ユース世代の新たな取り組みとして設立された日本初のU15女子バレーボールリーグ「東北アイリーグ2021」。大会最終日となる12月25日(土)にはオガールベース(岩手)で順位決定戦が行われ、全6チームによって競われてきたリーグ戦が決着のときを迎える。
<大会参加チームの面々(写真は大会4日目のもの)>
OWLSとWINDS Blue Velvetが初代女王の座をかけて対決
1・2決定戦を争うのはOWLS(アウルズ/岩手)とWINDS Blue Velvet(青森)。OWLSはオガールベースを拠点に活動するクラブチーム。雰囲気のよさが光り、得点時には『おー、わっしょい、わっしょい』と声を上げるパフォーマンスを披露する。それ自体は「チーム内の合宿でチームに分かれて練習試合をしたときに、後輩たちのグループがやっていたもの。すごく盛り上げるので取り入れました」とキャプテンの藤澤結莉。
リーグ戦を通して、「相手の強いスパイクや戦術にしっかりと対応してラリーに持ち込んで戦えるようになりました」と藤澤キャプテンは胸を張り、「相手のどんな攻撃に対しても、お互いでカバーしあって、とにかく3本で返したい。自分たちらしく、ラリーに持ち込みたいです」と意気込みを語った。
<得点パフォーマンスで全員が盛り上がるOWLS>
対するWINDS Blue Velvetは元日本代表そして現在もビーチバレーボールの一線で活躍する西村晃一が立ち上げ、青森県や岩手県を中心に活動するクラブチーム。OWLSとは大会4日目(10月31日)で対戦し、競り合いの末に勝利している。
その試合では身長175センチの1年生エース工藤光莉のアタックがさく裂。最終日では「もっともっと元気を出して、得点を決める本数を増やしたい」と頼もしい言葉が聞かれ、チームの主力である中谷美結も「一人一人が楽しみながらプレーして、優勝を目指したい」と力を込めた。
<WINDS Blue Velvetの中谷(写真左から2番目)の鋭いアタック>
同門対決ふたたび。3位に輝くのは
3・4位決定戦はTEAMiとTEAMi SENDAI(ともに宮城)の対戦。佐藤あり紗(リガーレ仙台監督兼選手)や渡邊彩(日立Astemoリヴァーレ)らを輩出してきたTEAMiが、前者は3年生主体、後者(SENDAI)は1、2年生主体に分かれて出場している。
<所属メンバーのうち最上級生たちによって構成されたTEAMi>
大会4日目に実現した“同門対決”ではTEAMiが最終第3セット終盤で逆転勝利。「先輩の意地を見せるんだ、という強い気持ちで戦い抜きました」とTEAMiの高山蕗依が言えば、TEAMi SENDAIの岡崎芽依は「いつもの練習を通して知っている、先輩たちの弱点を狙いました。勝ちたかったです」と悔しさをにじませた。今大会最後の対決で、最上級生が意地を見せるか、それとも下級生たちが次こそは金星をつかむか、見ものだ。
<TEAMi SENDAIのエース岡崎はプレーセンス抜群>
また、最終日には5・6決定戦が実施され、こちらはTEAMi Fukushima(福島)とリガーレ仙台(宮城)のカードとなっている。前回の対戦ではリガーレ仙台が勝利したが、果たして。
この東北アイリーグは10月上旬にスタートしてから総当たり戦が行われ、その結果を元に順位決定戦の対戦カードが決められた。リーグ戦ということで、前回対戦時やこれまでの試合を通して出た課題、つかんだ手応えを次の試合で生かすことができるのも特色の一つ。集大成なる大会最終日で選手たちがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみだ。
(文・写真/坂口功将〔編集部〕)
<大会4日目のTEAMi Fukushima(写真コート奥)とリガーレ仙台の試合の模様>