世界三大リーグの一角、ロシア・スーパーリーグ男子の模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE RUSSIA』。年内最後にカップ戦のファイナル4(準決勝、決勝)が行われました
(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■カザンがカップ戦を制し、今季初タイトルを獲得!!
[MATCH OF THE ROUND]
◆《カップ戦 決勝》カザン 3-0 モスクワ
(25-18,25-19,25-23)
(現地12/26)
今季の覇権争いの主役は、この2チームか。2021年を締めくくるロシアカップの決勝は前年度覇者のモスクワと今季レギュラーシーズンで首位に立つカザンがぶつかった。ちなみに、両チームがカップ戦の決勝で対戦するのは、これが3度目。過去の対戦は2004年、2007年で、当時のカザンの名称は前身の「ディナモ-タトランスガス」。意外にも久しぶりの、それも現在の名称では初めての対戦となったのである。
<在籍2季目のOHバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)は攻守両面でチームに貢献>
レギュラーシーズン第6節(11/6)ではフルセットの末にモスクワが勝利していたが、この日はまるで異なった。第1セットこそモスクワは計3本のサービスエースをマークしたものの、カザンはSマイカ・クリステンソン(アメリカ)のトスワークがさえ、大差をつけてセットを先取。波に乗ったカザンは第2セットで計5本のブロックシャットを浴びせて、連取に成功する。第3セットはOPマキシム・ミハイロフ、OHドミトリー・ボルコフ(ロシア)を中心に攻撃を展開し、ストレートでの勝利を収めた。
<フェドロフとともに守備で魅了するベテランLバレンティン・ゴルベフ(ロシア/写真左から2番目)>
試合後のミックスゾーンではLイリヤ・フェドロフ(ロシア)が「すべてが最高さ!! 最高なんだ!!」と興奮を抑えきれず。「相手のサーブは脅威でしたが、自分たちは最高のゲーム、そして強いチームの戦いを見せることができました」と振り返った。また、ボルコフのチーム最多14得点に続く11得点をマークしたミハイロフがMVPを受賞。クラブと代表では意味合いも異なるとはいえ、2022年に控える自国開催の世界選手権を前に、この大国の“顔”が誰であるかを証明してみせた。
《カップ戦 準決勝》(現地12/25)
・カザン 3-0 ノヴォシビルスク
(25-19,25-21,25-22)
・モスクワ 3-1 サンクトペテルブルク
(25-16,25-15,24-26,25-19)
*****
==レギュラーシーズン==
◆《第1節》ウレンゴイ 3-2 ニジネヴァルトフスク
(19-25,25-20,19-25,25-21,17-15)
(現地12/21)
未消化だった第1節のカードが実施され、ホームのウレンゴイがフルセットの末に勝利し、連敗を5でストップ。OPウラディスラフ・バドケビッチ(ベラルーシ)が3本のサービスエースを含むチーム最多27得点、守ってはMBビタリー・ジカレフ(ロシア)が最多6本、OHオマル・クルバノフ(ロシア)が4本と続くブロックポイントをマークするなど、それぞれが役割を果たしての勝ち星だった。
++++
◆《第11節》ケメロヴォ 3-2 ウファ
(25-22,26-28,25-23,22-25,15-10)
(現地12/25)
年明けの第11節のうち、2試合が前倒しで実施され、こちらはホームのケメロヴォがフルセットを制して、白星で2021年をフィニッシュ。OPビタリー・パパゾフ(ロシア)が最多4本のブロックポイントを含む29得点の力強いパフォーマンスでチームをけん引した。
++++
◆《第11節》レニングラード 3-2 オレンブルク
(25-23,19-25,21-25,25-21,15-13)
(現地12/25)
開幕から黒星を積み重ねること10個。年内最終戦となる今節は先に2セットを奪い、いよいよ勝利が見えたかに思えたオレンブルクだったが…。OPドミトリー・ヤコブレフ(ロシア)がチーム最多28得点、OHアントン・ボチン(ロシア)が21得点と続いたものの、選手交代を巧みに繰り出したレニングラードに反撃を許し、全敗で年内の戦いを終えた。
※第11節のそのほかのカードは現地1月3日、4日に実施される予定
《ロシア・スーパーリーグ男子 レギュラーシーズン》
==順位表/2021年終了時点==
1 カザン 9勝1敗(勝ち点28)-
2 ノヴォシビルスク 9勝1敗(勝ち点27)-
3 レニングラード 8勝3敗(勝ち点22)▲
4 モスクワ 8勝3敗(勝ち点20)▼
5 サンクトペテルブルク 7勝3敗(勝ち点19)-
6 ニジニ・ノヴゴロド 5勝5敗(勝ち点16)-
7 ニジネヴァルトフスク 5勝5敗(勝ち点15)-
8 ケメロヴォ 5勝6敗(勝ち点15)▲
9 ベルゴロド 4勝6敗(勝ち点15)▼
10 スルグト 4勝6敗(勝ち点12)-
11 クラスノヤルスク 4勝7敗(勝ち点11)-
12 ウレンゴイ 3勝8敗(勝ち点8)▲
13 ウファ 2勝9敗(勝ち点8)▼
14 オレンブルク 0勝11敗(勝ち点3)-
※勝敗(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