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RUS20/21[第20節]ブロック16発! カザンが5戦ぶり白星

世界三大リーグと称される、イタリア、ロシア、ポーランドから、ロシア・スーパーリーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE from RUSSIA with LOVE』。1月は上位勢のバトルが目白押しでした。その期間に黒星を重ねたカザンでしたが、最後にウレンゴイとの激闘を制しました(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru

※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ

 

 

■計16本のブロックポイント!! カザンがウレンゴイとのフルセット制し、連敗を4でストップ

[MATCH OF THE ROUND]

◆《第20節》ゼニト・カザン 3(25-23,23-25,25-11,24-26,15-13)2 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ

(現地1/30)

 今季はスーパーカップで一つ目のタイトルを手にしていた名門カザン。開幕10連勝を飾るなど、長らく首位に君臨していたが、2連敗で2020年を終えると、新年も第17節(現地1月10日)のケメロヴォ戦から黒星を重ねること4つ。もっともモスクワやサンクトペテルブルクといった上位勢との対戦だったことでやむなしではあったものの、悔しさを募らせていた。

 

 そうして今節は、3連勝中と勢いに乗るウレンゴイのホームに乗り込んだ。ただし、不安もあった。今季からチームに加わりポイントゲッターとして活躍するOHバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)が背中の痛みにより、帯同せず。トーマス・トトロCは「(ベドノシュは)ほぼ回復していますが、大事をとってメンバーから外しました。家で、次の試合への準備を整えてもらっています」と説明した。

 

ウレンゴイのアタックを懸命にはね返したカザン(写真コート奥)

 

 それでも十分な攻撃力を備えているのが今季のカザン。この日はOPマキシム・ミハイロフ(ロシア)のチーム最多23得点を筆頭に、OHイアルバン・ヌガペト(フランス)が20得点、MBアレクサンドル・ボルコフ(ロシア)が15得点、MBアルチョム・ボルビッチ(ロシア)とベドノシュの代わりに出場したOHヒョードル・ボロンコフ(ロシア)がともに12得点と、分厚い攻撃を繰り出してフルセットを制する。また、特筆すべきはチーム全体のブロックポイントで、ボルコフが6本、Sアレクサンドル・ブティコ(ロシア)が3本をマークするなど、チーム合計は16本。ウレンゴイもOPマキシム・ジガロフ(ロシア)の19得点を含め3選手が2桁得点をあげたが、カザンの“巨壁”に屈した。

 

 これで連敗を止めたカザンはレギュラーシーズンの残り5試合を取りこぼしなく乗り切りたいところ。そんな中、ウラジミール・アレクノ監督が今季終了後、チームの指揮から離れる予定であることを表明。すでに今年から男子イラン代表監督への就任が決まっているが、それとは別でアレクノ監督は「カザンに必要なのは新鮮な血、若いリーダーです」とコメントしている。名門クラブの今後に注目が集まるが、まずはリーグタイトルに全力を注ぐことだろう。

 

ロシアを代表する名監督アレクノ。2012年ロンドンオリンピックでは男子ロシア代表を金メダルに導いた

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◆《第20節》クズバス・ケメロヴォ 3(27-25,21-25,25-18,29-27)1 ゼニト・サンクトペテルブルク

(現地1/30)

 今節を前に8連勝としていたサンクトペテルブルクは、この日もOPビクトル・ポレタエフ(ロシア)が26得点とチームをリードする。だが、攻撃枚数で上回ったケメロヴォに軍配が上がった。ケメロヴォはOHエフゲニー・ソボゼレズ(ロシア)がチーム最多22得点、OPイバン・ザイツェフ(イタリア)が19得点、OHアレクサンドル・マルキン(ロシア)が13得点と続いた。

ケメロヴォのベテランアタッカー、ソボゼレズ(写真右端)がサンクトペテルブルクのブロックを攻略

 

◆《第20節》ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3(25-19,25-16,25-11)0 エニセイ・クラスノヤルスク

(現地1/30)

 4連敗中だったノヴォシビルスクは、そろそろ白星をあげたいところ。そうして臨んだ今節ではOHセルゲイ・サビーン(ロシア)とMBシシェルビニン・ドミトリー(ロシア)がともに3本のブロックポイントで、クラスノヤルスクの攻撃を封じ込める。完勝ともいえる内容で、2021年初白星をあげた。

ノヴォシビルスクのエースOPドラジェン・ルブリッチ(セルビア/写真中央)は14得点

 

