男子ヨーロッパ選手権は現地9月19日にカトヴィツェ(ポーランド)で大会最終日が行われ、イタリアが決勝でスロベニアを3-2(22-25,25-20,20-25,25-20,15-11)で下し、8大会ぶりの金メダルに輝いた。
(文中のポジション表記/OH:アウトサイドヒッター、MB:ミドルブロッカー、OP:オポジット、S:セッター、L:リベロ)(Photo:CEV)
<ヨーロッパ制覇を果たした新世代アッズーリ>
これまで主軸を担った面々が抜け若手選手中心で今大会を戦うイタリアと、前回の2019年大会に続き決勝進出を果たしたスロベニアの一戦は熾烈を極めた。
試合開始からスロベニアはSグレゴル・ロプレトやOHクレメン・チェブリがサービスエースを重ねる。相手の攻撃的なサーブを前に、イタリアはOHアレッサンドロ・ミケレットとLファビオ・バラーゾのサーブレシーブが安定しない。優位に試合を進めたスロベニアは24-22からリリーフサーバーで投入されたOPアレン・シュケトがサーブを突き刺し、先取する。
<長いリーチを生かし得点を重ねたミケレット(写真右から2番目)>
第2セットでイタリアはSシモーネ・ジャネッリがサーブで相手を効果的に崩すと、12-13からはOPジュリオ・ピナリのサービスエースとバックアタックなどで一気に4連続得点。その後も、OHダニエレ・ラビアとピナリがスロベニアのアタックを仕留めるなど、このセットだけで5本のブロックポイントを奪い、セットカウントをタイに戻す。
だが、イタリアはサーブレシーブの不安定さが改善されず、第3セットはスロベニアが常にリードする展開。14-12からスロベニアはOPトンチェク・シュテルンのバックアタック、MBヤン・コザメルニクのクイックなど3連続得点で突き放す。イタリアはジャネッリのサービスエースなど3連続得点で追いついたが、20-20からスロベニアがシュテルンの2本のサービスエースを含む5連続得点をあげて、王手をかける。
<スロベニアのエース、チェブリ(写真左端)>
あとがなくなったイタリアは第4セット、1-4とされるとピナリに代えてOPユーリ・ロマノを送り出すと、3-6からロマノのバックアタックなど3連続得点で同点に。14-13からはラビアが3本連続サービスエースを決めて、流れをつかみ取る。21-17から3連続失点を喫したところで、投入されたMBファビオ・リッチがすぐさまブロックポイントを決めて、スロベニアの攻撃を寸断。そのまま3連続得点をあげて、セットカウントをタイに戻した。
<要所でブロックポイントをマークしたイタリア(写真コート奥)>
最終第5セットはスロベニアが3-0と好スタートを切ったが、イタリアはロマノがアタックにサービスエース、と3連続得点で同点。9-7とリードし、直後のスロベニアのタイムアウト明けには、ミケレットが2本連続でサービスエースを炸裂させると、これが決定打に。フルセットの激闘を制し、新世代の幕開けを最高のかたちで飾った。
<新チームを牽引するジャネッリ(写真左端⑥)>