ヨーロッパのクラブナンバーワンを決めるCEVチャンピオンズリーグ2021は、セミファイナル(準決勝)へ。名門どうし、セリエAどうし、と見どころ十分のカードが激闘を繰り広げています。そのほかCEVカップ2021や、石川祐希(日本)がプレーするミラノが戦ったCEVチャレンジカップ2021の結果も一挙掲載(写真:CEV)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■CEVチャンピオンズリーグ2021/セミファイナル
◆ケンジェジン-コジエ(ポーランド)○1勝 / ゼニト・カザン(ロシア)●1敗
第1戦〔3/18@カザン〕:3-2(22-25,22-25,29-27,25-22,16-14)
第2戦〔3/24@ケンジェジン-コジエ〕:-
<ケンジェジン-コジエのOHセメニウク(写真コート奥)>
ホームのカザンがOPマキシム・ミハイロフ(ロシア)を中心に攻め立て、2セットを連取する。第3セットでケンジェジン-コジエはMBデービッド・スミス(アメリカ)をMBクルズストフ・レジノ(ポーランド)に交代して立て直しを図ると、サイドアウトの応酬となった第3セットをジュースの末に獲得し反撃開始。第4セット中盤ではカザンのOHイアルバン・ヌガペト(フランス)を連続ブロックシャットして勢いに乗ると、OPウーカシュ・カチュマレク(ポーランド)、OHカミル・セメニウク(ポーランド)が得点を重ねて、セットカウントをタイに戻す。
<カザンのMBアルチョム・ボルビッチ(写真コート奥)>
最終第5セットは序盤でカザンがリードするも、ケンジェジン-コジエがひっくり返し、2セットダウンからの逆転勝利を収めた。終わってみれば、ケンジェジン-コジエはOHセメニウクが両チーム通じて最多26得点をマーク、MBヤクプ・コハノフスキ(ポーランド)が6本のブロックポイントを挙げるなど、攻守で役者が活躍した。一方、敗れたカザンはOPミハイロフが23得点、OHヌガペトが17得点と続いた。
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◆トレンティーノ(イタリア)○1勝 / ペルージャ(イタリア)●1敗
第1戦〔3/18@トレント〕:3-0(25-21,25-16,25-23)
第2戦〔3/24@ペルージャ〕:-
<トレンティーノ(写真コート奥)>
セリエAの“トップ4”どうしのカードは、ホームのトレンティーノが常に優位に立つ展開となる。第1セットはOHルカレリ(リカルド・ソウザ/ブラジル)の巧みなアタックや、MBマルコ・ポドラスチャニン(セルビア)のサービスエースで得点を重ねると、22-21からはMBポドラスチャニンのブロックポイントなどを含む3連続得点で先取に成功。続く第2セットもトレンティーノは序盤で4連続得点をあげて8-3とリードすると、8-5からはOPニミル・アブデアルアジズ(オランダ)のアタック、OHルカレリのサービスエースなど一挙6連続得点でペルージャの戦意を打ち砕く。
<ペルージャのOHレオン>
トレンティーノの勢いは止まらず、第3セットもOPアブデルアジズが絶妙なコースにサーブを打ち込み、ノータッチエースを奪うなどムードは最高潮。ペルージャもOHオレイ・プロトニスキ(ウクライナ)の得点などで中盤で一時は逆転に成功するも、17-15とリードした状況からOHウィルフレド・レオン(ポーランド)にアタックでミスが目立ち、4連続失点。マッチポイントからOPアブデルアジズが強烈なアタックを決めて、トレンティーノが完璧な試合運びで先勝した。
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■CEVカップ2021/ファイナル
◆モスクワ(ロシア)○1勝 / サンクトペテルブルク(ロシア)●1敗
第1戦〔3/17@モスクワ〕:3-2(26-28,25-18,20-25,26-24,15-9)
第2戦〔3/23@サンクトペテルブルク〕:-
<モスクワのOPソコロフ>
ロシア・スーパーリーグどうしの対決となった、CEVカップ2021ファイナル。文字通りシーソーゲームとなった試合は、第3セットでサンクトペテルブルクは3本のサービスエース、7本のブロックポイントをあげて王手。だが、モスクワは第4セットからOHサム・デルー(ベルギー)とMBイリヤ・ウルソフ(ロシア)を交代し立て直すと、ここから一気に2セットを奪い、逆転勝利を収めた。モスクワはエースOPツベタン・ソコロフ(ブルガリア)が4本のブロックポイントを含む23得点の大活躍。一方、サンクトペテルブルクはMBイバン・ヤコブレフ(ロシア)が7本のブロックポイントをあげる奮闘をみせた。
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■CEVチャレンジカップ2021/ファイナル
◆ミラノ(イタリア)○1勝 / SKアンカラ(トルコ)●1敗
第1戦〔3/17@ミラノ〕:3-2(22-25,25-19,18-25,25-18,15-9)
第2戦〔3/24@アンカラ〕:-
<ミラノ(写真コート奥)>
セミファイナルの対ハルクバンクに続き、トルコ勢との対戦となったミラノ。第1セットはアタックのミスもあり落としたものの、第2セットは序盤からリードを奪い取り返す。第3セットを奪われたところで、第4セットからOHティネ・ウルナウト(スロベニア)をOHスティーブン・マー(カナダ)にスイッチ。チーム合計5本のサービスエースも飛び出すなど勢いを取り戻すと、逆転に成功し、大きな初戦白星を手にした。ミラノはOPジャン・パトリ(フランス)が3本のブロックポイントを含むチーム最多15得点。MBヤン・コザメルニク(スロベニア)が5本のサービスエースをマークした。OH石川祐希(日本)は9得点をあげた一方、チームメイトの誰よりも多いサーブレシーブ受数(40本)をこなし、しっかりとチームを支えた。