世界三大リーグと称される、イタリア、ロシア、ポーランドから、ロシア・スーパーリーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE from RUSSIA with LOVE』。コロナ禍によるカレンダー変更の影響で残り試合に若干のばらつきはあるものの、レギュラーシーズンの順位も確定しつつあります。2試合を残し、モスクワの1位通過が決定!!(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■カップ王者の進撃は止まらず。モスクワが首位通過を決める
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第24節》ディナモ・モスクワ 3–0 ベロゴリエ・ベルゴロド
(25-15,25-17,25-18)
(現地2/27)
◆《第25節》ディナモ・モスクワ 3–0 ガスプロム-ウグラ・スルグト
(25-23,32-30,25-20)
(現地3/7)
第22節(現地2月13日)のウレンゴイ戦で今季2敗目を喫したモスクワだが、今季の力は本物。続く第17節(2月17日)のノヴォシビルスク戦をフルセットで勝利すると、以降は相手チームに1セットも譲らず。第24節のベルゴロド戦ではOHアントン・セミシェフ(ロシア)の4本を筆頭に、MBイリヤ・ウルソフ(ロシア)とSパベル・パンコフ(ロシア)がともに3本のサービスエースを決めて、圧倒。第25節のスルグト戦ではエースOPツベタン・ソコロフ(ブルガリア)を温存しながらも、OPロマナス・シュクレビチャス(ロシア)とセミシェフがそろって17得点をあげる活躍で白星をあげる。
これで5連勝としたモスクワに対し、他チームは残り試合で勝ち点を上回ることができなくなったため、モスクワのレギュラーシーズン1位でのプレーオフ進出が決まった。第25節の前にはCEVカップ2021のセミファイナルをモンペリエ(フランス)で戦っていたが、そちらは無観客試合。アウェーながら有観客で行われた今節を戦い終え、モスクワのブライヤンスキ・コンスタンティノフ監督は「(CEVカップとは)別物とはいえ、観客の前でプレーできることはうれしいものです。熱気がありますし、楽しいですね」と駆けつけたファンに感謝した。
ベルゴロド戦で相手のOPガブリエレ・ネッリ(イタリア/写真右)と談笑する、モスクワのソコロフ(同左)
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◆《第25節》ゼニト・カザン 3-0 ASKニジニ・ノヴゴロド
(25-20,25-19,25-22)
(現地3/6)
試合の消化が早いカザンはこの日がレギュラーシーズン最終戦。OPマキシム・ミハイロフ(ロシア)が両チーム通じて最多17得点、OHバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)が13得点と続き、ストレート勝ちを収めた。現在2位につけているが、3位のケメロヴォ、4位のサンクトペテルブルクにまくられる可能性もある。途中の4連敗が痛い…!
最後は6連勝でレギュラーシーズンを終えたカザン
◆《第24節》ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3-0 ASKニジニ・ノヴゴロド
(25-22,14-25,25-21,25-19)
◆《第24節》ウラル・ウファ 3-0 ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク
(25-13,25-16,25-20)
(現地2/27)
◆《第25節》ロコモティブ・ノヴォシビルスク 3-0 ウラル・ウファ
(25-14,25-23,25-18)
(現地3/6)
一つでも順位を押し上げたいノヴォシビルスクはラストスパート。第24節ではOPドラジェン・ルブリッチ(セルビア)が15得点、OHマルコ・イボビッチ(セルビア)が14得点、OHセルゲイ・サビーン(ロシア)が13得点と続き、ノヴゴロドを一蹴。続く第25節はMBイリヤス・クルカエフ(ロシア)が最多4本、OPパベル・クルグロフ(ロシア)が3本などチーム合計13本のブロックポイントでウファを封じ込める。攻守で充実の気配だ。
一方、レギュラーシーズン最終戦でノヴォシビルスクに敗れたウファは、シーズン後半でOPマチェイ・ムザイ(ポーランド)の退団もあったが、OHジョン-ゴードン・ぺリン(カナダ)の奮闘もあり勝ち越しで7位が確定した。
代表でもブレイクの予感、ノヴォシビルスクのMBクルカエフ(写真左端)
◆《第24節》クズバス・ケメロヴォ 3–2 ガスプロム-ウグラ・スルグト
(25-23,25-15,21-25,26-28,15-9)
