世界三大リーグと称される、イタリア、ロシア、ポーランドから、ロシア・スーパーリーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE from RUSSIA with LOVE』。大国ロシアを代表するエースが、節目の記録を自らの活躍で祝いました。男の名は…、マキシム・ミハイロフ!!(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■ミハイロフがカザンで500試合出場達成。最多20得点で、自ら祝砲をあげる
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第21節》ゼニト・カザン 3–2 エニセイ・クラスノヤルスク
(25-23,23-25,25-11,24-26,15-13)
(現地2/4)
ロシアの男子バレーボール界の“顔”として、その豪快なスパイクを放ち続けるマキシム・ミハイロフ。代表、クラブで獲得したタイトルは数知れない。2003年からスーパーリーグでプレーし、2010/11シーズンからはカザンに入団。代々、世界トップクラスの選手たちが並ぶ強豪チームでも、変わらずにコートに立ってきた。そのミハイロフはカザンで節目の500試合目となる今節をホームで迎えた。
銀河系軍団で第一線に立ち続けるミハイロフ(写真左から3番目)
この日は第1セットこそ、アウェーのクラスノヤルスクに奪われたが、カザンは第2セットからセッターをアレクサンダル・ブティコ(ロシア)からローレン・アレンコ(ロシア)に、OHバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)をOHヒョードル・ボロンコフ(ロシア)にチェンジし、攻撃のリズムを変える。ブロックも機能し始め、以降は相手を圧倒。第4セットこそジュースにもつれ込んだが、逆転勝利を収めた。
注目されたミハイロフは5本のブロックポイントを含む20得点をマーク。両チーム通じて最多の数字をあげる活躍で、自らの節目を祝った。ミハイロフは「カザンでこんなに多くの試合を戦うことができているなんて信じられない。選手が一つのクラブで長くプレーできていることはすなわち、選手自身とチームがともにに良好であることを意味しています。私にとって、特別な日です」と喜んだ。なお、クラブの歴代最多出場記録はLウラディスラブ・バビチェフ(ロシア)の578試合。ミハイロフが塗り替える日はくるだろうか。
バレーボール史に、その名を刻むミハイロフ。次なる栄光を求めて
************
◆《第21節》ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3–1 ベロゴリエ・ベルゴロド
(25-18,25-16,25-16)
(現地2/5)
中1日の同一カードで行われた一戦は、ホームのノヴォシビルスクが快勝。同じストレート勝ちでも、この2日前の対戦時はサーブの効果率に対してブロックが機能していなかった点に、ノヴォシビルスクのプラメン・コンスタンティノフ監督は不満げ。この日の内容には「結果にも満足していますし、自分たちの望むようにな試合運びができました」とコメントした。
ベルゴロドの2本に対し、ノヴォシビルスク(写真コート奥)は合計12本のブロックポイント
◆《第21節》クズバス・ケメロヴォ 3–2 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ
(17-25,25-23,25-17,18-25,20-18)
(現地2/5)
前回対戦時もフルセットにもつれ込んだカードは、両者一歩も譲らぬ展開。ホームのウレンゴイはOPマキシム・ジガロフ(ロシア)が4本、OHデニス・ボグダン(ロシア)とOHドミトリー・ボルコフ(ロシア)がともに3本をあげるなど、チーム合計13本のサービスエースで攻め立てた。それでも最終第5セットでケメロヴォに競り負け、ウレンゴイはチーム創設25周年の記念試合を勝利で飾ることができなかった。
ウレンゴイは2000/01シーズンのデザインやチームロゴを再現した特別ユニフォームで戦った
