『男子世界バレー2018』は現地9月27日、トリノ(イタリア)にて第3次ラウンド(ファイナル6)の2日目が行われ、ネーションズリーグ初代王者のロシア敗退の衝撃が走った。
前日の敗戦のショックを引きずったか、ロシア(コート手前)は勝ち切れず
■I組(ブラジル、ロシア、アメリカ)
アメリカのアンダーソン(コート奥)がロシアのブロックを攻略した
〇アメリカ 3(25-22,25-23,25-23)0 ロシア●
“うまさ”のアメリカと、“高さ”のロシア。それぞれの持ち味が存分に発揮された試合は、いずれのセットも拮抗した展開となったものの、アメリカがストレート勝ちを収めた。
序盤からサイドアウトの応酬が続くも、第1セット終盤にアメリカがサーブで崩し、ダニエル・マクダネルがブロックポイントを奪う形でリード。そのままアメリカが先取する。
第2セット以降、ロシアは負傷したエゴール・クリュカに代えて、期待の若手サウスポー、ビクトル・ポルタエフを先発で起用。そのポルタエフが切れ味鋭いスパイクを決める一方で、大黒柱のドミトリー・ムセルスキーも高さを生かしたブロックで存在感を見せる。
だが、この試合を制したのは、アメリカの巧みな攻撃だった。セッターのマイカ・クリステンソンがボールをさばき、コントロール。ロシアの高さあるブロックに対し、マシュー・アンダーソン、アーロン・ラッセル、そして主将のテイラー・サンダーらアタッカー陣は、ときに力強く、ときにさらりと交わすように得点を重ねる。最多17得点をあげたラッセルは「空いているエリアをよく見て、決めることができたよ」と満足げ。終わってみれば、アメリカがストレートで下した。
この結果、ロシアは0勝2敗に。ネーションズリーグ初代王者が、ここで姿を消した。
ロシアのポルタエフ(左)にとっては、今後につなげる機会に
■J組(イタリア、セルビア、ポーランド)
ポーランドのクレク(コート奥)は決定力高し(写真:FIVB)
〇ポーランド 3(28-26,28-26,25-22)0 セルビア●
4年前の戴冠を知るポーランドと、前日に開催国イタリアを圧倒的な強さで下したセルビア。試合はデッドヒートが繰り広げられ、第1、第2セットともにジュースとなったが、ポーランドがストレートでセルビアに勝利した。
ポーランドはエースのバルトシュ・クレクや、キャプテンのミハウ・クビアクが闘志をむき出しにコートでプレー。クビアクは4本ものブロックポイントを叩きだした。激闘を制したポーランドだが、クレクは「まだ何も成し遂げていない、そのことを自分たちがいちばん理解している」と試合後にコメント。フィタル・ヘイネン監督も「2セットを28-26で取れたことはよかったが、課題はまだある」と、見据える頂点へ向けて兜の緒を締めた。
対するセルビアは、この試合で『1セット獲得』か、もしくは『3セットで53得点』をあげれば、セミファイナル進出が決まる状況。第2セットで、その53得点に到達し、第3次ラウンド突破を果たした。ニコラ・グルビッチ監督は「さすがにイタリア戦で見せたような、恐ろしいほどのパフォーマンスは再現できません(笑) 次はブラジルか、アメリカか。ともに色の異なる、強豪国ですね」とセミファイナルに目を向けた。
これによりイタリアは、第3次ラウンド最終戦のポーランド戦で、『ストレート勝ち、かつ60失点以下に抑えること』がセミファイナル進出の条件に。いよいよ厳しいものとなった。
グルビッチ監督(中央)は頂点へと導くことができるか(写真:FIVB)
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