞を作る。『サカイデミー賞』みたいな感じでね。みんなスーツを着て、蝶ネクタイもして、司会ができるタレントさんか、それこそ毎日放送のアナウンサーに司会をお願いして。「それでは、サカイデミー賞の発表です。まずは『よく噛んだで賞』」とか言ってもらうのよ。VTRも、裏映像を全部撮っているから使えるし! それをやることが、まずゴールやな。そして、その時に、お客さんにどう絡んでもらうのか。ちょっぴりもう台本も書いてんねん。これはもう、打ち合わせの最初の段階で話していたことやからね。
山口・出耒田 なるほど!
佐川 構想があるんですね。
なおき あのファンフェスの映像は、DVDとかでドンと売ってほしいな~。
――バレー×お笑いの新領域、というか。ブレイザーズならではの取り組みだと思います。今後もすごく楽しみです!
なおき 企画から選手がやって、それを受けて僕らが何かやるとかもいいよね。練習に差し支えたらいかん部分でも、こういう取り組みが、チームビルディングの一つになってくれたらいいなっていうことは、毎回考えています。しかし、ショウヘイの料理動画も、“自分がどのアングルに来たらカワイイのか”とかも、わかってたよな。サイズもわかっとる。俺、あのオンエア見た時、キュンとしたもん。
山口 違う違う、違う!(笑)
佐川 最初、カメラの設定しながら「あれっ♪?」とか、やってたよな?(笑)
山口 違うんすよ。あのカメラの設定したの、なおきさんですからね!(笑)
なおき でも、画面に入った時の“自分のええ角度”がわかっているからさ。顔はもちろん、しゃべり方もうまかったし! あれ、ザッキー(山﨑)やったらカメラにドンと当たりよるからね(笑)
山口 確かに、いろんな方から「あざとい」と言われました(笑)
佐川 差し入れとかも、料理系のものが多くなったんやろ?(笑)
山口 料理グッズとか調味料系とか。今年はそういういただきものが増えましたね!
なおき つながってるな~。デキさんは、演出とかできるんちゃう? 「この選手がこういうことをやったらおもろいかも」的な。
佐川 ちゃんとしたものを、しっかり作りそう(笑)
なおき 僕も正直、最初は「デキさんは、アンケート全部✕って書くかな~」とか、思っててん。でも、違った。あれな、本当はアンケート(ファンフェスでやりたいことについてのアンケート)が返ってくる時がめっちゃ怖いねん。
――さて、お時間も迫ってまいりました。愛があってこそ、ファンフェスも大成功をおさめたということで…。最後に、選手の皆さんから、なおきさんへの愛を語っていただけたら、と。
佐川 うわ。そんなん。3人で1分くらいかかるわ…。
なおき 1分…!? それならLINEでせぇ。グループライン作れ(笑)
出耒田 じゃあ、作っておきますね!
なおき ちゃうちゃうちゃう! 今、言うてくれへんか?(笑)
佐川 (笑) ほんとうに、選手がこれだけ一生懸命やるのは、間違いなくなおきさんの人柄と、ずっとブレイザーズのために動いてくれていることを感じているからです。「なおきさんに頼まれるなら、もちろん120%で返します!」っていう恩返しの意味も込めて、ファンフェスしかり、いろんなものを作っていきますので。これからもずっと、このチームにいてほしい存在です。
なおき 僕こそ、全部に対して愛があるから。ほんとうに大好きだから、ありがとうっていう気持ちやから。このチームじゃなかったら、こんな芸人とやらせてくれないんだから。それができるのは、このチームとメンバーやから。ほんとうにありがたいです(涙)
出耒田 僕は、右に同じです。
なおき いや、その右がまだ言うてへんから!(笑) ※この日の席順は、右から佐川、山口、出耒田
佐川 ハハハ!
山口 もう! ショウさんが全部言っちゃうから!!(笑) なおきさんには、練習の時も、よくフロアに入ってボールを拾ったり声を出してもらったりしています。ファンフェスなどのイベントなどでは、なおきさんがいちばん時間を作って動いてくれているのも、もちろん選手たちは分かっているので。だから、ファンフェスで何かお願いされたりしたら、もちろんみんな、「おきさんに応えよう」っていう気持ちです。
出耒田 そうだね。ふだんの練習もそうだけど、試合で自分たちをあれだけ盛り上げてくれて。なおきさんが自分たちのことを愛してくれているように、僕たちもなおきさんのことを愛しています。だから、そういうところは“なおきさんから言われなくても、やって当然”だと思うので。これからもなおきさんについていって、自分のやれることは全力でやっていきたいです!
佐川 ハイ、OKです~! お疲れ様でした~!
出耒田 お疲れ様でした~!
山口 あぁ~。コメント絞り出したわ~!
なおき え? これ、演じてたんか!? 本気で言ってくれてるんちゃうかったんか!? 俺、ウルっときてんのにやなぁ~!(笑)
さて、今回は【後編】をお届けしました、この『ハイQランド未公開座談会』。
なおきさんと選手たちの、クスッと笑える要素満載のトークはいかがでしたか?
こちらの座談会は『月刊バレーボール2月号』にも掲載されております。要チェック★
\\最後に、なおきさんが制作したファンフェスティバルのミニドラマ『頼りない刑事(デカ)』の絵コンテや台本の写真を、特別大公開!//
【写真提供:なおきさん】 Twitter:なおき応援団長さん (@danchou_naoki00) / Twitter、ブログ:なおきやんのブログ (ameblo.jp)
台本には、選手一人一人の名前が手書きで記されている
キャスト一覧表
なおきさんが制作した各シーンの絵コンテ。カメラのアングルなどが詳細に記載されている
全撮影終了後、ミニドラマの主役山口選手(左)と髙野選手(右)と一緒に。疲れと達成感にあふれる皆さん