月刊バレーボール7月号では、惜しくもインターハイ出場を逃したが、春高予選に向けて気になるチームを「次の勝者たち」と題して紹介。今回は愛知男子で準優勝の大同大大同に迫る。
5月に行われたインターハイ予選では星城に敗れた大同大大同
インターハイ本戦出場が懸かった星城との全勝対決。198㎝の細川晃介ら、高さのある選手たちに攻撃を封じられ、大同大大同は第1セットを落とした。すると、渡辺義幸監督は選手たちの元へ歩み寄った。「次のセットは何を変えればよくなるんだ」と問いかけると、選手たちは「1点をとったらまずはみんなで喜んでいこう」と即答。ストレート負けとなったが、第2セットはエース渡邉大和のスパイクなどで見せ場を作った。
「勝利だけではないスポーツのほんとうの楽しさを表現する」のが渡辺監督のモットー。先輩、後輩に関係なく、思ったことを言い合える環境作りを心がけてきた。その一環としてコロナ禍になって取り入れたのが、参加自由の毎日30分間のミーティング。練習の振り返りだけでなく、県予選を勝ち抜くためのアイデアを日々出し合う。渡辺監督から選手へ一方的に指示するわけではなく、時には指揮官が自らの改善点を求めることもある。そうすると、遠慮なく意見が返ってくるという。
「練習試合では声を出すわけではないのですが、チームがうまくいっていないときに、『コートサイドの先生の様子が気になります』と指摘されました。もちろん、今までそんな経験はないです。どのチームの監督もそんな経験はないんじゃないですか?(笑)」
昨年度の春高予選決勝でも星城にフルセットの末に逆転負けし、2大会連続で涙をのんだ。しかし、2年生中心のチームはポテンシャルの高さを見せた。決勝リーグ戦の愛知工大名電戦では、セッターの平松陸哉のトスに、身長173㎝の渡邉、172㎝の亀崎怜音の両エースと、身長191㎝のサウスポーミドルブロッカー座禮楓人を中心としたスパイカー陣が応える。平松が「まんべんなく打たせることを心がけた」と振り返るように、相手コートをよく見た冷静なトスワークが光り、フルセットの熱戦を制した。
春高予選での星城へのリベンジに向け、平松は「自分たちはサイズが小さいので、レシーブで粘って、ブロックを利用して決めたいです」と語り、渡邉も「打点の高いスパイクをもっと拾えるように。時間差攻撃などを使って、小さい分動いてスパイクを止められないようにしたいです」とプランを立てる。選手と監督が一丸となって、次こそ星城の高い壁を乗り越えてみせる。
発売中の月刊バレーボール7月号では、熱戦が繰り広げられているインターハイ予選をレポート。愛知予選のほかにも、昨年度春高王者の東福岡(福岡男子)、同3位の東九州龍谷(大分女子)など、注目チームの予選の模様を紹介しています。ご購入はこちらから!
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取材・写真/田中風太
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