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欧州チャンピオンズリーグ2021は準々決勝が開幕[チーム紹介&展望]

ヨーロッパのクラブナンバーワンを決める戦い『CEVヨーロッパチャンピオンズリーグ2021』はいよいよクオーターファイナルラウンド(準々決勝)を迎える。昨年はコロナ禍のためセミファイナルラウンドを前に打ち切りとなってしまった。それでも、バレーボールは止まらない。さぁ、欧州の頂点に立つのは!? 白熱必至のクオーターファイナル進出チームを対戦カードごとに紹介する。(写真:CEV/責任編集:GUCII<坂口功将>)

※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ

世界のバレーボールファンが注目する欧州クラブ王者決定戦、それがヨーロッパチャンピオンズリーグ!

 

<カードその1>

ベウハトゥフ(ポーランド)vs.カザン(ロシア)

第1戦:現地2月24日@ベウハトゥフ

第2戦:現地3月4日@カザン

 

■ベウハトゥフ

<OHミラド・エバディプール(イラン/写真左)とOHサンダー(同右)>

 ポーランド・プラスリーガを代表するクラブ。ブロック力に秀でたカロル・クウォス、サーブでも力を発揮するマテウシュ・ビエニエクの両ミドルブロッカーは男子ポーランド代表での経験も豊富。なんといっても、OHテイラー・サンダー(アメリカ)が怪我から完全復活したのは大きい。抜群のサーブレシーブと、どこからでも仕掛けられるアタックを備えたサンダーがいるだけで、チームはガラリと変わる。

 

■カザン

<大砲OPミハイロフ>

 ロシア・スーパーリーグきっての名門クラブで、ヨーロッパチャンピオンズリーグでは4連覇を含む6度(2008,2012,2015,2016,2017,2018)の優勝を誇る。ロシアバレーボール界が誇るエース、OPマキシム・ミハイロフ(ロシア)を筆頭に顔ぶれは豪華そのもの。OHバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)、OHイアルバン・ヌガペト(フランス)ら、代表クラスの面々が並ぶ。目指すは7度目の優勝だ。

 

【ベウハトゥフvs.カザン 見どころ】

 プール戦を2位(4勝2敗)で通過したベウハトゥフだが、サンダーが戦列に戻ってからが本来の強さだといえる。対するカザンはプール戦を圧倒的な強さ(6勝0敗)を見せ、ここから本腰を入れてくるに違いない。攻撃枚数は互角だが、この舞台での実績で上回るカザンが優勢か。

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<カードその2>

ルーベ(イタリア)vs.ケンジェジン-コジエ(ポーランド)

第1戦:現地2月24日@チヴィタノーヴァ・マルケ

第2戦:現地3月3日@ケンジェジン-コジエ

 

■ルーベ

<OHユアントレーナ(写真コート奥右)>

 ヨーロッパチャンピオンズリーグでは2019年大会でカザンの5連覇を阻止し、2度目の優勝に輝いたイタリア・セリエAの強豪。キャプテンはOHオスマニー・ユアントレーナ(イタリア)が務め、OHイオアンディ・レアル(ブラジル)やMBロベルランディ・シモン(キューバ)という、カリブ海出身の“鳥人”たちが、とてつもなく高い打点からアタックを繰り出す。シモンの落差が大きく、緩急つけたサーブに相手は警戒が必要だ。

 

■ケンジェジン-コジエ

<(写真左端から)Sトニウッティ、Lザトウスキ、MBコハノフスキ>

 ベウハトゥフと並び、ポーランド・プラスリーガを代表する強豪。今季はプラスリーガでも断トツの首位を走っている。サウスポーエースのOHアレクサンデル・シリフカ、世界大会優勝経験を持つ若きリーダーMBヤクプ・コハノフスキら男子ポーランド代表にも名前を連ねるメンバーがそろい、Sパンジャマン・トニウッティ(フランス)が多彩なトスワークで攻撃を組み立てる。守護神Lパベウ・ザトウスキのディフェンスも鍵。

 

