世界三大リーグと称される、イタリア、ロシア、ポーランドから、ロシア・スーパーリーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE from RUSSIA with LOVE』。年内最終節に実施された上位勢対決は第1セットから壮絶なゲームに…!!(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ
■ノヴォシビルスクがカザンに勝利し、年内白星フィニッシュ
[MATCH OF THE ROUND](現地12/29)
◆ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3(43-41,18-25,25-20,25-23)1 ゼニト・カザン
昨季の最終成績1位のノヴォシビルスクと同2位のカザンによる、レギュラーシーズンでは2度目の対戦は第1セットから壮絶なデッドヒートに。ジュースに突入後も、両者一歩も譲らず得点を積み重ねる。そうして40点台に到達すると、42−41から最後はノヴォシビルスクが3枚ブロックでカザンのOPマキシム・ミハイロフ(ロシア)のアタックをはね返し決着をつけた。
第2セットはカザンに奪われたものの、ノヴォシビルスクはOPドラジェン・ルブリッチ(セルビア)とOHセルゲイ・サビン(ロシア)を中心に攻撃を展開。第4セットも途中までリードを許したが、ルブリッチのサービスエースなどで流れを取り戻し、結果的に3−1で勝利する。チームにとって、2014年11月9日以来となるカザンからの白星となった。
サービスエースはともに6本、ブロックポイントもカザンが計12本に対し、ノヴォシビルスクが計10本と数字上は互角で、最終的に勝敗を分けたのはサーブレシーブ成功率。ノヴォシビルスクの50%に対し、カザンは38%と下回り、カザンのミハイロフは「自分たちがサーブで力を発揮することができなかった」と分析した。
一方のノヴォシビルスクにとっては、ロシアカップ準決勝敗退の悔しさを払拭する結果に。プラメン・コンスタンティノフ監督は「自信を取り戻すためにも勝利が必要でした。カザンという強敵に勝てたことで、新鮮な気持ちで新年を迎えることができるでしょう」と喜び、チーム最多24得点をマークしたサビンも「運も味方しましたが、第4セットであきらめずに戦えた」と勝因を語った。昨季はコロナ禍のため打ち切りとなっただけに、真のタイトル獲得へ向けて、ノヴォシビルスクの“勝負”の2021年が始まる。
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◆《第5節》ディナモ・モスクワ 3(28-26,25-15,25-22)0 ロコモティブ・ノヴォシビルスク
(現地12/22)
延期されていた第5節はロシアカップのファイナル4を前に実施され、モスクワがノヴォシビルスクを相手にホームで快勝。結果としてロシアカップ優勝へ弾みをつける白星となった。OPツベタン・ソコロフ(ブルガリア)が3本のブロックポイントを含む14得点と活躍した。
◆《第15節》ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク 3(25-23,25-21,20-25,25-23)1 クズバス・ケメロヴォ
(現地12/25)
前節でカザンから金星をあげたニジネヴァルトフスクは勢いそのままに今節ではケメロヴォから勝利!! OPビタリー・パパゾフ(ロシア)が両チーム通じて最多22得点、MBヤロスラフ・ベルニュ(ロシア)が6本のブロックポイントをあげる活躍で再び金星を演出した。
◆《第15節》ディナモ・モスクワ 3(25-19,25-14,17-25,25-23)1 ウラル・ウファ
(現地12/29)
ロシアカップ優勝の余韻を残す中、モスクワは年内最終戦でウファと対戦。Sパベル・パンコフ(ロシア)が4本、MBラディム・リコシェルストフ(ロシア)が3本のブロックポイントで、ウファの攻撃をはね返した。パンコフは「第4セットはサーブレシーブから立て直すことができた。勝利に感謝したい」と喜んだ。
◆《第15節》ゼニト・サンクトペテルブルク 3(25-19,25-17,25-22)0 ASKニジニ・ノヴゴロド
(現地12/29)