(現地2/27)
◆《第25節》クズバス・ケメロヴォ 3–0 ディナモ-ロ・レニングラード・オーブラスチ
(25-21,25-20,25-19)
(現地3/4)
ここまで消化試合がクラスノヤルスクに並んで少ないケメロヴォは、2位の可能性も残しているため、まだまだ勝ち星を重ねたいところ。第24節ではOHアントン・カルプコフ(ロシア)が3本のサービスエースを含むチーム最多22得点、OPイバン・ザイツェフ(イタリア)が21得点と続き、フルセットの激闘を制する。第25節ではOHエフゲニー・シヴォゼレス(ロシア)が4本のサービスエースを含む13得点、とザイツェフだけでなく、様々なアタッカーを起用し戦術に幅をもたせている。現在5連勝、残り3試合で勝ち点2をあげれば2位のカザンを上回ることができる。
2018/19シーズン王者のケメロヴォ(写真コート奥)
◆《第24節》ゼニト・サンクトペテルブルク 3–1 エニセイ・クラスノヤルスク
(25-21,21-25,25-17,25-19)
(現地2/27)
◆《第25節》ゼニト・サンクトペテルブルク 3–1 ベロゴリエ・ベルゴロド
(22-25,25-17,25-14,25-20)
(現地3/6)
OPビクトル・ポレタエフ(ロシア)の負傷離脱が痛手なサンクトペテルブルクだが、大国が送り出すネクストブレイカー、MBイバン・ヤコブレフ(ロシア)が躍動。キャプテンマークをつける機会も多くなる中、力強いパフォーマンスでチームを牽引する。第24節では3本のブロックポイントを決めると、続く第25節では6本をマーク。エースOHイゴール・クリュカ(ロシア)も2試合ともチーム最多得点をあげる活躍を見せている。
チームを牽引するヤコブレフ(写真右から2番目)とクリュカ(同3番目)
◆《第24節》ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3–1 オイルマン・オレンブルク
(25-23,20-25,25-13,25-18)
(現地2/27)
◆《第25節》ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3–1 エニセイ・クラスノヤルスク
(22-25,25-20,25-21,25-14)
(現地3/6)
第22節(2月13日)でモスクワに土をつけたウレンゴイは好調をキープ。なかでもOPマキシム・ジガロフ(ロシア)が攻守でハイレベルなパフォーマンスを発揮しており、第24節では5本のサービスエースをマーク、第25節では4本のブロックポイントを含むチーム最多20得点をあげて4連勝に導いている。現在5位のウレンゴイは最終戦の結果しだいで、順位アップも可能だ。
ウレンゴイのOHデニス・ボグダン(ロシア/写真コート奥右)も得点源として活躍
◆《第25節》ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク 3–1 オイルマン・オレンブルク
(25-23,21-25,25-21,27-25)
(現地3/6)
今節を前に5連敗のオレンブルクは、この試合でOPマキシム・シェミャチキン(ロシア)が3本のサービスエースを含むチーム最多24得点の活躍。OHマキシム・プディン(ロシア)も3本のブロックポイントを含む15得点で続き食らいつくも敗北。トップリーグ昇格1年目のシーズン、最終戦は白星で締めたいところだ。
オレンブルク(写真コート奥)の最終戦の相手はクラスノヤルスクだ
《ロシアスーパーリーグ男子 レギュラーシーズン順位(round25終了時)》
1 ディナモ・モスクワ 22勝2敗(勝ち点63)-
2 ゼニト・カザン 19勝7敗(勝ち点54)-
3 クズバス・ケメロヴォ 19勝4敗(勝ち点53)-
4 ゼニト・サンクトペテルブルク 17勝8敗(勝ち点52)-
5 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 17勝8敗(勝ち点51)-
6 ロコモティブ・ノヴォシビルスク 15勝9敗(勝ち点47)-
7 ウラル・ウファ 14勝12敗(勝ち点40)-
8 ASKニジニ・ノヴゴロド 11勝13敗(勝ち点30)-
9 ウグラ–サモトロル・ニジネヴァルトフスク 9勝15敗(勝ち点32)-
10 エニセイ・クラスノヤルスク 8勝15敗(勝ち点24)-
11 ガスプロム–ウグラ・スルグト 6勝19敗(勝ち点21)-
12 ディナモ–ロ・レニングラード・オーブラスチ 5勝20敗(勝ち点19)-
13 ベロゴリエ・ベルゴロド 5勝20敗(勝ち点17)-
14 オイルマン・オレンブルク 5勝20敗(勝ち点13)-
※勝敗(勝ち点)。記号は第23節からの順位推移
(責任編集:GUCII<坂口功将>)