【ルーベvs.ケンジェジン-コジエ 見どころ】

 打ち切りとなった昨季を除き2018年、2019年と2大会連続でファイナルに駒を進めているルーベと、国内リーグでの勢いをぶつけるケンジェジン-コジエの対戦は攻守でハイレベルな戦いが予想される。強いて懸念材料をあげるとすれば、今季ほぼメンバーを固定し戦ってきたルーベの選手層の薄さとガス欠くらいだ。

 

>>>まだまだ出てくる世界のトップクラブ。ほか2試合の展望は次ページへ

<カードその3>

ベルリン(ドイツ)vs.トレンティーノ(イタリア)

第1戦:現地2月25日@ベルリン

第2戦:現地3月4日@トレント

 

■ベルリン

<OPパッチ(写真コート手前右端)>

 ドイツ・ブンデスリーガからヨーロッパタイトルに挑む。2019-20ブンデスリーガはコロナ禍で打ち切りとなったが、それまではレギュラーシーズンで圧倒的な強さを誇った。今季も上位につけている。注目はやはり、最高到達点380センチともいわれる驚異的なジャンプ力を備えたOPベンジャミン・パッチ(アメリカ)。そのハイジャンパーを絡めながら、攻撃陣を操るのはベテランSセルゲイ・グランキン(ロシア)だ。

 

■トレンティーノ

<Sジャネッリ(写真右から2番目)、MBポドラスチャニン(同中央)、OHルカレリ(同左から2番目)>

 2000年入り一躍黄金期を築いた、イタリア・セリエA“トップ4”の一角。ヨーロッパチャンピオンズリーグでは過去3連覇(2009,2010,2011)を達成している。イタリアが誇るスターSシモーネ・ジャネッリがタクトを振るい、OPニミル・アブデルアジズ(オランダ)、OHルカレリ(リカルド・ソウザ/ブラジル)が豪快にアタックを打ち込む。今季のセリエAでは全チーム中最多となる12連勝をマークし、強さを証明した。

 

【ベルリンvs.トレンティーノ 見どころ】

 超人的な高さからアタックを繰り出すベルリンのパッチが、MBマルコ・ポドラスチャニン(セルビア)とMBスレチコ・リシナツ(セルビア)の代表デュオがおりなす鉄壁を備えたトレンティーノを崩すことができるか。トレンティーノ優勢だが、アップセットも見てみたい。

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<カードその4>

モデナ(イタリア)vs.ペルージャ(イタリア)

第1戦:現地2月23日@モデナ

第2戦:現地3月2日@ペルージャ

 

■モデナ

<Sクリステンソン(写真中央)>

 イタリア・セリエAの名門クラブだが、今季のセリエAで苦しんでいるように、今大会のプール戦も命からがら通過となった。Sマイカ・クリステンソン(アメリカ)がキャプテンを務め、OPルカ・ベットーリ(イタリア)やLジェニア・グルベニコフ(フランス)という経験豊富な面々が支える。ちなみに今季のヨーロッパチャンピオンズリーグ用のユニフォームは、初の欧州制覇を遂げた1990年大会のデザインをモチーフにしたものだ。

 

■ペルージャ

<ブロックデビルズの面々>

 国内リーグタイトルの常連である、イタリア・セリエAの強豪。地上最強アタッカー、OHウィルフレド・レオン(ポーランド)が強烈なサーブとスパイクで得点を量産する。フィタル・ヘイネン体制2年目となった今季は選手層を厚くし、セリエAのレギュラーシーズンも首位通過を決めた。クラブの看板だったOPアレクサンダル・アタナシエビッチ(セルビア)の退団が決まり、最後の花道を飾らんとする。

 

【モデナvs.ペルージャ 見どころ】

 セリエAどうしのカードとなった。今季の対戦成績はペルージャが3勝1敗(スーペルコッパで1勝1敗、レギュラーシーズンで2勝0敗)と上回っており、チームの完成度と戦績を見てもペルージャ優勢の見方が強い。3度の欧州制覇の実績を持つモデナが名門の意地を見せるか、“ブロックデビルズ”ことペルージャが初優勝へと突き進むか、果たして。

 

>>>本稿で登場する選手たちの、代表での姿をピックアップ。ギャラリーは次ページへ

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