21年夏の全国大会で5度目の優勝に輝いた金蘭会中(大阪)が12月30日(木)、『2021年度 ENJOY & HARDWORK CUP』を行った。これは年納めの行事として企画されたもので、部員の保護者たちによる“ガチンコ”バレーボール大会だ。
<新チームのキャプテン、岡日和(写真中央)が開会のあいさつ>
「娘たちよ、親の背中を見ておきなさい」-。
開会のあいさつとして、佐藤芳子監督の号令が飛ぶ。大会を戦うのは保護者たちのみ。現役部員たちはコートサイドで応援に回る。保護者たちの中にはバレーボール経験者もおり、元Vリーガーの徳元幸人さん(現・JTサンダーズ広島副部長)の姿も。
<娘たちに負けじと!? ボールにくらいつく、今大会の参加者たち>
<保護者たちによる真剣勝負が繰り広げられた>
それを見守る娘の徳元菜々美(2年)は「父のプレーは、現役時代のビデオでしか見たことがありません」と試合前には、ワクワクに加えてどこか緊張した表情を浮かべた。なお、大会は徳元さんや丹山花椿(2年)を娘に持つ丹山禎昭さん(現・JTマーヴェラスコーチ)を擁するチーム『炊飯じゃ~』が勝利した。
<初の試みとなる今大会で見事、チャンピオンに輝いたチーム『炊飯じゃ~』>
試合中、部員たちは本番さながらの応援に励み、全中の会場でも響いた和太鼓の演奏がムードを盛り上げた。コート上で保護者たちが繰り出す好プレーに笑顔が弾け、一方、珍プレーが出た際にはズッコケる様子も見られた。
<金蘭会の応援名物、和太鼓の演奏>
<思わず天を仰ぎ、膝から崩れ落ちる部員たち>
佐藤監督は「部員の成長は保護者たちとの共同作業です。チームに預けたからといって、勝手に強くなるわけではありません」と言ってやまない。今回のバレーボール大会は遊びの趣向が強いとはいえ、部員たちと保護者たちは心を一つにしたはず。
<試合前のアップでは部員たちがボール出しを行い、レシーブ練習をサポートする様子も>
<部員と保護者が一体となって戦う>
また、この日の午前中には、年末のJOCジュニアオリンピックカップ第35回全国都道府県対抗中学大会で大阪北選抜として優勝に貢献した西村美波や花岡千聡、平野シアラを擁する3年生チームと、1、2年生による新チームとの青白戦が保護者たちの前で披露された。こちらも日頃の練習の成果を、直に目にする機会になったことだろう。
<父の姿を見つめる娘たち>
チームビルディングに、コレといった正解はない。その中でも今回のバレーボール大会を始め、これまでに数多く実現してきた、保護者を交えての登山や写経、チームソングづくりといった様々な発想が、金蘭会中の強さの根底にあると実感した企画だった。
(取材・写真/坂口功将〔編集部〕)