ヨーロッパのクラブナンバーワンを決める『CEVチャンピオンズリーグ2021』は、クオーターファイナルラウンドが決着。2試合でゴールデンセットに突入する展開になりました。そのほか『CEVカップ2021』や石川祐希(日本)がプレーするミラノが戦った『CEVチャレンジカップ2021』の結果も一挙掲載(写真:CEV)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■CEVチャンピオンズリーグ2021/クオーターファイナルラウンド
<カードその1/現地3月4日@カザン>
カザン(ロシア) ○3-2● ベウハトゥフ(ポーランド)
{22-25,25-19,25-17,13-25,15-12}
<カザンのMBボルコフ(写真コート奥中央)>
初戦で黒星を喫したベウハトゥフが幸先よく第1セットを先取する。だが、ホームのカザンがMBアレクサンダル・ボルコフ(ロシア)を中心に組織的なブロックで徐々に攻撃を封じ込め、2セットを奪い返し逆転に成功。両チームともガラリとメンバーを変更した第4セットは、チーム合計6本のサービスエースを奪うなどベウハトゥフが大差で獲得し、勝負の行方は最終第5セットへ。バウハトゥフはMBマテウシュ・ビエニエク(ポーランド)をMBセバスティアン・アダムチク(ポーランド)の交代して勝負に出たが…、カザンが中盤以降のリードを保ち勝利を収めた。
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<カードその2/現地3月3日@ケンジェジン-コジエ>
ケンジェジン-コジエ(ポーランド) ●0-3○ ルーベ(イタリア)
{22-25,24-26,24-26}
【ゴールデンセット】
ケンジェジン-コジエ(ポーランド) ○1-0● ルーベ(イタリア)
{16-14}
<ケンジェジン-コジエのOPカチュマレク(写真右から2番目)>
準決勝進出には勝つしかないルーベはMBロベルランディ・シモン(キューバ)を筆頭にサーブで攻め立てると、第2、第3セットは終盤の競り合いを制し、ストレートで勝利。ゴールデンセットにもつれ込む。勝てば天国、負ければ地獄の1セットは13-13からケンジェジン-コジエのMBヤクプ・コハノフスキ(ポーランド)のサーブがルーベのLファビオ・バラーゾ(イタリア)を強襲し、マッチポイントへ。15-14から最後はOPウーカス・カチュマレク(ポーランド)のサーブを、ルーベのOHオスマニー・ユアントレーナ(イタリア)が弾き、ゲームセット。ケンジェジン-コジエが準決勝に駒を進めた。
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<カードその3/現地3月4日@トレント>
トレンティーノ(イタリア) ○3-1● ベルリン(ドイツ)
{25-22,25-21,25-14}
<トレンティーノ(写真コート奥)>
ホームのトレンティーノは2セットを連取すると、第3セットはMBスレチコ・リシナツ(セルビア)以外の5人をすべてチェンジする、余裕の試合運び。一方のベルリンもあとがなくなり、第3セットはメンバー全員を交代。白黒はっきりしたあとは、まだ残っている国内リーグに向けた調整に? 試合はトレンティーノがストレート勝ちを収めた。MVPは2セットのみの出番ながら、両チーム通じて最多12得点をあげたOPニミル・アブデルアジズ(オランダ)が選ばれた。
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<カードその4/現地3月2日@ペルージャ>
モデナ(イタリア) ●0-3○ ペルージャ(イタリア)
{23-25,18-25,21-25}
【ゴールデンセット】
モデナ(イタリア) ●0-1○ ペルージャ(イタリア)
{5-15}
<ペルージャ>