◆《第21節》ディナモ・ロ-レニングラード・オーブラスチ 3–0 ウラル・ウファ
(25-16,25-21,25-12)
(現地2/6)
今節を前に4連勝としていたウファだが、OPマチェイ・ムザイ(ポーランド)がイタリア・セリエAのペルージャへの移籍が決まり、大砲が不在。OPエフゲニー・ラバコフ(ロシア)がチーム最多17得点と気を吐いたが、完敗に終わる。勝利したオーブラスチはOPニキータ・アレクセーフ(ロシア)の13得点を筆頭に、4選手が2桁得点をマークした。
ウファのSロマン・ポロシン(写真中央)は攻撃力低下をトスワークでカバーしたい
◆《第21節》ガスプロム-ウグラ・スルグト 3–2 ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク
(25-13,25-14,17-25,22-25,15-13)
(現地2/6)
ホームのスルグトは幸先よく2セットを連取するも、選手交代で勢いを取り戻したニジネヴァルトフスクにセットカウントをタイに戻される展開。それでも最終第5セットを制し、連敗を3でストップさせた。敗れたニジネヴァルトフスクだったが、この試合でもチーム最多17得点をあげたOPビタリー・パパゾフ(ロシア)は367得点でリーグトップスコアラーの座をキープしている。
◆《第2節》ASKニジニ・ノヴゴロド 3–1 オイルマン・オレンブルク
(25-19,27-25,21-25,25-21)
(現地2/6)
新年から負けなしのノヴゴロドは今節もしっかりと勝ちきり、これで7連勝。OPディミトリー・ビエトスキ(ウクライナ)が19得点、OHアンドレイ・ティティチ(ロシア)が4本のサービスエース、そして今年40歳の大ベテランMBビクトル・ニコネンコ(ロシア)が3本のブロックポイントをあげて、攻守でオレンブルクを上回った。
ノヴゴロドのOHイバン・バレーフ(ロシア)はディフェンスでチームを支える
◆《第21節》ディナモ・モスクワ 3-1 ゼニト・サンクトペテルブルク
(27-25,31-33,25-18,25-16)
(現地2/6)
◆《第8節》ディナモ・モスクワ 3–0 ゼニト・サンクトペテルブルク
(25-22,25-21,25-16)
(現地2/7)
ロシアカップ決勝のカードは、延期されていた第8節も含めて、2夜連続で実施された。昨年12月7日の第9節が今季唯一の黒星、と無類の強さを誇るモスクワはロシアカップ(3-0で勝利)に続いて、サンクトペテルブルクを相手に勝ち点3を2戦連続で獲得。なかでもOPツベタン・ソコロフ(ブルガリア)が初戦は22得点、2日目は21得点とパワフルなパフォーマンスを披露してみせた。
初日は「完璧な状況で得点できていない」とモスクワのブライヤンスキ・コンスタンティン監督は、2日目にしっかりと修正
《ロシアスーパーリーグ男子 レギュラーシーズン順位(round21終了時)》
1 ディナモ・モスクワ 17勝1敗(勝ち点49)-
2 クズバス・ケメロヴォ 16勝4敗(勝ち点45)-
3 ゼニト・カザン 15勝7敗(勝ち点42)▲
4 ゼニト・サンクトペテルブルク 14勝7敗(勝ち点42)▼
5 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 13勝8敗(勝ち点40)-
6 ロコモティブ・ノヴォシビルスク 11勝8敗(勝ち点34)▲
7 ウラル・ウファ 11勝11敗(勝ち点31)▼
8 ASKニジニ・ノヴゴロド 9勝10敗(勝ち点25)▲
9 エニセイ・クラスノヤルスク 9勝10敗(勝ち点25)▼
10 ウグラ–サモトロル・ニジネヴァルトフスク 7勝13敗(勝ち点26)-
11 ガスプロム–ウグラ・スルグト 5勝15敗(勝ち点18)-
12 ディナモ–ロ・レニングラード・オーブラスチ 5勝15敗(勝ち点19)▲
13 ベロゴリエ・ベルゴロド 5勝16敗(勝ち点16)▼
14 オイルマン・オレンブルク 5勝16敗(勝ち点13)▼
※勝敗(勝ち点)。記号は前節からの順位推移
(責任編集:GUCII<坂口功将>)