【女子】東レの助っ人が見せる心意気
- SV女子
- 2019.03.30
シーズンも大詰めを迎えた2018-19V.LEAGUE DIVISION1WOMEN。ファイナル3の火蓋が切られる中、今シーズン、快進撃を遂げた東レアローズに新加入したヤナ・クランにまつわるエピソードをお届け
■ヤナ・クラン/強力助っ人の足元に見た心意気
V・レギュラーラウンドではウエスタンカンファレンス4位。持ち点0からファイナル8をスタートさせた東レアローズだが、5連勝で2位通過を果たし、“下克上”を成し遂げた。
比較的、経験値の若い選手の台頭を見られる中、今季新加入したヤナ・クランは「リーダーシップを発揮したい」との思いで、チームをリードした。個人としては高さを生かし、得点王(544点)、サーブ賞(14.2%)に輝いている。
そのクランが試合中に履いているシューズが一風変わっている。白色のシューズに、黒い模様が施されているように見えるのだが、実はこれ、チームメイト全員のサインと名前が記されているのである。
左足には選手たちのかわいらしいサインが、右足にはスタッフの署名が。その理由をクランはこう語った。
「白色のシューズなので、汚くなったら取り替えないといけません。汚れが目立ちますから。それを隠したかったですし…、何より、東レでプレーしているからこそ、『東レのシューズ』にしたかったんです」
チームの中でも頭一つ抜きん出ており、チームメイトは見上げて話すほど。円陣では大きく両腕を広げて、チームの輪をがっしりと囲い込む。そんなクランの存在は文字どおり、大きなものになっている。
アウトサイドヒッターとして対角に入り、ともにポイントゲッターとしてコートに立つ黒後愛は言う。
「どんな場面でも、オッケー、オッケーと言ってくれる。自分たちが切羽詰まった場面でも、流れを変えるプレーをしてくれる。頼もしい存在です。
それに、選手もスタッフも、ヤナの発言で笑ってしまうようなこともあるんです。プレー以外でも、助けられている部分はあると思います」
求められているのは得点能力だけではない。自分自身もこの場所で果たしたい役目がある。そんな思いが、シューズに表現されているのだ。(編集部:坂口功将)
『月刊バレーボール』5月号(4/15発売予定)の「NTNL!!」は
東レアローズ女子!! チームの素顔がのぞける? 乞うご期待!!