【松江全中】プレーバック/この夏描かれたドラマ
- 中学生
- 2018.09.06
■男子/中之口(新潟) 最後までエースとともに
新潟県の黄金世代がそろったチーム、それが今回の松江全中に北信越大会王者として臨んだ男子・中之口中だった。主力を担う3年生のメンバーは、小学生時代に中之口ジュニアに在籍。小学6年生時には第35回全日本小学生大会を制覇し、それは県勢初の日本一のタイトルであった。
その中の一人、坪谷悠翔は昨年度に2年生ながらJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗大会の県選抜に入った実績を持つ、同世代をリードするウイングスパイカーだ。力強いスパイクに加えて強烈なジャンプサーブが魅力で、今回の全中でも、そのパフォーマンスの高さが光った。
そのエースに導かれ、チームは予選グループ戦をクリアし、いよいよ決勝トーナメントへ。だが、トーナメント初戦(シードのため2回戦)で、全国制覇6度を誇る“常勝”駿台学園中(東京)が立ちはだかった。
エースの坪谷(左から2番目)と、主将でセッターの川端(右端)は長年コンビを組む
試合は、第1セットからジュースにもつれ込む接戦に。そのセット終盤、中之口中のセッターを務める川端唯斗主将の胸のあたりを、坪谷が軽く叩いた。
「全部、オレに持ってこい」
その言葉に、川端はあらためて坪谷の存在の大きさを実感した。
「ジュニアのころから、ずっとトスを上げていて。どんな場面でも、どんなトスでも決めてくれる。頼りになるエースです」
川端は、「まわりのどんな選手よりも、いちばん」と坪谷を称してやまない。フルセットにもつれ、最終セットでは点差を離された駿台学園中戦も、その思いは変わらなかった。
「この試合を通じても、やっぱりあいつはすごいな、って思いました」
最後は力及ばず、1-2(25-27,25-16,16-25)で敗北。試合後、川端は真っ先に坪谷を抱きしめ、言葉を交わした。
「みんながつないだボールを、最後まで決め切ってくれたので。ありがとう、と」
ともに全国の頂に立ち、ふたたび目指した夏。夢半ばに終わったが、“日本でいちばんのエース”への感謝が、主将の目からあふれる涙に映っていた。
試合後、涙しながら抱き合った
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