斎田杏インタビュー【後編】楽しいバレーボールを自分のために
- 海外
- 2021.02.20
プロバレーボール選手の斎田杏選手のインタビュー(2)では、海外でバレーを続ける理由について話を聞いた。
日立、ルーマニアで橋本直子とプレー
――海外は4年目ですが、2018-19シーズンはルーマニアリーグのCSMブカレストで日本人選手とも一緒にプレーしています。いかがでしたか?
チームからは最初、橋本さん(直子/イタリアのイル・ビゾンテ・フィレンツェ所属)と2人でやると聞いていましたが、その後田代さん(佳奈美)と井上さん(琴絵/共にデンソー)も来ることになりました。日本人が多くて最初はどういう雰囲気になるのかなと思いましたけど、やってみると、お互いに助け合って生活できていたので、3人いてよかったなと思います。監督(フェルハト・アクバシュ/当時日本代表コーチを兼務)も半分日本人みたいな感じだったので楽しかったです。代表選手ばっかりのチームだったのでとても勉強になりました。ちなみに橋本さんとは今も、毎日のように連絡を取り合っています。
――これまでドイツ、ルーマニア、スイスと違う国でプレーされていますが、国ごとでバレーの特徴は違いますか?
パワーがあるアタッカーがいて、大きなオポジットがいて、ミドルも大きいということは、どの国でも同じですね。テクニックは日本の方が上だと思いますが、パワーだとやっぱり外国の選手の方が強いですね。
現在はリベロとしてスイスリーグを戦う斎田選手(写真:本人提供)
――斎田選手のポジション(リベロ)は、そのパワフルな攻撃を受けますが苦労はありますか?
特にはありません。そこは日本と一緒です。やればなんとかなります。
――斎田選手のプレーの強みは何ですか?
強みは特にないですが、レセプションよりはディグが安定していると思うので、契約のためにチームにアピールするならディグをプッシュ…いえ、あまりアピールはしないかもしれません。よかったときのプレービデオは送ります。
――そもそも、最初に海外移籍をした際は、どのようにチームを探したのですか?
日立リヴァーレに入団後、しばらくして橋本さんと知り合って海外でプレーしている話を聞きました。いいなと思っていると橋本さんが日立に移籍してきたので、さっそく相談したところ「行きなよ」と背中を押してもらいました。しかし、すぐには行動に移せず、1年ほど経った頃、今度は橋本さんに少しサポートしてもらいながら準備を始めました。さらに、知り合いの通訳さんにも相談をしていたのですが、「応援してあげる」と特別にエージェントさんを紹介してもらいました。チームを探してもらい、いくつか候補のチームは挙がったのですが、なかなか具体的な契約までいかなかったので、「給料が安くてもいいから、とにかくプレーできればいいです」とエージェントさんに伝えた結果、なんとかチームが見つかりました。
――契約に関しての苦労はありますか?
エージェントさんが話をよく聞いてくれて、アドバイスもくれるので、特にないです。うまくチームにプッシュしてくれるので、年々契約内容がよくなっています。例えば今シーズンの場合、チームの始動は8月頭からだったのですが、私は日本の長いホリデー(お盆)があるからと言って、みんなより2週間ずらして行かせてもらいました。契約は自分次第の部分が大きいので、必要だと思うことについてはちゃんと主張するようになりました。