サイトアイコン 月バレ.com【月刊バレーボール】

RUS20/21[第11~13節]ディナモ対決はモスクワの完勝

 世界三大リーグと称される、イタリア、ロシア、ポーランドから、ロシア・スーパーリーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE from RUSSIA with LOVE』。コロナ禍による日程調整もありましたが、レギュラーシーズンは前半戦がほぼ終了しました。さぁ、後半戦の主役となるのは…!?(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru

※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ

■前戦の今季初黒星を払拭。モスクワが白星で前半戦フィニッシュ

[MATCH OF THE ROUND](現地12/12)

◆〔第13節〕ディナモ・モスクワ 3(25-14,25-23,25-17)0 ディナモ-ロ・レニングラード・オーブラスチ

 9月下旬にスタートした2020/21スーパーリーグも当初は順調に日程を消化していたものの、10月下旬ごろからコロナ禍を受けて、試合の中止、延期そして再調整が相次いだ。影響を受けたチームも複数あり、開幕から無敗街道を突き進んでいたモスクワもそのうちの一つ。10月24日の第7節を最後にゲームのない日々が続き、再開したはおよそ1ヵ月後の11月28日。そのベルゴロド戦で勝利を収め、再出発を切った。

 

 その後、開幕からの連勝を7まで伸ばしたモスクワだったが、12月7日のウレンゴイ戦でついに初黒星を喫する。そうして、レギュラーシーズンの折り返し地点となる第13節のレニングラード・オーブラスチ戦へと臨んだ。

モスクワ(写真コート奥)が果敢に攻撃を繰り出す

 互いに“ディナモ(=ダイナモ。発電機のように、力をみなぎらせるものを形容した言葉)”を冠したチームどうしの対戦。とはいえ、熱きエネルギーを発したのは、アウェーのモスクワだった。この試合では、今季新加入の“帝王”ツベタン・ソコロフ(ブルガリア)がチーム最多19得点、アタック決定率70%(16/23)の力強いパフォーマンスでリードする。OHアントン・シェミセフ(ロシア)がチーム最多4本、OHヤロスラフ・ポロレスニク(ロシア)が3本のサービスエースをあげるなど、レニングラード・オーブラスチに流れを渡すことなく、ストレート勝利を収めた。

 

 試合後、モスクワのSパベル・パンコフ(ロシア)は「ウレンゴイ戦での悪かった内容を確認し、チーム内で話し合い、この試合への準備を進めてきました。相手は粘り強く、攻略するのは簡単ではありませんでしたが、私たちも強みを発揮して勝利することができました」と喜んだ。モスクワは前半戦のうち4試合が後半戦に延期されており、試合数も他より少ないぶん、ここからはハードなものになると予想される。とはいえ、この日の勝ち星は弾みのつくものと言えるだろう。

世界で指折りのハードパンチャー、ソコロフ(写真コート奥中央)

〔第11節:11/28〕ディナモ・モスクワ 3(25-19,25-20,26-28,25-19)1 ベロゴリエ・ベルゴロド

〔第3節:12/1〕ディナモ・モスクワ 3(27-25,25-17,25-15)0 ASKニジニ・ノヴゴロド

〔第8節:12/7〕ディナモ・モスクワ 3(25-19,25-20,21-25,25-21)1 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ

************

◆〔第13節:12/12〕エニセイ・クラスノヤルスク 3(18-25,25-22,25-21,25-21)1 オイルマン・オレンブルク

 前戦の第12節・ウレンゴイ戦でフルセットの激闘を制し、金星をあげたクラスノヤルスクは勢いそのままに今節でも逆転勝利に成功。3連勝から3連敗、そして今節で3連勝と波の激しい前半戦は、メンタルの問題か? 試合後、クラスノヤルスクのOPキリル・クレツ(ロシア)は「前の試合で闘志を費やしただけに、今日の試合は立ち上がりから慎重にならざるをえませんでした。とはいえ、先に進むことが大事です。モチベーションの低下を克服しなければ」と引き締めた。

クラスノヤルスクのMBバレンティン・ストリルチャク(ロシア/写真コート奥)が鋭いクイックを打ち込む

〔第11節:11/27〕エニセイ・クラスノヤルスク 3(25-18,26-24,25-20)0 ゼニト・サンクトペテルブルク

〔第12節:12/5〕エニセイ・クラスノヤルスク 3(20-25,25-22,23-25,25-16,20-18)2 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ

