【高校生から日本代表で戦う先輩へ②】金蘭会 赤い金蘭!「HAYASHI」Tシャツでゲン担ぎ
- 高校生
- 2021.08.02
「赤い金蘭」がひときわ存在感を放っていた。池条義則監督を含むスタッフ陣が試合前練習に着用したのは、チームカラーの青色ではなく、赤色のTシャツ。胸に「JAPAN」、背中には「HAYASHI」の文字。それは、同校で初めてオリンピックの舞台を踏んだ林琴奈(JT)の応援グッズだ。
「ギリギリ入るかな、というところでオリンピックのメンバーに選ばれたときはほんとうにうれしかったです。林の力を借りようということでTシャツを着ています。ゲン担ぎですね」(池条監督)。予選グループ戦から毎試合着用した。
応援Tシャツを着て試合前練習に挑む、林コーチ(左)と池条監督(右)【写真:月刊バレーボール】
これには選手たちもびっくり。その第一印象について、3年生エースの吉武美佳は「いつまで着てるんやろう」、1年生でその対角を組む上村杏菜は「え、着るんや! 恥ずかしい!」と笑って振り返るが、すぐに気持ちは変わった。
「琴奈さんが日本代表にいることを自分たちもアピールしたかったので。パワーになりました」(吉武)
「自分たちの先輩にそういう方がいることは、自信になりました」(上村)
林に憧れる金蘭会の吉武美佳【写真:月刊バレーボール】
林は2018年に春高優勝に導いたキャプテン。VリーグではJTの2連覇に貢献し、東京2020オリンピックの舞台を踏んだ。高校時代にともにプレーをした選手はいないが、 世代の近い選手の活躍に、憧れを抱かずにはいられない。吉武もその一人だ。「関わったことはないですが、どんな状況でも冷静な方という印象です。サーブに加え、スパイクもブロックもうまくて、素晴らしい選手だと思います」。
林のパワーも受け、頂点へ順調に駒を進めたが、準決勝でフルセットの末に就実(岡山)に敗戦。池条監督は試合後「林の試合を見られていなかったので、今からはみんなで応援をします」(池条監督)と語った。
優勝を逃し、涙を流して悔やんだが、1、2年生主体のチーム。先輩の背中を追い、さらなる成長のきっかけをつかむ。
恩師からも熱いエールを送られている林琴奈【写真:FIVB】
取材/田中風太