ボンジョールノ。世界最高峰リーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。コロナ禍の中でシーズンを完走したセリエA。今季も白熱したゲームや見るものを圧倒するプレーが見られました。昨シーズンに続いて月バレが独自に部門を設けて表彰する『2020/21 Forza Awards』をお届け!!(Photo:Legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ
■ベストチーム賞:トレンティーノ
今季は無冠に終わったトレンティーノでしたが、シーズンを通しての伸び率はすさまじいものでした。今季は積極的な選手補強を敢行、その中でもOPニミル・アブデジルアジズ(オランダ)は2季連続のシーズン最多得点(最多サービスエースも)をあげる活躍で、期待に応えました。
注目されたOHルカレリ(リカルド・ソウザ/ブラジル)も序盤こそ沈黙していましたが徐々に本来のパフォーマンスを発揮。アタック、サーブで大きく貢献してみせました。レギュラーシーズンで破竹の12連勝を挙げた勢いを表彰したいと思います。
■ベストプレーヤー賞:ロベルランディ・シモン(キューバ/ルーベ)
カリブ海が誇るビッグマン、MBロベルランディ・シモン(キューバ)。ルーベ在籍3季目に入り、その迫力満点のパフォーマンスで今季2冠に導きました。
特にプレーオフに入ってからは、圧巻の一言。計10試合で、総得点158、ブロックポイント33、サービスエース24はいずれもチームトップの数字。トレンティーノとの準決勝ラウンド第2戦では、驚異の8本のサービスエースをマークしました。
■ベストヘッドコーチ賞:ジャンロレンツォ・ブレンジーニ(ルーベ)
今年2月下旬から急遽、ルーベの指揮を執ることになった“キッコ”ことジャンロレンツォ・ブレンジーニ監督。前回、2015/16シーズンに監督を務めた際は無冠に終わりましたが、今回はコッパ・イタリアを制したビアンコロッソを見事タイトルに導きました。
これから3シーズンの契約を結んでいるとのことで、これからどんなチームをつくるのか、果たして。ちなみに、現在の男子イタリア代表監督でも。そちらも注目です。
■インパクトプレーヤー賞:マテイ・カジースキ(ブルガリア/ヴェローナ)
ジェイテクトSTINGSでもプレーし、日本にも馴染みがあるOHマテイ・カジースキ(ブルガリア)。現在、36歳。ですが、“生きる伝説”は衰えの気配を微塵も感じさせません。今季もシーズン(レギュラーシーズン、プレーオフ、5位決定プレーオフ)を通して合計525得点はチーム最多の数字、リーグ3番目の成績でした。
また、同様にエクセレントレセプション(サーブレシーブAパス返球本数)221本は、2位のLジェニア・グルベニコフ(フランス/モデナ)の204本を大きく上回るもの。恐るべし…!!
■カムバックプレーヤー賞:ティネ・ウルナウト(スロベニア/ミラノ)
2019年ヨーロッパ選手権準優勝の立役者であるOHティネ・ウルナウト(スロベニア)。今季はミラノに途中加入しました。セリエAは2018/19シーズンのモデナ以来。その後は中国リーグの上海でプレーしていました。
2020/21シーズン前にはコロナ禍で渡航が制限される中、ミラノが練習に招いたことから縁があって入団に至ったのだと。攻守で安定したパフォーマンスで、コロナ禍に見舞われ選手起用が定まらないチームを救いました。
■ベストユニフォーム賞:モンツァ/Blu
今季はスーペルリーガでベスト4の成績を残したモンツァ。チームカラーは赤と青で、これまでのユニフォームは裁断に合わせて配色されていました。対称的に、今季のデザインは珍しいアシンメトリー調に。色づかいも赤と濃いめの紺色だけとシンプルにすることで、シックな印象を与えました。
ちなみに、写真のBluモデルだとわかりにくいですが…、全面には大きく“V”の字が入っています。大胆なチェンジの中に、しっかりとアピールを施す点に◎を。
世界最高峰リーグの模様をお届けしてきた当コーナー『WEEKLY SERIE A』、2020/21シーズンはこれにて完結。今季は本誌「月刊バレーボール」でも選手名鑑を実現しましたが、皆さんにとってセリエAがより身近なものになっていれば幸いです。この3シーズンを担当したGUCIIもさらにレベルアップして、セリエAの模様を伝えるために励んでいきます。ということで2021/22シーズンに、またお会いしましょう!! それでは、アリヴェデルチ&グラッツェ!!(責任編集:GUCII)