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【関東大会】(男子)向丘中、(女子)文京学院大女中が優勝。全国大会へ弾み

 8月8日(水)から始まった『平成30年度第53回関東中学校大会』は10日(金)、最終日をむかえ、深谷ビッグタートル(埼玉)で準決勝と決勝が行われた。男子は向丘中(神奈川)、女子は文京学院大女中(東京)が優勝を飾った。また、男女それぞれ上位8校には、8月21日(火)から島根県松江市で開催される第48回全日本中学校選手権大会(全中)への出場権(関東ブロック代表)が与えられた。

優勝した文京学院大女中は今季4冠目(写真はエースの樋口)

◆男子/勢いに乗った向丘中が駿台学園中(東京)を圧倒

 

□準決勝/駿台学園中2(28-30,25-14,25-21)1大森二中

 準決勝は両試合とも白熱を極めた。全国大会6度の優勝を誇る駿台学園中を相手に大森二中(東京)が第1セットを30−28で先取する。大森二中は『120パーセントの力を出せるように』という意識を持ち、粘りのバレーを展開。第2セットは点差を離されるも、第3セットは終盤で追い上げた。「駿台学園中を相手にあれだけできるんだ、と。試合を重ねるごとに成長できた」と嶋守正義監督は選手たちの健闘をたたえた。主将でセッターを務める照屋怜士は、全中へ向け「楽しみ。一戦一戦を、しっかりと戦いたい」と意気込んだ。

果敢に挑んだ大森二中(奥)

 

□準決勝/向丘中2(28-30,25-17,25-21)1サレジオ中

 もう一方は、向丘中とサレジオ中(東京)の対決。両チームはふだんから練習試合を組むなど、交流を持つものどうしだ。第1セット序盤から向丘中がリードするも、サレジオ中がクイックを積極的に使い、ジュースの末にセットを先取。しかし、第2セット以降はサーブレシーブが乱れ、サレジオ中は強みのコンビバレーを繰り出せず。結果、向丘中が逆転勝利を収めた。サレジオ中の八木義光監督は「精神面の弱さに尽きる」と語り、安孫子陸主将は「ほんとうに苦しい場面で立て直せるようになりたい」と前を向いた。

サレジオ中は勝ち気を全面に出せるか

 

□決勝/向丘中2(25-20,25-20)0駿台学園中

 決勝は向丘中が、絶対王者を圧倒した。向丘中のエース兼主将の山田凜玖が強烈なスパイクで得点を重ね、チームを引っ張る。「(駿台学園中を相手に)緊張もしていましたが、のびのびとプレーができました」と、コート上で躍動した。公立校であり、練習時間はけっして多くは取れない。基礎練習に取り組む一方、サレジオ中への“出稽古”を重ね、コンビバレーを成熟させてきた。その成果が、ついに実を結んだ形だった。

 対する駿台学園中は絶対的エースの渡邊秀真のコンディションへの不安はあったが、それ以外にミスが目立った。向丘中に先行される展開に焦りが見られ、盛り返すまでに至らなかった。主将の寺内隼鷹は「練習から指摘されている部分が出てしまい、自信なく戦ってしまっていた」と悔いた。

駿台学園中はエース渡邊(奥)の活躍が鍵をにぎる

全開プレーで優勝へと導いた向丘中の山田(中央①)

 

 向丘中は第7回大会(昭和47年度)以来となる関東大会での優勝を果たした。なお、男子大会の結果は下記のとおり(全中出場権獲得校)

 

優 勝:向丘中(神奈川)

準優勝:駿台学園中(東京)

3 位:サレジオ中(東京)、大森二中(東京)

5 位:富士見東中(埼玉)、旭町中(千葉)、押原中(山梨)、塚沢中(群馬)

過去に2度の全国制覇の実績を持つ向丘

◆女子/文京学院大女中が、八王子実践中(東京)をまたも退ける

 

□準決勝/文京学院大女中2(22-25,25-19,27-25)1共栄学園中

 都のレベルの高さが伺えるように、女子のベスト4は東京勢が占めた。今シーズン、都大会をすべて制覇している文京学院大女中は共栄学園中に第1セットこそ奪われたが、2セット以降は決定力の高さを発揮し、逆転勝利を収めた。共栄学園中の御宿重夫監督は敗れたものの、「ふだん以上の力は発揮できた。苦しい試合の中であきらめない姿勢を出せた」とコメント。永井いづみ主将は「テンションを高く、戦うことができました」と手応えを口にした。昨年度の全中で準優勝の共栄学園中は、その経験を持つ永井や、同じく3年生の堤亜里菜が中心となり、全国の舞台に再び挑む。

共栄学園中の元気印、主将の永井(中央①)

 

□準決勝/八王子実践中2(25-16,31-29)0北沢中

 もう一方で行われた、八王子実践中と北沢中は両者ともパワフルな攻撃を繰り出す。北沢中は例年以上に高さのある選手がそろい、小園瞳(180㎝)、田中麗子(176㎝)が中心となって攻撃を展開。だが、サイズが同等あるいはそれ以上の相手に対し、スパイクのコースも単調に。点差を離された第1セットから、第2セットはジュースに持ち込んだが、最後は力尽きた。佐久間絢子監督は選手たちへ、勝利へのマインドセットがなされてないことを叱咤。菊田美優主将は「これまでの反省が生かされなかった」と話し、全中では「全力を出し切りたい」と誓った。

例年とは違うチームづくりに励む北沢中

 

□決勝/文京学院大女中2(25-23,25-18)0八王子実践中

 決勝の対戦カードは、今シーズンの都大会すべての決勝で実現したもの。4冠目を目指す文京学院大女中と、“4度目の正直”を果たしたい八王子実践中。樋口友梨(179㎝)、奥山日香里(176㎝)ら背の高い攻撃陣を中心に、文京学院大女はサーブで攻め立て、優位に試合を進める。また、坪谷朱莉がきっちりとコースを見定めて得点し、アクセントになった。第2セットは一気に引き離し、結果、ストレート勝利。都、そして、関東ブロックを制した。天野嘉之監督は「(全中では)一つでも上に、やはり優勝を目指したいですね」と最も高い頂に目を向けた。

 八王子実践中はレシーブに苦しんだ。「ここ一本でのミスが響きました」と熊田隆一監督は悔しい表情。とはいえ、レギュラーには2年生も多く、その爆発力は期待がもてるもの。次の、今シーズン最後のリベンジの機会を全中で実現させる。

強打が魅力の八王子実践中の大川(奥)

安定した強さを発揮している文京学院大女中

 

 5大会連続での決勝進出となった文京学院大女中は、大会2連覇を達成した。なお、女子大会の結果は下記のとおり(全中出場権獲得校)

 

優 勝:文京学院大女中(東京)

準優勝:八王子実践中(東京)

3 位:共栄学園中(東京)、北沢中(東京)

5 位:瑞穂野中(栃木)、淑徳SC中(東京)、東京立正中(東京)、山梨南中(山梨)

いざ全国へ、残すタイトルはあと一つだ

 

全中は8月21日(火)から島根県松江市で開幕!!

月刊バレーボール10月号(9月15日発売予定)では総力レポートをお届けします

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