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第35回JOC杯プレビュー/最高到達点336センチの柏﨑祐毅や同299センチの中田藍美ら“金の卵”が集結

 中学生世代の全国大会として毎年年末に、大阪で開催されているJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会(JOC杯)。昨年はコロナ禍のため中止となったが、今年の第35回大会は12月25日から無観客で開催されることが決まった。各都道府県の選ばれし選手たちが持ちうる力をぶつけ合い、披露する舞台。その注目選手を紹介する。

(※各数字は大会事務局の『選手資料集』より)

 

<将来を有望視される選手が一堂に会する(写真は前回2019年の第33回大会)>

 

ジェイテクトSTINGSのジュニアチームでプレーする逸材も

 

 男子からまずは身長を見ると、トップは長野県選抜の山下翔蓮(南箕輪中)で196センチ。2番目に京都府選抜のビヴォーネフランチェスコ武彦(京都御池中)が194センチ、3番目は岡山県選抜の神﨑優(金光学園中)で193.6センチと続く。

 

 神﨑は21年夏の全日本中学校選手権大会(全中)で銅メダルを獲得。最高到達点320センチの高さを生かし、相手ブロックが完成する前に打つクイックやライト側からの強打が魅力だ。元々はバドミントンに励んでいて、バレーボールを始めたのは中学からと競技歴は浅い。それでも「スパイクを決めたときの爽快感がたまりません」と、コート上で自身の武器を最大限に生かしている。

 

 岡山県選抜は神﨑を含め、190センチ越えの選手が3人。また、神﨑と同じ金光学園中の池田耕大も身長こそ173.9センチだが、コースの打ち分けが得意なエースアタッカーだ。

 

<ポテンシャル十分の神﨑(写真コート奥中央)>

 

 次に最高到達点を見ると、トップの336センチをたたき出しているのが、愛知県選抜の2年生、柏﨑祐毅(篠目中)だ。VリーグのジェイテクトSTINGSのジュニアチームでもプレーし、すでに名前の知られた存在。

 

 「選ばれて素直にうれしかったです」と県選抜入りの感想を語り、同時に「全国からたくさんの選手がいる中で、今の自分は特別ではなく、普通の選手の一人でしかありません。ですが、少しでも目立つような活躍ができるように頑張りたい」と意気込む。小学生時代には走り幅跳びで全国の記録集計の上位に入ったこともあるほどの身体能力が、いよいよ全国の舞台で披露される。

 

 なお、最高到達点の2番手は福岡県選抜の松下晃大(千代中)の331センチ、3番手は滋賀県選抜の中上烈(長浜北中)の330センチとなっている。

 

<STINGSジュニアでは2年生エースとしてコートに立つ柏﨑>

 

>>><次ページ>女子の注目選手は…!?

女子は北沢中の中田藍美が最高到達点299センチ

 

 女子では鳥取県選抜の伊藤晴香(河北中)と愛媛県選抜の矢田和香(角野中)が身長185センチで並び、今大会では最高の数字。それに、東京都選抜の中田藍美(北沢中)の184センチが続く。

 

 中田の最高到達点299センチは、今大会トップ。21年の全中で準優勝に輝き、中学のチームメイトで同じく都選抜入りを果たした柳千嘉とともに、その高さは他を圧倒した。中田は自身の武器にブロックを挙げ、「学年が上がるにつれて、相手との駆け引きや手の出し方などがうまくなった」と手応えを感じている様子。今後に向けて「注目されることが多くなると思いますが、それに応えられるような強い選手になりたい。もっともっと『ブロックが得意』と言えるように頑張りたいです」と意欲を口にしている。

 

 なお、最高到達点では鳥取県選抜の伊藤が296センチで2番目。栃木県選抜の久米未唯奈(陽東中)の295センチが続く。大舞台での、さらなるジャンプアップを願うばかりだ。

 

<長身アタッカーとして、北沢中を引っ張った中田(写真コート奥左から2番目②)>

 

 JOC杯はその名のとおり、都道府県別による対抗戦であり、“地元を代表する”という思いを抱き、選手たちはコートに立つ。柏﨑も「チームは日本一を目指しているので、優勝できるように仲間と一緒に頑張りたい」と言葉に力を込める。

 

 男子では福岡県選抜が最多6度、女子は東京都選抜が最多10度の優勝回数を誇り、短期間でのチームづくりや選手個々の能力の引き上げには定評がある。

 

 それに続けと言わんばかりに、6度目の優勝を目指す男子の東京都選抜には21年の全中で日本一を手にした渕江中から身長188センチのエース川野琢磨や最高到達点325センチの永田心之輔らが選出されている。同じく東京都選抜の女子には元女子日本代表の大友愛(現・秋本)を母に持つ秋本美空(共栄学園中)も選ばれており、身長は181センチと、こちらも将来が楽しみな存在だ。

 

 このほか、21年の全中を制した女子の金蘭会中のエース西村美波は、最高到達点292センチもさることながら、力強いスパイクと負けん気の強さが光る。大阪北選抜の一員として、第31回大会(2017年)以来となる優勝を目指す。

 

 全国各地から集った“金の卵”たちの活躍と成長に注目したい。

(取材・文/坂口功将〔編集部〕)

 

<地元の誇りを胸に選手たちは、チームを勝利に導く(写真は大阪北選抜の西村)>

 

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>>><次ページは>前回の第33回大会 ピックアップ選手ギャラリー

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※カッコ内は当時のもの

 

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