世界の国で発見!こんなところにバレーボール 第7回【アフリカ3ヵ国編】
- 海外
- 2021.06.13
青年海外協力隊による、海外のバレーボール事情や、実際に行った普及活動の様子をお届けする企画。第7回はニジェール、ケニア、ルワンダのアフリカ3ヵ国に派遣された小川美沙さんの活動をご紹介します。
現地の子どもたちに受けた刺激と帰国後も続くバレーボールの普及活動
私は元々、外国に興味を持っていたことと、これまで自分がやってきたバレーボール競技と運動に関する知識が開発途上国の人々に役立つと知ったので協力隊に参加しました。
ニジェール共和国(2007年)では、体育教師として中学校に派遣され、放課後はバレーボールの指導をしました。元気に運動していた生徒が学期間の休み中に病気になり、誤って坐骨神経に注射を打たれ、歩くことが困難になった姿を見て、「この国で体育の授業をしていてよいのだろうか。体育よりも必要な支援があるのではないか」という葛藤と向き合いました。しかし、子どもたちにとっての体育の授業は、貴重な自由な時間の一つだと気づき、体育の授業と大好きなバレーボール指導に専念しました。
ニジェールでの講習会の様子
手前の子どものように家の手伝いがある子はスポーツをすることができない
イスラム教徒が約9割を占めるニジェールでは、ラマダン月の断食や1日に5回のお祈りを行う厳格なイスラム教徒が多く、皆で分け合うというイスラム教の教えが当たり前となっています。大事なお祝いはもちろん、普段の食事でも、大きなお皿にごはんを乗せ、男女別ですがみんなで一緒に食べるのがニジェール式です。私が仲のいいお家に遊びに行った時、5歳のファリダという女の子が、持っていたビスケットを半分私に分けてくれました。私なら独り占めして食べてしまうかもしれません。教えられなくても分け与えることが身についているニジェールの人々の心の豊かさを感じながら、生活していました。
大きなお皿にごはんを乗せ、みんなで一緒に食べるのがニジェール式
ケニア(2010年)とルワンダ(2015年)では、中高生を対象にバレーボールの強化に努め巡回指導を行いました。ケニアの生徒たちと参加した2010年の東アフリカ大会は2位、ルワンダの生徒たちと参加した2015年の同大会では、優勝することができました。強化活動以外には、小学生に対するバレーボールの普及活動も行いました。バレーボールを知らない子どもたちに一から教える難しさがありましたが、彼らの身体能力の高さに驚かされ、バレーボールを楽しむ姿や毎日、目に見えて上達する姿は、私にやる気を与えてくれました。
ケニアの高校での指導風景
(赤い帽子をかぶっているのが小川さん)
帰国後は、JICA駒ヶ根(長野県駒ヶ根市)に勤務し、日本からできる国際協力を考え、長野県の南信地域の高校から使用済みバレーボールやネットをいただき、バレーボール普及のために活動していた3ヵ国に寄付しました。現地からはボールが届いたよ、と感謝のメッセージがたくさん届きました。これからもバレーボールで世界をつないでいきたいと思っています。
日本で集めた使用済みボールやネットを寄付するなど普及を活動を続けている