世界三大リーグの一角、ロシア・スーパーリーグ男子の模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE RUSSIA』。2021/22シーズンの年内最後となる第10節は盟主カザンと古豪ベルゴロドのカードから
(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■カザンの総攻撃がベルゴロドを圧倒も、翌日の“ゲーム”は敗れる
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第10節》カザン 3-0 ベルゴロド
(25-15,25-12,28-26)
(現地12/19)
創設から約20年の間に世界で指折りの強豪クラブへと上りつめたカザンと、40年以上という国内リーグ屈指の歴史を持つベルゴロドとの今季初対戦。そんな趣きある今節は、“CYBER VOLLEY”と銘打たれ、会場では来場者にVRを体感できるブースが設けられるなど、どこか近未来的な雰囲気が。
<充実の戦力を従えるカザン。今季はタイトル獲得が絶対条件だ>
試合はカザンがOHバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)とOHドミトリー・ボルコフ(ロシア)がともに16得点、OPマキシム・ミハイロフ(ロシア)が14得点と続き、ストレート勝ちを収める。対するベルゴロドは第3セットこそ計5本のブロックポイントをあげて食らいついたが、チーム最多得点がOPモハメド・アルハクダディ(モロッコ)の12点では厳しかった。
1週間後に控えたロシアカップのファイナル4へ弾みをつける快勝に、カザンのアレクセイ・ベルボフ監督も「チームはいい雰囲気にある」とご満悦。ただ、この翌日には“CYBER VOLLEY”の企画の一つとして、PCゲーム『Dota 2』でのカザンとベルゴロドの選抜メンバーによる対戦が行われ(ミハイロフがゲーミングチェアに座ってプレー!!)、こちらは0勝2敗と返り討ちにあっている。
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◆《第15節》クラスノヤルスク 3-1 ウレンゴイ
(20-25,26-24,25-23,26-24)
(現地12/8)
前倒しで行われた第15節はホームのクラスノヤルスクが逆転勝ちを収め、連敗を6でストップ。OPビタリー・フェッチョフ(ロシア)がチーム最多21得点の活躍を見せた。対するウレンゴイはOPウラディスラフ・バドケビッチ(ベラルーシ)が最多26得点と気を吐いた。
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◆《第10節》レニングラード 3-1 スルグト
(24-26,25-21,25-19,25-12)
(現地12/17)
第1セットはスルグトが計5本のブロックポイントをあげて競り勝ち。対するレニングラードもお返しとばかりに第2、第3セットでいずれも計4本のブロックポイントをマークしたほか、OHデニス・ビリュコフ(ロシア)が最多24得点の活躍を見せて、逆転勝利を収めた。
<スルグトはOHイリヤ・コバレフ(ロシア/写真左端)が最多23得点の健闘>
++++
◆《第10節》クラスノヤルスク 3-0 オレンブルク
(25-17,25-19,25-15)
(現地12/17)
サーブレシーブで精彩を欠くオレンブルクを相手に、クラスノヤルスクはOPビタリー・フェッチョフ(ロシア)が最多5本、ユーリ・ブラジニュク(ロシア)が4本と計11本のサービスエースをマークして完勝。いまだ勝ち星のないオレンブルクは現地12月25日に行われる第11節で、年内初勝利を目指しレニングラードと対戦する。
<開幕から10連敗のオレンブルク>
++++
◆《第10節》ニジネヴァルトフスク 2-3 モスクワ
(25-23,26-24,20-25,17-25,16-18)
(現地12/18)
2セットダウンとなったモスクワは第3セット開始時からOHデニス・ボグダン(ロシア)とMBマキシム・ベルゴルチェフ(ロシア)を投入して立て直しを図る。計5本のサービスエースをあげて第3セットを獲得すると、OPツベタン・ソコロフ(ブルガリア)のチーム最多25得点の活躍もあり、逆転勝利に成功。「相手の猛攻を止めるのは困難だったが、勝利へ導いてくれた神に感謝したい」とモスクワのコンスタンティン・ブライヤンスキ監督は胸をなで下ろした。
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◆《第10節》ウファ 0-3 ノヴォシビルスク
(19-25,18-25,27-29)
(現地12/18)
ホームのウファはあとがなくなった第3セットで計6本のブロックポイントをあげて食らいつく。試合を通して、MBイバン・デマコフ(ロシア)、OPマキシム・シェミャチヒン(ロシア)の11得点を含め3選手が2桁得点をマークするも、3連敗となった。
<ウファの攻撃をはね返したノヴォシビルスク>
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◆《第10節》ウレンゴイ 1-3 ケメロヴォ
(25-21,16-25,17-25,22-25)
(現地12/19)
第1セットを先取しても、勢いを手放してしまうのが今季のウレンゴイの課題。今節も第2セットで計6本のサービスエースを許すと、ケメロヴォにあっさりと逆転負けを喫した。ケメロヴォはOHアレクサンデル・マルキン(ロシア)が5本のサービスエースを含むチーム最多24得点、OPビタリー・パパゾフ(ロシア)が最多5本のブロックポイントをマークした。
<OHアントン・カルプコフ(ロシア/写真右端)がウレンゴイのブロックを攻略する>
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◆《第10節》ニジニ・ノヴゴロド 0-3 サンクトペテルブルク
(16-25,22-25,20-25)
(現地12/18)
サンクトペテルブルクはケガから復帰したOPビクトル・ポレタエフ(ロシア)がフル出場を果たし、MBイバン・ヤコブレフ(ロシア)と並んでチーム最多15得点と復活をアピール。ニジニ・ノヴゴロドの1本に対して、ポレタエフの3本を含む計9本のサービスエースをマークするなど、サンクトペテルブルクが横綱相撲で勝利した。
<ニジニ・ノヴゴロドは懸命にボールをつないだが…>
《ロシア・スーパーリーグ男子 レギュラーシーズン》
==順位表/第10節終了時点==
1 カザン 9勝1敗(勝ち点28)-
2 ノヴォシビルスク 9勝1敗(勝ち点27)-
3 モスクワ 8勝2敗(勝ち点20)-
4 レニングラード 7勝3敗(勝ち点20)-
5 サンクトペテルブルク 7勝3敗(勝ち点19)-
6 ニジニ・ノヴゴロド 5勝5敗(勝ち点16)-
7 ニジネヴァルトフスク 5勝4敗(勝ち点14)-
8 ベルゴロド 4勝6敗(勝ち点15)-
9 ケメロヴォ 4勝6敗(勝ち点13)▲
10 スルグト 4勝6敗(勝ち点12)▼
11 クラスノヤルスク 4勝7敗(勝ち点11)▲
12 ウファ 2勝8敗(勝ち点7)▼
13 ウレンゴイ 2勝8敗(勝ち点6)▼
14 オレンブルク 0勝10敗(勝ち点2) –
※勝敗(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