◆《第20節》ディナモ・モスクワ 3(25-18,23-25,26-24,22-25,17-15)2 オイルマン・オレンブルク

(現地1/30)

 ロシアカップ王者モスクワが優位と思いきや、最後まで息つく間のないシーソーゲームに。オレンブルクはOHマキシム・プディン(ロシア)が3本のサービスエースを含む20得点をあげたほか、MBアンドレ・アナニェフ(ロシア)が4本のブロックポイントをあげるなど肉薄した。それでも競り勝ったモスクワは連勝を8に伸ばす結果に。Sパベル・パンコフは「相手がほんとうにいいチームだった。苦戦はしたけれど、今日の試合についてはポジティブな印象を持っているよ」と試合後に語った。

観客席までボールを追ったオレンブルクのプディン(写真中央)

 

◆《第20節》ウラル・ウファ 3(25-21,21-25,21-25,25-16,18-16)2 ガスプロム-ウグラ・スルグト

(現地1/30)

 今節を前に3連勝中と波に乗るウファと、2連敗中のスルグトとの一戦はフルセットの末、ホームのウファに軍配。OHイゴール・フェオキチョフ(ロシア)が5本のブロックポイントを含む21得点、OPエフゲニー・リャバコフ(ロシア)が22得点をあげて、連勝を4に伸ばした。

ウファはSロマン・ポロシン(写真中央)が攻撃を組み立てた

 

◆《第20節》ASKニジニ・ノヴゴロド 3(25-18,25-23,15-25,25-20)1 ディナモ-ロ・レニングラード・オーブラスチ

(現地1/30)

 昨年のレギュラーシーズン前半戦で喫した4連敗と6連敗が嘘のように新年に突入してから好調のノヴゴロド。今節もOPドミトリー・ビエトスキ(ロシア)を中心に攻撃を繰り出し、オーブラスチからしっかりと勝利。2021年は現在無傷の6連勝で9位に浮上し、この勢いのままプレーオフ進出へと突き進みたいところだ。

ノヴゴロドのエース、ビエトスキ(写真右)が懸命にブロックに跳ぶ

 

◆《第20節》ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク 3(25-16,25-21,25-20)0 ベロゴリエ・ベルゴロド

(現地1/31)

 ホームのニジネヴァルトフスクはMBユーリ・チェプコフ(ロシア)の6本を筆頭に、チーム合計15本のブロックポイントでベルゴロドの攻撃を封じ込める。攻めてはOPビタリー・パパゾフ(ロシア)が両チーム通じて最多19得点をマークし、ストレート勝ち。連敗を4でストップし、2021年初勝利をあげた。

ベルゴロド(写真コート奥)は5連敗と苦しい状況が続く

 

◆《第8節》ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3(25-20,25-23,25-22)0 ベロゴリエ・ベルゴロド

(現地2/3)

 延期されていた第8節が実施され、ホームのノヴォシビルスクが快勝。OPドラジェン・ルブリッチ(セルビア)が4本のサービスエースを含む13得点、OHマルコ・イボビッチ(セルビア)が12得点と続いた。なお、現地2月5日には同じ対戦カードの第21節が舞台を移して行われる。ベルゴロドはリベンジなるか、果たして。

 

ロシアスーパーリーグ男子 レギュラーシーズン順位round20終了時)》

1 ディナモ・モスクワ 15勝1敗(勝ち点43)▲

2 クズバス・ケメロヴォ 15勝4敗(勝ち点43)▲

3 ゼニト・サンクトペテルブルク 14勝5敗(勝ち点42)▼

4 ゼニト・カザン 14勝7敗(勝ち点39)▲

5 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 13勝7敗(勝ち点39)▼

6 ウラル・ウファ 11勝10敗(勝ち点31)-

7 ロコモティブ・ノヴォシビルスク 10勝8敗(勝ち点31)-

8 エニセイ・クラスノヤルスク 8勝10敗(勝ち点24)-

9 ASKニジニ・ノヴゴロド 8勝10敗(勝ち点22)-

10 ウグラサモトロル・ニジネヴァルトフスク 7勝12敗(勝ち点25)-

11 ガスプロムウグラ・スルグト 5勝15敗(勝ち点18)-

12 ベロゴリエ・ベルゴロド 5勝15敗(勝ち点16)-

13 オイルマン・オレンブルク 5勝15敗(勝ち点13)-

14 ディナモロ・レニングラード・オーブラスチ 4勝15敗(勝ち点16)-

※勝敗(勝ち点)。記号は前節からの順位推移

 

(責任編集:GUCII<坂口功将>)

 

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