バレーボール女子日本代表を応援する野村ホールディングスにて公開中のスペシャルムービー「Unfinished Games –終わりなき挑戦-」。選手から監督へ・・・中田監督のこれまでのバレーボール人生が描かれている。中でも印象に残っている3試合を月バレがピックアップ。懐かしい写真とともに振り返る。
2017年ワールドグランプリ仙台大会 ブラジル戦
「自分が現役時代に勝ったときよりうれしい」監督としてブラジルに初勝利!
現役引退後、2012年7月に久光製薬スプリングスの監督に就任した中田久美は、直後の国体でチームを優勝に導くと、その後、皇后杯、2012/13V・プレミアリーグ(現V1リーグ)、黒鷲旗と次々に主要タイトルを獲得。手腕の高さを評価され、2016年には女子日本代表監督となる。
そして2017年7月に始まったのがFIBAワールドグランプリ2017。日本はオランダ大会、仙台大会、香港大会で計9試合を行い6勝3敗でグループ1の6位フィニッシュとなったが、このうち7月16日に仙台大会で対戦したのがブラジル。中田監督にとっては、現役時代、1992年のバルセロナ五輪で負けて以来の対戦で、監督としては初めてのブラジル戦となった。
試合のほうは、日本が25‐22、26‐24と接戦となった最初の2セットを連取するも、第3セットを19‐25、第4セットを20‐25と引き離されるかたちで奪われ、最終セットを前に悪い流れとなっていた。だが第5セットの序盤、流れをつかんだのは日本。新鍋理沙のスパイクやミドルブロッカー陣のブロックなどで4-1とリードを奪うことに成功する。その後も古賀紗理那のスパイクなどで中盤まで日本がリードを保っていたが、9‐9と追いつかれてからは一進一退の展開に。14‐13で日本が最初のマッチポイントを握れば、14‐15と今度はブラジルがマッチポイントをつかむ緊迫した状況が続く。
そんな熱戦に終止符を打ったのは内瀬戸真実。15‐15となった場面で、まずレフトからスパイクを決め16‐15とすると、続くポイントでも同じようにレフトからスパイクを決め17‐15で勝利。中田監督にとっては「自分が現役時代に勝ったときよりもうれしい」勝利となった。
(月刊バレーボール)