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春高2025

東福岡高 成就させた日本一への思い 夢をかなえた願望ノート【月バレ2021年3月号】

  • 高校生
  • 2021.12.27

 

エースの活躍と2年生のスパイス

 

 例年はインターハイや国体を経験して力をつけるが、大会が相次いで中止になった今年度はどのチームも春高での一発勝負。いつもは複数用意するという藤元監督が描く優勝へのルートも、今大会はただ一つだった。相手にとってわかっていても柳北が抑えられない状況をつくり、柳北に対策が集中するタイミングでいかに2年生がスパイスになるか。

 

 2回戦の習志野(千葉)戦ではストレート勝ちを収めたものの、2017年JOC杯優勝メンバーが主力の福井工大附福井(福井)との3回戦、今大会最長身、210cmの牧を擁する高松工芸(香川)との準々決勝はフルセットの末に勝利。一戦一戦厳しさが増した中で、準決勝の清風(大阪)戦、決勝の駿台学園(東京)戦と試合を重ねるごとにすごみを増したエースが大暴れ。ポイントであったスパイスという面では、要所で山田美雄がブロード攻撃を決め、坪谷と葭原もスパイクを打ち込んだ。葭原は「春高までの期間は、前に突っ込むクセをずっと意識していました。なんとか間に合ったと思います」とホッとした表情。チームを優勝に導いた柳北も「少しは変われたから日本一になれました」と笑顔で成長を実感した。

 

 「日本一になる!」と願い続けて登りつめた春高の頂点。しかし、これまで頼り続けたエースはもういない。坪谷は先輩の背中から多くのことを学んだ。「準決勝、決勝といい形で攻撃ができなくて。悠李さん頼みになってしまいましたが、相手のブロックが3枚付いても、悠李さんは決めきっていました。今度は自分がああいう姿にならないといけません」。

 

声でもチームを引っ張った #7葭原と#5坪谷

 

 新チームで主将を務める葭原も気を引き締める。「藤元先生からは『なんでも決めてくれるエースはもういない』と言われて。みんなの目標だった日本一は取れましたが、保護者も含めてチームの全員がセンターコートに行くことはできませんでした。今度は自分たちの力で、日本一まで連れていきます」。

 

 新型コロナウイルスの影響で、先の見えない日々を経験した。その状況は今後も続くかもしれない。だからこそ、坪谷はこれまでの歩みに胸を張る。「誰も経験したことのないようなことを経験しましたが、ノートにはやってきたことが書いてあります。もしもう一回そうなったら、去年書いたこと以上をやらないと進化しません。そういう経験がノートとして残っているのは大きいと思います」。

 

 たとえ逆境がふたたび訪れても、東福岡には立ち返る原点がある。

 

――――――

 

 この時の優勝メンバーが多く残る東福岡高。再び日本一になるという強い願望のために、彼らはきっとバレーノートを書き続けているだろう。その冊数は自分を見つめ強くなるために費やした時間の証明となって、彼らの戦いを支えてくれるのではないだろうか。

 

 春高バレーは、2022年1月5日(水)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。シード校の東福岡高は1月6日(木)Bコート第6試合(15:00〜)、札幌藻岩高(北海道)と東亜学園高(東京)の勝者と初戦を戦う。※時間は変更となる場合がある。

 

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