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春高2025

早稲田大を支える“俺たち”の絆

  • コラム
  • 2019.05.12

 

 堅実な守備から、粘り負けすることなく長いラリーを制し、黒鷲旗で大躍進を遂げた早稲田大。「守備は僕たち二人が中心で、ブロックは武藤(鉄也)に任せて、という役割分担がうまくできていました」と、快進撃を終えた堀江友裕主将は、課題を感じつつも少し満足げな表情で語った。攻守で大車輪の活躍を見せた村本涼平も、「大塚(達宣)には後衛でもバックアタックに入ってもらわないといけない。なるべく負担をかけないように、僕たちで守備を固めよう、と思っていました」と試合を振り返る。

 スパイカーほど目立たない。でも、彼らがいなければチームは崩れる。早稲田大にとって唯一無二の存在である堀江と村本。黒鷲旗での名勝負を陰で支えた、“僕たち”二人の絆とは——。

■黒鷲旗ベスト8の快挙を支えた“職人”

高い瞬発力を見せた村本(手前)と堀江(手前から二番目)

 5月に開催された黒鷲旗のグループ戦C組。堺ブレイザーズ、豊田合成トレフェルサ、富士通カワサキレッドスピリッツらV.LEAGUE所属チームが名を連ねる中、早稲田大が大健闘。グループ戦全勝で決勝トーナメント戦へ進むと、準々決勝戦では第1セットを先取したのち東レアローズに惜敗したものの、ベスト8入りの快挙を成し遂げた。大学勢のベスト8進出は、2010年の東海大以来、9年ぶりの出来事だ。

 

 次々にジャイアントキリングを成し遂げた早稲田大は、巧みさが光るミドルブロッカー武藤鉄也、村山豪、サウスポーエース宮浦健人、若鷲賞に輝いた実力派ルーキー大塚ら豊富なスパイカー陣を軸に、セッター中村駿介が多彩な攻撃を展開。また、要所でコートに立ったサブメンバーやアナリストらチームスタッフの手腕も光り、V.LEAGUE所属チームにも劣らないチーム力を発揮した。

 体育館で声援を送る観客の視線の多くは華麗なスパイカー陣に集中したかもしれないが、この快挙を、地道な活躍で支え続けた選手がいる。それが、アウトサイドヒッターの村本とリベロ堀江だ。

 

 村本は、ブロックの間を抜けた相手の強打を体全体で受け止め、つなぎでも存在感を発揮。前衛でも、相手ブロッカーをうまく利用した技ありのプレーで貢献した。堀江は、レシーブはもちろん声でチームを奮起させ、キャプテンシーを大いに発揮した。

 まさに“職人”と言わんばかりの丁寧なプレーと心意気で、チームの窮地を幾度も救った二人。そんな“職人”について、「村本はとても頭がいい。この選手が抜けたら確実にチームが変わってしまいます」とアナリストは目を輝かせ、有力なスパイカー陣も「二人が味方でよかった」と、そろって口にした。

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