第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)が1月5日(水)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。昨年度の春高を制した就実(岡山)の「最強ツインズ」や身長180cm台の2年生BIG3ら、注目の10選手を紹介する
取材・文/田中風太 写真/山岡邦彦、石塚康隆、松村健人、編集部
深澤めぐみ(就実高)
ふかざわ・めぐみ/3年/アウトサイドヒッター/身長176 cm/最高到達点302 cm/就実中(岡山)出身
久光スプリングスに内定した世代屈指のスパイカー。昨年度の春高では2年生ながらゲームキャプテンを務め、最優秀選手賞に選ばれる活躍でチームを日本一へ導いた。さらに、昨夏のインターハイでも準優勝に貢献。同大会後は持ち味であるクロスへの強烈なスパイクだけでなく、フェイントなどのテクニックも磨いてきた。昨年の春高予選前からはゲームキャプテンを務め、連覇に向けて強い思いで臨む。
深澤つぐみ(就実高)
ふかざわ・つぐみ/3年/ミドルブロッカー/身長176 cm/最高到達点302 cm/就実中(岡山)出身
姉のめぐみとともに、「最強ツインズ」としてチームの軸を担う。持ち味はめぐみも認めるパワフルなスパイク。準優勝に終わった昨夏のインターハイは、キャプテンとしてチームを牽引した。卒業後は東レアローズに内定し、初めてめぐみと違うチームへ進む。
昨夏のインターハイでは準優勝に終わった#4深澤めぐみと#1つぐみ。春高では連覇を狙う
古川愛梨(下北沢成徳高)
ふるかわ・あいり/2年/ミドルブロッカー/身長184 cm/最高到達点300 cm/加治木中(鹿児島)出身
加治木中1年生時から3年連続全中選抜入りを果たした注目の大器。高い打点からオープントスを力強く打ち分け、昨夏のインターハイでは優勝に貢献。昨年12月の皇后杯では、V2のブレス浜松やV1の日立Astemoリヴァーレに対し、スパイクだけでなく、ブロックでも得点を重ねた。OGの木村沙織さん(元東レ)に憧れ、将来は日本代表入りを目指す。
得点後に笑顔を見せる#6古川
谷島里咲(下北沢成徳高)
やじま・りさ/2年/アウトサイドヒッター/身長172 cm/最高到達点297 cm/八郷中(茨城)出身
相手のレシーブを弾き飛ばすスパイクが武器の2年生エース。身長172cmとチームでは小柄だが、高い打点からスパイクを打ち込み、優勝した昨夏のインターハイではベスト6に選出された。自らに厳しく練習に取り組む、チーム屈指の向上心の持ち主。日の丸を付ける選手になることが目標で、OGの石川真佑(東レ)が憧れ。
皇后杯でV リーガー相手にスパイクを決めた#1谷島
瀧澤凜乃(八王子実践)
たきざわ・りの/2年/オポジット/身長183 cm/最高到達点295 cm/八王子実践中(東京)出身
八王子実践中3年生時に東京都選抜として出場したJOC杯では、最優秀選手にあたるJOC・JVAカップに選出。同高では1年生時からレギュラーを務める。昨夏はインターハイ出場を逃したが、春高予選では力強いスパイクを持ち味に得点を重ね、優勝に貢献。昨年度の春高は1回戦敗退に終わっており、国際経験も豊富な同級生とともに、日本一へ闘志を燃やす。
春高予選1位通過に貢献した#5瀧澤
飯山エミリ(東九州龍谷高)
いいやま・えみり/2年/ミドルブロッカー/身長184 cm/最高到達点298 cm/吉野東中(鹿児島)出身
古川、瀧澤とともに2年生時から全中選抜としてプレーした(※古川は1年生時から選出)身長180cm超え「BIG3」の一角。東九州龍谷高では1年生時からレギュラー入りし、ブロックとライト側からも放つストレートへのスパイクを武器に、昨年度の春高ではベスト4入り。だが、準決勝では大阪国際滝井高(大阪)に第1セットを0-12と先行されて敗れており、リベンジへの思いは強い。
中学時代から注目を集め、相原昇監督からの期待も高い#3飯山(本戦のエントリーは#1)
吉武美佳(金蘭会高)
よしたけ・みか/3年/アウトサイドヒッター/身長182cm/最高到達点300cm/大木中(福岡)出身
金蘭会高では1年生時からレギュラーで、同年にはU18(ユース)世界選手権大会に出場するなど、経験豊富な長身エース。昨夏のインターハイは就実に敗れてベスト4に終わり、二段トスの打ちきりを磨いた。今季は下級生がスタメンに多く名を連ねる中、ゲームキャプテンとして、春高では3年ぶりの頂点へチームを引っ張る。卒業後は深澤めぐみとともに久光スプリングスへ。
1年生時から主力としてプレーする#2吉武
德本歩未香(金蘭会高)
とくもと・あみか/2年/リベロ/身長153 cm/最高到達点255 cm/金蘭会中(大阪)出身
昨季はリベロに西崎愛菜(JT)がいたこともあり、主にリリーフサーバーとして出場。今季から守護神を任され、昨夏のインターハイでは深澤めぐみら相手エースのスパイクをことごとくレシーブ。リベロ優秀選手に選ばれた。正リベロとして臨む初の春高でも、小さな体で大きな存在感を発揮する。
今季から守護神を務める#10德本
甲斐理香菜(都城商高)
かい・りかな/3年/アウトサイドヒッター/身長172 cm/最高到達点296 cm/土々呂中(宮崎)出身
昨夏のインターハイで県勢初のベスト4に導いたサウスポーエース。インナーへのスパイクだけでなく、プッシュやフェイントを多用した技術の高いアタックで得点を重ね、同大会ではベスト6に選ばれた。昨年度は姉の由美夏(PFU)とともに出場し、2回戦敗退。2年連続の夢舞台で、目標の日本一へ引っ張る。岡山シーガルズ内定。
得点が決まり、ガッツポーズする#4甲斐。昨夏のインターハイでは、昨年度の春高で準優勝した大阪国際滝井高を撃破
タピア・アロンドラ(古川学園高)
2年/ミドルブロッカー/身長195cm/最高到達点315cm/ドミニカ共和国出身
バルデス・メリーサ(PFU)を擁し、春高では2大会連続センターコートに進んだ古川学園に現れた新大砲。高さを生かしたスパイクとブロックを武器に、今季からレギュラー入り。ベスト8入りした昨夏のインターハイでは主力として戦った。昨秋は母国ドミニカ共和国のU18代表として、U18世界選手権にも出場。成長した姿を見せ、春高ではチームを頂点に導けるか。
高い打点からのスパイクが持ち味の#4タピア