第1セットを取ったチームの勝率は?【Vリーグファイナルを数字で見る】
- SV女子
- 2021.02.17
テニスで第1セットを落としたら?
ここで少し話を変える。バレーボールと同じセットスポーツの一つにテニスがある。男子プロテニス協会(ATP)で昨年あがった記事によると、1991年以降のATPツアーで3セットマッチの第1セットを落とした選手がその試合に勝つ確率は21.7%(第1セットを落とした試合42,909試合中、勝利した試合は9,301試合)だったという。(引用元https://www.atptour.com/en/news/djokovic-infosys-insights-june-2020)テニスのグランドスラムは5セットマッチだが、通常のツアーは3セットマッチで行われる。バレーボールのVリーグとセット数は違うが、ほぼ同じ数字になっていることは興味深い。
第1セットを落としてからの勝利
話を戻そう。第1セットを取ることは勝利するためにとても重要ではあるが、取れなくても100%負けるわけではない。2014-15シーズンを見てみよう。レギュラーラウンド13勝8敗で2位のNECレッドロケッツはファイナル6とファイナル3を勝ち上がってファイナルへ到達。17勝4敗で1位通過の久光製薬スプリングスはファイナル6も全勝で1位通過した。ファイナルでは久光製薬が第1セットを先取したものの、近江、島村、古賀、柳田らがバランスよく得点したNECがそこから3セットを連取して優勝を奪い取った。
さらに2016-17シーズンを見てもらいたい。このシーズンはNECがレギュラーラウンドを15勝6敗で1位通過。ファイナルで久光製薬と対戦した。ファイナルは2戦制で1勝1敗となった場合ゴールデンセットを行う形式だった。2試合とも第1セットを先取したのは久光製薬。しかし両試合ともフルセットの熱戦を制して優勝したのはNECだった。NECのこの2度の優勝は、ここまでの「2割」の話から考えると偉業と言えるのかもしれない。