月刊バレーボール11月号のVリーグチーム紹介企画「ハイQランド」では、V1男子に所属するVC長野トライデンツが登場。椿芽久キャプテンと、戸嵜嵩大と池田幸太の両スパイカーによる座談会で、本誌には掲載できなかった内容をお届けする。V1に参入した2018年以降、着実にレベルアップする選手たちが、昨シーズンを振り返る。
写真:下からキャプテンの椿、池田、戸嵜
――チーム所在地である南箕輪村は自然がいっぱいですね。皆さんは休日何をしていますか?
戸嵜:椿さんは何をされているんですか?
椿 :読書と…。
戸嵜:絶対嘘だ!(笑)
椿 :でも、ほんとうに何をしているかな…。やっぱりバレーを見ているかな。(東京2020)オリンピックはずっと見ていましたね。トップ選手が出ている大会なので、少しでも身になればと思い、プレーの参考にしました。それで1%でも変わるのであれば、見る甲斐はあると思います。
戸嵜:僕は守備がまだまだなので、東京オリンピックでは、グルベニコフ選手(フランス)など、リベロがどんな足の動きや状況判断をしているのかを見ていました。まだまだ苦手ですが、イメージできないと絶対にできないと思うので実践しています。
池田:ずっとヌガペト選手(フランス)が好きで、オリンピックでも活躍していたので、よく見るようにしています。
――東京2020オリンピックで印象的なシーンはありましたか?
椿 :衝撃だったのはアメリカが予選ラウンドで敗退したことや、アルゼンチンとブラジルの試合で、予選ラウンドではブラジルが勝ったのに、3位決定戦ではアルゼンチンがフルセットで勝ったのもすごかった。トップはほんとうに力が均衡していて、何があるかわからないと思いました。また、ブラジル対ロシア(オリンピック委員会)戦では、第3セット12-20からロシアが逆転して、一つの細かいミスから変わることは海外でもあるんだな、と改めて勉強になりましたね。
池田:アツかったですね。
椿 :正直、そのときは仕事をしたくなかったです(笑)
――昨シーズン、VC長野の試合で、印象的な試合はありますか?
椿 :勝った試合はすべて印象的ですが、やっぱりパナソニックに勝った(2020年11月29日)のが、チームがいちばん成長したときじゃないかと思います。相手は主力の2人(清水邦広選手、ミハウ・クビアク選手)がいませんでしたが、それでも1、2位のチームに勝つことは創部以来なかったので、光が見えたと思いましたね。
戸嵜:勝った試合はもちろんうれしいですが、大分三好に連敗(21年2月6日〜7日)したことがとても心に残っています。パナソニックやFC東京に勝って気が緩んでいたというか、ちょっと慢心がありました。伊那市(長野)のホームゲームで、練習の拠点となる地域の皆さんが来てくれていたのに、結果を出せなかったのはすごく心残りでした。
池田:パナソニックアリーナでのパナソニック戦(21年2月28日)です。勝った試合はすべて印象に残っていますが、パナソニックを苦しめた試合の一つなので。個人的に調子が上がらなくて落ち込んでいたときに、その日の朝の円陣の声かけを任せてもらって臨んだ一戦だったので、とても印象に残っています。
戸嵜:昨シーズンはフルセットを落としてしまう試合が結構ありました。戦えている証拠ではあったものの、ミスや勝負どころで決まらなかったことが多かったので、そこを詰めていかないといけません。ただ、うちは若いチームで、今シーズン、来シーズンと、右肩上がりになっていくイメージはできました。
椿 :今季はV1に昇格して4年目で、攻撃や守備の全体の底が上がってきていて、自分の中では可能性があると感じています。不安もありますが、やってナンボ。試合も成長するための過程だと思っているので、ほんとうに楽しんでやりたいですね。
椿 芽久
つばき・めぐる/1995年2月2日生まれ/駿台学園高(東京)→東海大/セッター/身長186㎝/最高到達点325㎝
戸嵜嵩大
とざき・たかひろ/1995年6月14日生まれ/駒澤大高(東京)→駒澤大→東レ/アウトサイドヒッター/身長191㎝/最高到達点347㎝
池田幸太
いけだ・こうた/1997年2月8日生まれ/鹿児島商高(鹿児島)→福岡大/アウトサイドヒッター/身長180㎝/最高到達点340㎝
取材/田中風太 撮影/長尾里絵