ボンジョールノ! 世界最高峰リーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』!! レギュラーシーズンは後半戦へ突入しました。第13節(後半第2節)では、今季注目を集めた男がついに爆発。その名は…、ルカレリ!!(Photo:Legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ
■カナリアが鳴いた日。ルカレリが今季初の20得点越えでトレンティーノ勝利
[MATCH OF THE ROUND]
◆トレンティーノ 3(23-25,24-26,25-22,25-20,15-10)2 ヴェローナ
〔12/6@ヴェローナ〕
例年以上にメルカート(移籍市場)が活発だった今オフ。その中でも注目は、この男のセリエA初挑戦だった。2016年リオデジャネイロオリンピック金メダリストでベストアウトサイドヒッター、2017年ワールドグランドチャンピオンズカップMVP。世界で指折りのスコアラーの一人、OHリカルド・ソウザ(ブラジル)。通称“ルカレリ”が、強豪トレンティーノのユニフォームの袖に腕を通したのである。
だが、その真価が発揮されるまでには時間を要した。開幕戦からフル出場を果たすも、その試合は4得点でアタック決定率は15%(2/13)。以降も、第2節は9得点、第3節は6得点、第6節に至っては5得点…!! チームも低空飛行が続いたが、その苦しみはこの数字と無縁ではないだろう。ファンもヤキモキしていたはず。カナリアよ、いつ鳴いてくれるのか?と。
そうして臨んだ今節は敵地ヴェローナでの一戦。トレンティーノは2セットダウンとなり、なんとか第3セットを競合いの末に獲得する。そして第4セット開始時からOHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)とルカレリのポジションを入れ替え、ルカレリが後衛から始まるローテーションに変更。これがはまったか、トレンティーノは序盤からヴェローナを引き離し、セットカウントをタイにする。最終第5セットも同様のローテーションで臨むと、ついには逆転勝利に成功した。
この試合でルカレリは、OPニミル・アブデジルアジズ(オランダ)と並ぶチーム最多23得点の活躍。自身にとって、今季初となる20得点越えであるが、むしろこれが本来の姿だ。世界最高峰の舞台で、カナリアの美しき音色はこれからますます聴かれるに違いない。
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◆ルーベ 3(21-25,23-25,25-21,25-20,15-8)2 ラヴェンナ
〔12/5@ラヴェンナ〕
アウェーのルーベは2セットダウンとなり、第3セットからOHオスマニー・ユアントレーナ(イタリア)を投入。そのユアントレーナがチーム最多4本のサービスエースを決めて、活が入ったルーベは逆転勝利を収めた。これぞキャプテンの圧倒的存在感!!
◆モンツァ 3(25-20,26-24,13-25,22-25,15-11)2 ミラノ
〔12/4@ミラノ〕
ホームのミラノはOH石川祐希が4本のサービスエースを含む、チーム最多20得点の活躍も2セット先取から悔しい逆転負け。OPアディス・ラグンジラ(トルコ)が33得点のパフォーマンスを披露したモンツァが4連勝とした。
なお、今節を終えたのち、新型コロナウイルス検査で石川が陽性判定となり、現地12月8日に行われた『CEVヨーロッパチャレンジカップ2021』のカムニーク戦を欠場している。
◆ペルージャ 3(25-20,25-19,25-21)0 ピアチェンツァ
〔12/6@ペルージャ〕
ペルージャはMBファビオ・リッチ(イタリア)が5本、MBセバスティアン・ソレ(アルゼンチン)が3本をあげて、ピアチェンツァの攻撃をはね返す。攻めては、ケガから復帰しギアを上げつつあるOPアレクサンダル・アタナシエビッチ(セルビア)がチーム最多15得点。ペルージャ、今季の理想形へと近づきつつある。
◆パドヴァ 3(25-18,20-25,25-16,27-25)1 チステルナ
〔12/6@パドヴァ〕
前節で連敗をストップさせたホームのパドヴァは、今節もチステルナに競り勝ち。OPトンチェク・シュテルン(スロベニア)が4本のブロックポイントを含む22得点でチームを牽引した。対するチステルナは6連敗。
◆ヴァレンティア 3(25-21,25-16,25-18)0 モデナ
〔12/6@モデナ〕
ホームのモデナは唯一の二桁得点がOPルカ・ベットーリ(イタリア)の11得点とあっては厳しい。対するヴァレンティアがアタックポイント、サービスエース、ブロックポイントすべてで上回り、ストレート勝ちを収めた。
◆《第9節》ルーベ 3(25-23,25-15,25-17)0 チステルナ
〔12/2@チヴィタノーヴァ・マルケ〕
力の差が歴然だった一戦は、ホームのルーベがチステルナを一蹴。第3セットにはOHイオアンディ・レアル(ブラジル)を下げて、OHマーロン・ヤント(キューバ)を投入する、“カリブ海リレー”の余裕も見せた。
◆《第9節》ペルージャ 3(25-20,25-23,26-24)0 モデナ
〔12/3@ペルージャ〕
ペルージャはOHウィルフレド・レオン(ポーランド)が19得点、モデナはOHネマニャ・ペトリッチ(セルビア)が18得点と、両チームのエースが撃ち合った一戦はホームのペルージャが競り勝ち。今季のトップ4は、二極化している様子だ。
《セリエA男子 レギュラーシーズン順位(round13終了時)》
1 ペルージャ 11勝1敗(勝ち点33)-
2 ルーベ 11勝1敗(勝ち点31)-
3 ヴァレンティア 8勝4敗(勝ち点22)▲
4 ミラノ 7勝5敗(勝ち点20)▼
5 モンツァ 7勝5敗(勝ち点18)▲
6 ピアチェンツァ 6勝6敗(勝ち点18)▼
7 モデナ 6勝6敗(勝ち点17)▼
8 トレンティーノ 4勝5敗(勝ち点12)-
9 パドヴァ 3勝9敗(勝ち点11)▲
10 ヴェローナ 3勝7敗(勝ち点10)▼
11 ラヴェンナ 1勝8敗(勝ち点9)-
12 チステルナ 1勝11敗(勝ち点5)-
※勝敗(勝ち点)。記号は前節からの順位推移
(責任編集:GUCII<坂口功将>)