第72回春高/東九州龍谷高・荒木に“贈る言葉”
- コラム
- 2020.01.06
「最後は3年生の気持ちが鍵をにぎる」。平山が伝えたいこと
荒木が憧れている、そう言うと平山は照れくさそうに「そうなんです。私のこと、めっちゃ好きみたいです」と笑う。平山にとって最後の春高バレーは悔しい結果に終わったが、以降も荒木とは交流を持っている。また、昨夏には女子U20日本代表メンバーとして女子U20世界選手権を戦った。そこでは平山も、荒木の存在を強く感じていた。
「あやかは控えのミドルブロッカーだったのですが、私がリベロチェンジでアップゾーンに戻るたびに、声をかけてくれて。相手の動きを教えてくれたり、私からも“ここを見てほしい”と伝えていました。
バレーボールに関しては先輩後輩も関係なく、はっきり言ってくれるんですよ」
平山にとって、荒木はどんな存在か? どうやら答えは出ない様子だ。
「いい感じの関係。後輩だけど、仲間でもあるし…、そういう存在。名前はつけがたいですね」
東九州龍谷高時代、平山は今の荒木と同様にキャプテンマークをつけていた。同じ立場、同じポジションだったからこそ、シーズンの集大成に向けて、かけられる言葉がある。平山はこう話した。
「最後は気持ちかなと思うんです。もう伝えてはいるんですけどね、最後は3年生だから、って。後輩たちに助けてもらうことはあっても、大事な時は絶対に自分で決めにいく気持ちを持っていかないといけない。そうしたら、絶対にミドルブロッカーって出番が回ってくるんですよ。気持ちがある選手にチャンスは巡ってくる。だから、それを逃さないようにしてほしいです」
真紅のユニフォームをまとい、代々3年生たちが紡いできた栄光と勝負師の心。荒木がそのハートをより強くプレーで表現したとき、“3度目の正直”を叶えるチャンスはやってくるはずだ。
(取材・文/編集部 坂口功将)