◆〔第13節:12/11〕ゼニト・サンクトペテルブルク 3(23-25,25-15,26-24,26-24)1 ガスプロム-ウグラ・スルグト

 前半戦を白星で締めくくりたいサンクトペテルブルクは、エースOPビクトル・ポレタエフ(ロシア)が両チーム通じて最多23得点の活躍を見せて、逆転勝利。対する、ウグラ・スルグトは前半戦で勝ち星を上げることができず、後半戦に3試合が延期されたものの…、開幕10連敗…。

サンクトペテルブルクを率いるトーマス・サムエルボ監督は「細かなミスを減らす必要があるが、勝てたことが第一」と試合後にコメント

〔第6節:11/24〕ゼニト・サンクトペテルブルク 3(25-21,25-21,19-25,25-16)1 ロコモティブ・ノヴォシビルスク

〔第12節:12/5〕ゼニト・サンクトペテルブルク 3(25-16,25-23,25-17)0 ベロゴリエ・ベルゴロド

◆〔第13節:12/12〕ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 0(20-25,23-25,23-25)3 ベロゴリエ・ベルゴロド

 前節の第9節でモスクワに勝利していたウレンゴイだったが、この試合では要所でミスが目立つ。歯車が噛み合わぬままストレート負けを喫し、11得点に終わったOPマキシム・ジガロフ(ロシア)も「おそらく今日はすべてがうまくいかなかった」と吐き出すしかなかった。一方、ベルゴロドはホームで連敗を3でストップさせた。

ウレンゴイのエースOHドミトリー・ボルコフ(ロシア/写真右から2番目)は、いつも感情むき出しにプレーする(第12節より)

〔第11節:11/28〕ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3(25-16,25-21,25-14)0 オイルマン・オレンブルク

◆〔第11節:11/28〕ウラル・ウファ 3(27-29,25-22,25-19,22-25,15-13)2 ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク

◆〔第11節:11/27〕ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3(27-29,25-22,25-19,22-25,15-13)2 ASKニジニ・ノヴゴロド

◆〔第11節:11/27〕クズバス・ケメロヴォ 3(25-22,25-22,20-25,25-18)1 ガスプロム-ウグラ・スルグト

◆〔第11節:11/28〕ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク 3(25-20,18-25,25-19,32-30)1 オイルマン・オレンブルク

◆〔第12節:12/5〕ゼニト・カザン 3(25-23,17-25,25-14,23-25,15-12)2 ASKニジニ・ノヴゴロド

◆〔第12節:12/7〕ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3(26-24,25-16,25-23)0 ウラル・ウファ

◆〔第12節:12/7〕クズバス・ケメロヴォ 3(25-20,24-26,25-20,25-22)1 ディナモ-ロ・レニングラード・オーブラスチ

◆〔第13節:12/14〕ゼニト・カザン 3(25-21,25-16,25-22)0 ウラル・ウファ

 ホームのウファは唯一の2桁得点が、エースOPマチェイ・ムザイ(ポーランド)が11得点だけとあっては厳しいか。カザンはOHバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)の12得点を筆頭に3選手が2桁得点。MBアルチョム・ボルビッチ(ロシア)が3本のブロックポイントをあげて、ウファを一蹴した。

ロシアスーパーリーグ男子 レギュラーシーズン順位(round13終了時)》

1 ゼニト・カザン 12勝1敗(勝ち点34)-

2 クズバス・ケメロヴォ 9勝2敗(勝ち点26)-

3 ディナモ・モスクワ 8勝1敗(勝ち点24)-

4 ゼニト・サンクトペテルブルク 8勝4敗(勝ち点24)-

5 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 6勝5敗(勝ち点21)▲

6 ロコモティブ・ノヴォシビルスク 勝3敗(勝ち点18)▲

7 エニセイ・クラスノヤルスク 6勝4敗(勝ち点17)▲

8 ウラル・ウファ 6勝7(勝ち点16)▼

9 ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク 4勝8敗(勝ち点14)▼

10 ベロゴリエ・ベルゴロド 3勝7敗(勝ち点9)▲

11 ディナモ-ロ・レニングラード・オーブラスチ 2勝7敗(勝ち点7)▼

12 ASKニジニ・ノヴゴロド 2勝7(勝ち点6)▲

13 オイルマン・オレンブルク 2勝8敗(勝ち点6)▼

14 ガスプロム-ウグラ・スルグト 0勝10敗(勝ち点0)-

※勝敗(勝ち点)。記号は第10からの順位推移

 

(責任編集:GUCII<坂口功将>)

モバイルバージョンを終了