イタリア・ブルガリアを舞台に熱戦が展開中の『男子世界バレー2018』は、現地9月21日から第2次ラウンドが始まった。
第1次ラウンドでは波乱が起きたグループもあり、第2次ラウンドの組み合わせも予測不可能なものに。トリノで行われる第3次ラウンドへ進むのは、果たして–!?
ミラノでプレーする、オランダのニミール・アブデルアジズ(奥)のスパイク
9月21日の結果は以下のとおり。
■E組(イタリア、オランダ、ロシア、フィンランド)
いぶし銀のプレー、イタリアのガブリエレ・マルオッティ(中央)
〇ロシア3(17-25,16-25,21-25)0オランダ●
〇イタリア3(25-20,25-18,25-16)0フィンランド●
第1次ラウンドでブラジル、フランスを撃破したオランダは勢いそのままに臨んだが、エースで主将のニミール・アブデルアジズがこの試合ではわずか9得点。ネーションズリーグ王者のロシアの高いブロックに跳ね返された。ロシアはディミトリー・ボルコフ、マキシム・ミハイロフが強烈なサーブで攻め立てた。
イタリアはポイントゲッターのフィリッポ・ランザが軽度の故障によりリベロで登録し、ガブリエレ・マルオッティが代役を務めた。攻守でフィンランドを圧倒し、詰めかけた大勢のファンたちを喜ばせた。マルオッティは「(第2次ラウンドの)初戦ということで難しい試合だったが、勝ててうれしいです」と語った。
■F組(ブラジル、ベルギー、スロベニア、オーストラリア)
スパイクを通さない!! ブラジル(コート奥)のブロック
〇ブラジル3(25-21,25-22,25-15)0オーストラリア●
〇スロベニア3(28-26,28-26,25-19)0ベルギー●
波乱の第1次ラウンドを首位通過したブラジルは、“バレールーズ”オーストラリアを難なく撃破。ブルーノ・レゼンデ主将は「驚いているよ。第1次ラウンドでは苦労したし、オーストラリアも強い相手だから。1、2セット目は課題もあったが、3セット目で自分たちのカウンターアタックを発揮することができた」と手応えを口にした。
第1次ラウンドで同組だったスロベニアとベルギーは再戦。ベルギーはサム・デルーが両チーム最多17得点をマークするも、相手のサーブに苦戦。スロベニアが“連勝”を果たした。
■G組(アメリカ、ブルガリア、イラン、カナダ)
カナダ(左)とアメリカ(右)による、ハイレベルな北米対決
〇アメリカ3(25-17,25-14,21-25,25-17)1カナダ●
〇ブルガリア3(25-19,28-26,26-24)0イラン●
アメリカはマシュー・アンダーソンが22得点でチームを牽引し、カナダに勝利。アメリカのジョー・スパロー監督は「はるかに素晴らしい相手に対して、精力的に戦えた」と喜ぶ一方、カナダのステファン・アンティガ監督は「ブラジル戦やフランス戦と同じようにチャンスはあったのに、ミスから逃してしまう。残念だ」と肩を落とした。
地元の大声援を背に戦うブルガリアは、イランとの競り合いを制し、ストレート勝利。7本のサービスエースをあげたトドル・スクリモフは、「第1次ラウンドのバルナでは、この武器を持ってこなかったんだ。ソフィアに来るまで忘れていたよ(笑) そう、サーブはいちばん最初の攻撃手段なんだ」と充実の表情を浮かべた。
■H組(セルビア、ポーランド、フランス、アルゼンチン)
激闘を制し、セルビアは歓喜
〇セルビア3(23-25,26-24,25-20,18-25,18-16)2フランス●
〇アルゼンチン3(16-25,25-19,25-23,23-25,16-14)2ポーランド●
第2次ラウンドでもとりわけ“死のグループ”となったH組。その初戦から戦いは熾烈を極め、セルビアとフランスは大激戦に。アレクサンダル・アタナシエビッチが38得点をあげてセルビアが勝利し、ニコラ・グルビッチ監督は「フランスを戦う時はいつも難しい試合になります。久しぶりの勝利ですかね、選手たちを誇りに思います」とコメントした。
もう一つのアルゼンチンとポーランドの一戦もフルセットになった。名将フリオ・ベラスコ監督の戦術が的中したか、ブロックの数はポーランドの7に対し、17。「4年前にアメリカを倒した時と似た状況。これがスポーツです!」とベラスコ監督は声をあげた。