東レ 白井美沙紀が木村沙織や中道瞳から授かり、トスに込める“お願い”
- SV女子
- 2021.05.05
信頼を寄せる中道コーチ(写真左端)に背中を押され、コートへ
“圧”のあるトス? チームメイトが語る白井のボール
セッターとして技術を磨いていく中で、根底にあるのは思いやりの心。
自分のトスが悪くて、アタックが決まらないケースだってある。たとえアタッカーに嫌な顔をされても、自分から歩みよることを。それはアンダーエイジカテゴリー日本代表での安保澄監督(当時/現・ヴィクトリーナ姫路ゼネラルマネジャー)からの教えだ。
また、東レに入団した1年目から師事する中道瞳コーチには「自分からアタッカーへコミュニケーションをとるように」と言われている。
謙虚に、とにかくアタッカーの打ちやすいボールを心がける白井のトスを、チームメイトはどう感じているのか? 3月21日、V Cup予選ラウンド最終戦後の記者会見では、白井とミドルブロッカー小川愛里奈のこんなやりとりがあった。
小川「アタッカーへ、持っていくよという“圧”があります」
白井「圧、感じているの?」
小川「いや(笑) それに私も応えたいと思うんです」
白井「(笑) 出しちゃっていたかぁ」
いわゆる“天然系”の小川とあって一見誤解をまねく表現になってしまったが、それこそがプレーヤー目線で感じる白井のトスなのだろう。
溢れ出るほどの“お願い”が詰まったボールが、今日もやさしい弧を描く。
(取材・文/坂口功将〔編集部〕)
2020-21 V.LEGUEファイナルを戦い終え、健闘したチームメイトを温かくねぎらった