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第1セットを取ったチームの勝率は?【Vリーグファイナルを数字で見る】

石川真佑(東レ)

過去20年間のファイナルを数字で見る

 

 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN (V1女子)のV・レギュラーラウンドは東レアローズが優勝し、2月20日(土)のセミファイナル進出が決定している。今季もいよいよ大詰め。どのような戦いとなるだろうか。

 

 ここでその前に、過去のVリーグファイナルを1つの数字で振り返ってみよう。

 

「74%」

 

 何の数字か分かるだろうか? 答えは「ファイナルの各試合において、第1セットを取得したチームのその試合の勝率」。下の表は2000-01シーズンの第7回Vリーグから昨シーズンまでのファイナルの結果を一覧にしたもの。優勝の決定方式は1戦のみや2勝したチームの優勝、あるいはゴールデンセットの適用などシーズンによって違うため、“ファイナル”で行われた全試合を対象としている。

 

 

 “ファイナル”で行われた試合は合計27試合(2018/19シーズンのゴールデンセットは除いた)。ファイナルが1試合だけではないシーズンも多いが、ここではあくまで「第1セットを取得したチームの、その試合の勝率」に絞ることにする。その内第1セットを取得したチームは21勝6敗で勝率は74%だった。となると、第1セットを取れなかった場合の勝率は2割程度しかないことになる。

 

 

テニスで第1セットを落としたら?

 

 ここで少し話を変える。バレーボールと同じセットスポーツの一つにテニスがある。男子プロテニス協会(ATP)で昨年あがった記事によると、1991年以降のATPツアーで3セットマッチの第1セットを落とした選手がその試合に勝つ確率は21.7%(第1セットを落とした試合42,909試合中、勝利した試合は9,301試合)だったという。(引用元https://www.atptour.com/en/news/djokovic-infosys-insights-june-2020)テニスのグランドスラムは5セットマッチだが、通常のツアーは3セットマッチで行われる。バレーボールのVリーグとセット数は違うが、ほぼ同じ数字になっていることは興味深い。

 

第1セットを落としてからの勝利

 

 話を戻そう。第1セットを取ることは勝利するためにとても重要ではあるが、取れなくても100%負けるわけではない。2014-15シーズンを見てみよう。レギュラーラウンド13勝8敗で2位のNECレッドロケッツはファイナル6とファイナル3を勝ち上がってファイナルへ到達。17勝4敗で1位通過の久光製薬スプリングスはファイナル6も全勝で1位通過した。ファイナルでは久光製薬が第1セットを先取したものの、近江、島村、古賀、柳田らがバランスよく得点したNECがそこから3セットを連取して優勝を奪い取った。

 

 さらに2016-17シーズンを見てもらいたい。このシーズンはNECがレギュラーラウンドを15勝6敗で1位通過。ファイナルで久光製薬と対戦した。ファイナルは2戦制で1勝1敗となった場合ゴールデンセットを行う形式だった。2試合とも第1セットを先取したのは久光製薬。しかし両試合ともフルセットの熱戦を制して優勝したのはNECだった。NECのこの2度の優勝は、ここまでの「2割」の話から考えると偉業と言えるのかもしれない。

 

 

 過去20シーズンを振り返る限り、第1セットを取った方が圧倒的に有利となる、とは言えるが、もちろん3セットを先取するまで勝利の行方は分からない。2月20日(土)から始まるV・ファイナルステージでは、第1セットの行方にいつもより注目してみてはいかがだろうか?

 

【2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN V・ファイナルステージ】

 

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