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春高2025

【プレイバック!】JTが初優勝 MVPに越川優【2014/15 V・プレミアリーグ男子ファイナル】

  • SV男子
  • 2021.03.30

 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN (V1男子)はいよいよ4月3日(土)からV・ファイナルステージが始まる。パナソニックパンサーズとウルフドッグス名古屋のファイナル3、そして勝ち上がったチームとサントリーサンバーズとのファイナルを経て今シーズンのチャンピオンチームが決まる。

 

 その前に、過去の月バレ誌面からVリーグファイナルを振り返ってみよう。今回は月バレ2015年5月号から、2014/15 V・プレミアリーグファイナルの様子をお届けする。

 

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月刊バレーボール2015年5月号掲載

(編注:文中の所属・チーム名、文章は当時のまま)

 

世紀を超えた思いは不滅

夢がかなう時、誰もが輝く–––

JTサンダーズ初優勝

 

 

 その創部は1931年とされている。長い歴史の中で、JT男子には有名な2つの特徴が語り継がれてきた。一つは、日本リーグ時代から通して、トップリーグの座から一度も降格したことがないというもの。そしてもう一つが、一度もリーグで優勝したことがないというものである。だが、もうそれは過去の話となった。一度、壁を突き破れば、どこまでも強くなりそうな真の力を秘めている、それこそが今のJTの姿である。

 

大激戦の1セット目を奪い取り強みを発揮して優勝へ

 

 試合開始から45分が過ぎても、1セット目は決着がついていなかった。

 

 しかし、日本リーグ開幕から数えて48年、悲願の“優勝”を追い続けてきたJTに、焦りはなかった。サントリーの主砲、エバンドロが放つバックアタックを町野が抑える。リバウンドからレフトの栗山へと相手ポールはつながれたが、次のスパイクはわずかにアウトし、41-39で、JTがこのセットをもぎ取った。

 

「このセットを取れたことが一番大きかった」とヴィソット。主将の越川も「どちらかというと負けセットだったのではないでしようか。取れたことは自分たちにとってプラスでしたし、取れなかったことはサントリーにとってダメージだったのでは」と振り返る。これでプレッシャーも完全に取り除かれたJTは、2セット目の序盤以降、一度もサントリーに主導権を渡すことなくゲームを進めて、ついに歓喜の瞬間を迎えることとなった。

 

 ヴコヴィッチ監督が就任して2シーズン目の今季、JTには「サープが効果的」「特に攻撃面でミスが少ない」「自信を持ってプレーしている」といった特長が確立されてきた。これらはお互いにリンクし合っており、実際に結果が残されることで、さらにプラスのサイクルが生み出されている。

 

 

 ファイナル前日会見で、サントリーの山村は「ヴィソットと越川が(ローテーションで)連続するサープは脅威」と、JTの2枚看板による強力なジャンプサーブを警戒していた。結局、この2人は合わせて11本のサービスエースを奪い、優勝の大きな原動力となったが、「あの2人のサーブさえ切れれば」(リベロ鶴田・サントリー)という意識が強くなったあまり、逆に筧本や深津のジャンプフローターサーブも効果がアップ。サーブを、チーム全体の武器として機能させることに成功した。

 

 また、この日の3セット目で、JTはアタックのミスによる失点が0だった。「こういった素晴らしい、ミスのないバレーができれば、結果もついてくると思います」とヴコヴィッチ監督も話したが、結局、試合を通してのアタック失点はわずかに3。この傾向はシーズン中盤から目立つようになり、ファイナル6でのサントリー戦(アタック失点2)や、レギュラーラウンド終盤の東レ戦(同1)、1月のパナソニック戦(同0)など、試合を通してミスの極端に少ないケースが増えていた。

 

 これはサーブの効果に伴って、ブレイクの成功率がアップする中で、町野が話すように「バレーボールが明確になってきました。シンプルだけど、質にこだわる」という監督の指導が浸透したことにも由来する。就任前は下位に低迷していたチームに、“やるべきことをやれば、結果はついてくる”という自信が少しずつ植え付けられて、今季はV・レギュラーラウンドやファイナル6でも1位通過と、優勝にふさわしい歩みが着実に進められてきた。

 

 試合前の様子について、11年目のリベロ酒井は「サントリーさんを見ていると、正直に言うと前回の自分たちのように“気合い入れなきゃ”という感じでしたが、僕らはいつもどおりでした」と話した。その雰囲気はファイナルに向けた練習でも同様で、リラックスできるようなメニューで調整したという。自信をベースに、『力を発揮できる状態』で本番に挑めたと言えるだろう。

 

 

 そして、ようやく、最後の一歩を踏み出す瞬間である。越川が力いっぱい放ったサーブは相手レシーブを弾き、専売公社時代から85年目にして、JTサンダーズは、重かった最後の扉を押し開いた。

 

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