サウスポーが唸る! ホームのサンクトペテルブルクはOPビクトル・ポレタエフ(ロシア)が両チーム通じて最多7本のサービスエースを炸裂させ、難なくストレート勝利。ロシアカップ準優勝の悔しさを晴らし、新年を迎える。
◆《第4節》ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3(23-25,25-19,25-22,25-13)1 ASKニジニ・ノヴゴロド
(現地12/23)
延期されていた第4節が実施され、ウレンゴイがOPマキシム・ジガロフ(ロシア)がチーム最多22得点、OHデニス・ボグダン(ロシア)が17得点と続き、攻守で圧倒した。なお、翌日には同一カードの第16節も実施され、こちらはシーソーゲームのフルセットとなったものの、ウレンゴイが勝利を飾っている。
《第16節》ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3(25-17,22-25,25-17,21-25,15-13)2 ASKニジニ・ノヴゴロド(現地12/24)
◆《第15節》ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3(25-21,23-25,21-25,25-19,15-7)2 ディナモ-ロ・レニングラード・オーブラスチ
(現地12/28)
今節を前に4連敗中だったオーブラスチはOPニキータ・アレクセーフ(ロシア)、OHデニス・ビリュコフ(ロシア)がそろって19得点をあげる活躍で白星まであと一歩に迫るも、悔しい逆転負け。対するウレンゴイはOHドミトリー・ボルコフが両チーム通じて最多26得点の大暴れ!! 3連勝で2020年を締めくくった。
◆《第15節》ガスプロム-ウグラ・スルグト 3(23-25,25-15,25-19,25-15)1 エニセイ・クラスノヤルスク
(現地12/28)
今季は開幕から11連敗と苦しかったスルグト。今節でついに…、今季初白星をゲット!! OPラジャドビール・シャクバニミルザエフ(ロシア)とOHキリル・コシェレンコ(ロシア)がそろって18得点をあげて、勝利に歓喜した。
◆《第7節》ウラル・ウファ 3(21-25,25-19,25-22,25-22)1 ベロゴリエ・ベルゴロド
(現地12/24)
延期されていた第7節が実施され、ウファはOHジョン・ゴードン・ペリン(カナダ)が最多23得点、アタック決定率64%の力強いパフォーマンスでチームを牽引。OPマチェイ・ムザイ(ポーランド)も18得点と続き、連敗を3でストップさせた。
◆《第15節》オイルマン・オレンブルク 3(25-20,21-25,25-22,24-26,15-12)2 ベロゴリエ・ベルゴロド
(現地12/27)
オレンブルクは10月31日の第8節以来、7試合ぶりの白星をあげて今季3勝目。OHマキシム・プディン(ロシア)が両チーム通じて最多26得点をあげたほか、MBアンドレ・アナニェフ(ロシア)が7本、MBイバン・コジスチン(ロシア)が4本のブロックポイントをマークし、フルセットを制した。
《ロシアスーパーリーグ男子 レギュラーシーズン順位(round15終了時)》
1 ゼニト・カザン 12勝3敗(勝ち点34)-
2 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 10勝5敗(勝ち点31)▲
3 ディナモ・モスクワ 10勝1敗(勝ち点30)▲
4 ゼニト・サンクトペテルブルク 10勝4敗(勝ち点30)▼
5 クズバス・ケメロヴォ 10勝3敗(勝ち点28)▼
6 ロコモティブ・ノヴォシビルスク 8勝4敗(勝ち点24)-
7 ウラル・ウファ 7勝9敗(勝ち点20)▲
8 ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク 6勝8敗(勝ち点20)▲
9 エニセイ・クラスノヤルスク 6勝6敗(勝ち点17)▼
10 ベロゴリエ・ベルゴロド 4勝9敗(勝ち点13)-
11 オイルマン・オレンブルク 3勝9敗(勝ち点8)▲
12 ディナモ-ロ・レニングラード・オーブラスチ 2勝9敗(勝ち点8)▼
13 ASKニジニ・ノヴゴロド 2勝10敗(勝ち点7)▼
14 ガスプロム-ウグラ・スルグト 1勝11敗(勝ち点3)-
※勝敗(勝ち点)。記号は第10からの順位推移
(責任編集:GUCII<坂口功将>)