世界三大リーグの一角、ロシア・スーパーリーグ男子の模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE RUSSIA』。2021/22シーズンの第6節は昨季王者モスクワとリーグの盟主カザンとの一戦が行われました。白熱したゲームの模様をレポート!
(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■一進一退の攻防。サーブで攻め続けたモスクワがカザンとの熱戦を制する
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第6節》モスクワ 3–2 カザン
(25-23,28-30,25-21,19-25,15-13)
(現地11/6)
リーグ屈指の強豪クラブによる今季初対戦は、まさに死闘となった。鍵となったのはサーブだ。第1セット、モスクワは21-22からSパベル・パンコフ(ロシア)のサービスエースで同点にすると、23-23からOHデニス・ボグダン(ロシア)がサーブで効果的に相手を崩し、最後は2本連続でブロックポイントをあげて先取する。
第2セットはカザンがお返しとばかりにサーブから流れを引き寄せると、ジュースにもつれ込んでからもひるむことはなく、29-28からSマイカ・クリステンソン(アメリカ)がノータッチエースを決めて、セットを奪い返す。第3セットはモスクワがMBマキシム・ベロゴルチェフ(ロシア)が相手のクイックを一枚ブロックで仕留める一方、要所で得点を重ねてセットを獲得。
だが、カザンも第4セット終盤でOPマキシム・ミハイロフ(ロシア)やOHアンドレイ・スルマチェフスキ(ロシア)のアタック、そして、またまたクリステンソンのサービスエースなど3連続得点をあげて、セットカウントをタイに戻す。
最終第5セットはカザンが6-9からスルマチェフスキのアタックにクリステンソンのサービスエースなど5連続得点で逆転に成功するも、モスクワはここから反撃。ミハイロフのアタックを仕留めると、リリーフサーバーで投入されたSチェスラフ・シュベンチキス(ロシア)の値千金のサービスエースなど5連続得点でマッチポイントに到達する。カザンがOHドミトリー・ボルコフ(ロシア)のアタックなどで食らいついたものの、最後はモスクワのボグダンがレフトから得点し、激闘に終止符を打った。
試合を終えて、モスクワのコンスタンティン・ブライヤンスキ監督は「選手たちはよく5セットを耐えてくれたし、それぞれの持ち味を発揮してくれた」とコメント。一方、今季初黒星となったカザンのボルコフは「相手はとても強いサーブを打ってきたから、なんとかしてアタックライン上に返球するよう頑張った。敗れたけれど、総じて素晴らしいゲームだった」と語った。
>>><次ページ>そのほか6試合をハイライトでお届け
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◆《第6節》スルグト 3–1 ウファ
(25-20,27-25,21-25,25-21)
(現地11/6)
ホームのスルグトはOPニキータ・アレクセエフ(ロシア)が両チーム通じて最多32得点の活躍。守ってはMBアレクサンデル・オコリッチ(セルビア)が4本のブロックポイントをあげて2連勝。対するウファは4連敗と苦しい戦いが続いている。
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◆《第6節》ノヴォシビルスク 3–0 ベルゴロド
(25-23,25-19,25-19)
(現地11/5)
今季は要警戒のベルゴロドをホームで迎えたノヴォシビルスクは、相手エースのOPモハメド・アルハクダディ(モロッコ)を11得点に抑え込むことに成功。攻めてはOPドラジェン・ルブリッチ(セルビア)とMBイリヤス・クルカエフ(ロシア)が16得点と並ぶ。中でもクルカエフはアタック決定率75%(16本中)で勝利に貢献した。
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◆《第6節》ニジネヴァルトフスク 3-1 クラスノヤルスク
(25-17,25-23,23-25,25-19)
(現地11/6)
ホームのニジネヴァルトフスクは第1セットだけで計5本のブロックポイントをあげて流れをつかむと、第2セット途中から出場したOPマキシム・サポズコフ(ロシア)がチーム最多18得点と活躍。「第3セットの最後はマックス(サポズコフ)のミスもあったけれど、それはチーム全体のミスでもある。ホームで勝利できてよかった」とキャプテンのLバレンティン・クロトコフ(ロシア)は語った。
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◆《第6節》ニジニ・ノヴゴロド 2–3 レニングラード
(25-17,22-25,25-20,11-25,14-16)
(現地11/6)
レニングラードは最初の2セットで3得点のOPマキシム・ジガロフ(ロシア)に代えて、第3セット開始時からはOPセルゲイ・ピライネン(ロシア)を投入。OHデニス・ビリュコフ(ロシア)がチーム最多21得点で率いる一方、この試合ではMBセルゲイ・シェルビャコフ(ロシア)が最多4本、また第4セット途中からの出場ながら同じく4本をマークしたMBアルチョム・メルニコフ(ロシア)のブロックポイントが勝利を呼び込んだ。
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◆《第6節》ウレンゴイ 3–0 オレンブルク
(25-14,25-14,25-21)
(現地11/6)
いまだ未勝利のオレンブルクは敵地に乗り込んでウレンゴイと対戦。OPドミトリー・ヤコブレフ(ロシア)がチーム最多13得点と奮闘するも、計10本の被ブロックそして計12本のサービスエースを許してしまっては、勝利も遠かった。
<2年目のジンクス? オレンブルク(写真コート右)は昇格初年度の昨季より苦しんでいる印象だ>
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◆《第6節》ケメロヴォ 0-3 サンクトペテルブルク
(20-25,20-25,16-25)
(現地11/6)
サンクトペテルブルクは最多13得点のOHエゴール・クリュカ(ロシア)を中心に攻撃を展開しストレート勝ち。サンクトペテルブルクのMBイバン・ヤコブレフ(ロシア)は「(前節でノヴォシビルスクにストレート負けを喫した)悔しさから立ち直るためにも、この試合を楽しみにしていた。しっかりと準備もできたし、ケメロヴォという強い相手に対して、前節よりはいい戦いができた」と語った。
<ケメロヴォはLアレクセイ・オブモチャエフ(ロシア)が体を張るも、勝ち星が遠い>
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《ロシア・スーパーリーグ男子 レギュラーシーズン》
==順位表/第6節終了時点==
1 ノヴォシビルスク 6勝0敗(勝ち点18)▲
2 カザン 5勝1敗(勝ち点16)▼
3 モスクワ 5勝1敗(勝ち点13)-
4 サンクトペテルブルク 4勝2敗(勝ち点11)▲
5 レニングラード 4勝2敗(勝ち点10)▲
6 ベルゴロド 3勝3敗(勝ち点11)▼
7 ニジニ・ノヴゴロド 3勝3敗(勝ち点10)▼
8 ケメロヴォ 2勝4敗(勝ち点8)-
9 ニジネヴァルトフスク 2勝3敗(勝ち点6)▲
10 スルグト 2勝4敗(勝ち点6)▲
11 ウレンゴイ 2勝3敗(勝ち点5)▲
12 クラスノヤルスク 2勝4敗(勝ち点5)▼
13 ウファ 1勝5敗(勝ち点4)▼
14 オレンブルク 0勝6敗(勝ち点0) –
※勝敗(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