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春高2025

【松江全中】プレーバック/優勝校のエースの肖像

  • 中学生
  • 2018.08.30

 中学生バレーボーラーが輝いた『第48回全日本中学校選手権大会』(松江全中)。大会レポートを掲載する『月刊バレーボール10月号』(9月15日発売予定)はお楽しみにしていただきつつ、プレーバックとして優勝校のエースの姿をお届けします。

■女子/文京学院大女中(東京)樋口友梨「重みが違いました」

力強くスパイクを打つ樋口(手前)

 

 小学6年生時に大井クッキーズスポーツ少年団(埼玉)の一員として全国大会を制し、金メダルを手にした経験がある樋口友梨。今年の夏、名門・文京学院大女中のエースとして頂点に立ったわけだが、その喜びをこのように表現した。

 「小学生のころよりも、メダルを手にした実感は大きいです。きっと、あのころよりも責任感を持って、プレーしていたので。日本一になれて、ほんとうにうれしいです」

 エースの自覚と向き合ってきた中学生生活最後のシーズン。1年生時からレギュラー入りをしていたが、初めて全国大会では決勝トーナメント1回戦敗退、2年目はベスト8。日本一を目指していた以上、それらの結果に終わった夏は樋口にとって「悔いが残るもの」だった。

 そうしてつかんだ、悲願の日本一。文京学院大女中には公式戦で優勝した時のみ、大会後にチーム全員と保護者たちが輪になって、部歌を歌い上げる伝統がある。今シーズンは都大会、関東大会といずれも、そのシーンが見られた。それでも、島根で奏でた音色は格別だった。

 「ほんとうに…、もう最高でした!!」

 この夏、いちばんの笑顔が弾けた。

樋口友梨(文京学院大女中3年/身長179㎝/ウイングスパイカー)

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■男子/昇陽(大阪)柴田悠亜「あとは、みんなを信じるだけでした」

決勝戦、目に氷を当てて試合を見つめる柴田

 

 日宇中(長崎)との決勝戦の最中。アップゾーンに、昇陽中のエース柴田悠亜の姿はあった。第1セットの序盤に、ブロックに入った際にボールが顔面に当たった。やがて視界がぼやけ、途中交代を余儀なくされたのである。

大一番でのエースの離脱、という緊急事態に柴田自身は焦った。その彼に、セッターの久保田雄が声をかける。「任せとけ」。

 その言葉を聞き、柴田は仲間たちにすべてを託すことを決めた。

 「久保田からそう言われて、大丈夫やな、と。あとは、みんなを信じるだけだと思いました」(柴田)

 チームは第1セットを落とした。それでも、持ち前のコンビバレーを展開し、逆転勝利を収める。コート上で歓喜する輪に、目の部分を冷やしながらエースは少し遅れて加わった。

 やがて元成喜一郎監督を筆頭に、胴上げが始まる。そうして、元成監督が声を上げた。

 「エースを胴上げや!!」

 柴田は「自分でいいのかな?」と思っていたが、チームメイトに突き上げられ、空を舞った。

 「みんなで一つになって戦ってこれました。めちゃくちゃうれしかったです」。目の痛みも収まったころ、エースは2年ぶりの優勝の感想をそのように語った。

柴田悠亜(昇陽中3年/身長181㎝/ウイングスパイカー)

 

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