野瀬将平インタビュー【中編】イスラエルで「試合がうまくなっていく」
- 海外
- 2021.02.10
前編(イスラエルで求められる自己管理能力)ではイスラエルでの生活やコロナ禍の状況、リーグやチームについて野瀬選手に話をうかがった。今回はイスラエルで試合に出場する中で自身が感じていることについて。
情報がないイスラエルリーグからのオファー
――なぜ今季海外に出ようと思ったのですか?
僕は今27歳です。Vリーグに入って5年が過ぎました。やっぱり試合に出ないと意味がないと思っているんです。下積みっていう年齢でもないし、なんなら引退の方が近いですよね。キャリアを考えると真ん中より後に来ているんです。もちろん日本にいたら練習環境はいいですし、素晴らしい選手もいっぱいいるので、学ぶこともあるのですが、それはもう4年間やりました。昨季のVリーグで半分ほどの試合をスタメンで出させてもらって、試合じゃないと気づけない感覚や学びが多かったんです。今、自分に必要なのは、コーチに台上からボールを打ってもらってサーブレシーブを練習するとか、6対6の紅白戦で上手くなることではないんです。それももちろん必要なことなんですが、ユニフォームを着て出せるパフォーマンスが今の自分には足りていないと痛感しました。
そう考えて、真保(綱一郎・FC東京監督)さんに、海外に行きたいと相談しました。エージェントに連絡してチームを探してもらい、オファーをいただいたのが8月26日です。2日くらい考えてサインして9月10日に日本を発ったので、結構バタバタでしたね。
――オファーをもらってシーズンまでの時間がない中での判断は難しかったと思いますが、迷いはなかったですか?
迷いましたね。いや、迷ったというよりは、他のオファーを待つという選択肢がありました。僕の選択肢に最初はイスラエルが入っていなかったんです。ヨーロッパのドイツやフランスをイメージしていたので、イスラエルからのオファーと聞いて「ん?」となったんですけど、そこから情報を集めました。最初はどのくらいのレベルか分からないですし、ナショナルチームはランキングでいうとぜんぜん下の方ですし(2021年2月10日現在FIVBランキング56位)。
リーグ戦での様子(写真:本人提供)
イスラエルに行ったとして、試合は出られるけど、フローターサーブを打つ選手しかいないとか、スパイクは全然大したことがないとかだと、行っても意味がないと思ったので、情報はすごく集めました。周りの人にも聞いて、今村(駿/トヨタ車体コーチ)さんにもたくさん聞いて、チームに映像をもらって、それも見た上で、そんなに悪くはないのかなと思いました。悩みはそこだけでしたね。レベルが問題ないって分かった時点からは迷いはなかったです。