初戦はモデナのストレート勝ちという衝撃の展開となったこのカード。だが、このまま終わる“ブロックデビルズ”ではない。ペルージャは第2セットから強みであるサーブが威力を発揮し、モデナのサーブレシーブを崩す。すると今度はブロックでモデナの攻撃をはね返し、試合を優位に進めるとついにストレート勝ちを収める。勝負はゴールデンセットへ。ここでもギアを緩めることなく、ペルージャはOHオレイ・プロトニスキ(ウクライナ)が連続サービスエースを決めるなど圧倒。ホームでパーフェクトゲームともいえる4セットを戦い抜いたペルージャが、準決勝進出を決めた。
『CEVチャンピオンズリーグ2021』セミファイナルは、【カザンvs.ケンジェジン–コジエ】(現地3/16-18)【トレンティーノvs.ペルージャ】(現地3/23-25)に決定した。
>>>『CEVカップ2021』『CEVチャレンジカップ2021」セミファイナルの模様は次ページへ
■CEVカップ2021/セミファイナルラウンド
<カードその1/現地3月4日@カステルノ・ル・レ>
モスクワ(ロシア) ○3-0● モンペリエ(フランス)
{25-23,25-22,25-10}
<モスクワのOHデルー>
初戦を制したモスクワは第1セットでチーム合計5本のブロックポイントをあげると、第2セット以降も優位に試合を進める。第3セットでモスクワはOPツベタン・ソコロフ(ブルガリア)、OHサム・デルー(ベルギー)を下げたが、モンペリエはすでに戦意喪失。モスクワが完勝を収め、決勝進出を決めた。
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<カードその2/現地3月3日@マーサイク>
サンクトペテルブルク(ロシア) ●0-3○ マーサイク(ベルギー)
{23-25,17-25,19-25}
【ゴールデンセット】
サンクトペテルブルク(ロシア) ○1-0● マーサイク(ベルギー)
{18-16}
<マーサイク(写真コート奥)>
初戦で敗れていたマーサイクが第2戦でストレート勝ちを収めたことで、ゴールデンセットへ突入。マーサイクが14-10と王手を懸ける。だが、サンクトペテルブルクがここから不死鳥のごとく盛り返した。一気に4連続得点で同点とすると、16-16から3枚ブロックで相手のアタックを仕留めてマッチポイントに到達。最後はMBイバン・ヤコブレフ(ロシア)が相手のクイックを1人でブロックシャットし、劇的勝利を収めた。
『CEVカップ2021』ファイナルは、【モスクワvs.サンクトペテルブルク】のロシア対決に。現地3月16日に初戦、同23日に2戦目が行われる。
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■CEVチャレンジカップ2021/セミファイナル
<カードその1/現地3月3日@ミラノ>
ミラノ(イタリア) ○3-0● ハルクバンク・アンカラ(トルコ)
{25-20,25-22,25-20}
<ミラノのMBピアノ(写真右端)>
初戦で白星を飾っていたミラノは、ホームにハルクバンク・アンカラを迎えての第2戦。2セットを連取したあとの第3セットからはキャプテンMBマッテオ・ピアノ(イタリア)以外のメンバーを完全に交代したが、しっかりと勝ちきり、決勝進出を果たした。ピアノは両チーム通じて最多3本のブロックポイントで、チームを牽引した。
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<カードその2/現地3月3日@アンカラ>
プラハ(チェコ) ●1-3○ SKアンカラ(トルコ)
{28-26,18-25,21-25,19-25}
【ゴールデンセット】
プラハ(チェコ) ●0-1○ SKアンカラ(トルコ)
{12-15}
<SKアンカラ>
第1戦をストレートで落としていたSKアンカラはOHマルティン・アタナソフ(ブルガリア)が奮闘し、チームを牽引。逆転勝ちを収めて、ゴールデンセットに持ち込むと、序盤こそ先行されるもひっくり返してセミファイナルを制した。SKアンカラはアタナソフが6本のサービスエースを含む26得点のほか、MBベドリハン・ブルブル(トルコ)とMBエミン・ゴック(トルコ)がともに4本のブロックポイントをマークした。
『CEVチャレンジカップ2021』ファイナルは【ミラノvs.SKアンカラ】で、現地3月17日に初戦、同24日に2戦目が行われる。