[ロシア21/22]第11節 ベルゴロドが亡きレジェンドに捧ぐ哀悼の白星
- 海外
- 2022.01.07
世界三大リーグの一角、ロシア・スーパーリーグ男子の模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE RUSSIA』。2021/22シーズンは新年最初となる第11節の4試合が実施されました
(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■故“ビアード”ハモウスキー氏へ捧ぐ勝利 ベルゴロドがマストウィンの一戦を制す
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第11節》ベルゴロド 3-0 スルグト
(25-20,25-16,25-17)
(現地1/3)
12月31日、ロシアバレーボール界に悲しいニュースが舞い込んだ。男子ロシア代表のセッターとして活躍し、オリンピックでは2000年シドニー大会の銀、2004年アテネ大会と2008年北京大会の銅2つ、と計3つのメダルをもたらしたバディム・ハモウスキーがこの世を去ったのだ(享年52)。ハモウスキーが現役時代に6度のリーグ優勝を果たし、チャンピオンズリーグ連覇(2003年、04年)を成し遂げたのが名門ベルゴロド。レジェンドへの哀悼を込めて、今節の試合前にはベルゴロドの選手全員が彼の代名詞である背番号『9』番とニックネームの“ビアード(ひげ)”が記されたユニフォームを着用し、黙とうをささげた。
<自身最後のメダル獲得となった2008年北京オリンピック。キャプテンとしてチームをけん引した(写真後列右から2番目⑨がロシア代表時代のハモウスキー/Photo:FIVB)>
チームにとって何としても勝利したい一戦は、OPモハメド・アルハクダディ(モロッコ)が最多17得点、MBイーゴリ・フィリッポフ(ロシア)が5本のブロックポイントを含む11得点と続き、快勝を収める。
試合後、ベルゴロドのボリス・コルチン監督は「彼はいつも私をハグし、幸運を願ってくれました。もう会えないという現実と私は向き合わなければなりませんでした。ほんとうに素晴らしい人間を失った…」と思いを吐露した。なお、対戦相手のスルグトはハモウスキーが引退後に初めてコーチとして携わったチーム。この一戦を天国から見守っていたに違いない。
*****
◆《第11節》モスクワ 3-0 クラスノヤルスク
(25-15,25-19,25-19)
(現地1/3)
昨年末のロシアカップでは準優勝に終わったモスクワにとって、新年の幕開けとともにリスタートを切る今節。Sパベル・パンコフ(ロシア)が自在にアタッカー陣を操り、3選手が2桁得点の猛攻を展開、また、自身も3本のサービスエースを含む7得点と活躍を見せて、ストレート勝ちに導く。コンスタンティン・ブライヤンスキ監督も「高い集中力で戦っていた」と舌を巻いた。
++++
◆《第11節》サンクトペテルブルク 3-0 ニジネヴァルトフスク
(25-15,25-19,25-14)
(現地1/3)
ホームのサンクトペテルブルクは第1セットで計6本のブロックポイントをマークしてニジネヴァルトフスクの出鼻をくじくと、以降もOHエゴール・クリュカ(ロシア)、OPビクトル・ポレタエフ(ロシア)と中心に攻撃を展開。第3セットには計5本のサービスエースを浴びせ、4連勝とした。
++++
◆《第11節》ノヴォシビルスク 3-0 ニジニ・ノヴゴロド
(25-22,25-20,25-22)
(現地1/4)
2セットを先取したノヴォシビルスクは第3セット途中で期待の新鋭、18歳のOHキリル・ウラソフ(ロシア)がリーグデビューを果たす。2得点をマークし、プラメン・コンスタンティノフ監督は「もちろん少しばかりは緊張していたようですが、何せ若い選手ですから。合格点といえるでしょう!!」とコメントした。試合はOPドラジェン・ルブリッチ(セルビア)がチーム最多16得点をあげ、3連勝。
++++
◆《第11節》カザン 3-0 ウレンゴイ
(25-18,25-22,25-13)
(現地1/4)
ロシアカップ王者のカザンは好調をキープするOHドミトリー・ボルコフ(ロシア)が両チーム通して最多17得点の活躍で快勝。ボルコフは「(昨年末の)ロシアカップのあとは、トレーニングは控えていました。常に“ファイナル4”のようなレベルでプレーするのは不可能ですから。とはいえ、気持ちに火をつけて戦えました。その点は心配ありませんでした」と試合前の胸中を明かした。
《ロシア・スーパーリーグ男子 レギュラーシーズン》
==順位表/第11節終了時点==
1 カザン 10勝1敗(勝ち点31)-
2 ノヴォシビルスク 10勝1敗(勝ち点30)-
3 モスクワ 9勝2敗(勝ち点23)-
4 サンクトペテルブルク 8勝3敗(勝ち点22)▲
5 レニングラード 8勝3敗(勝ち点22)▼
6 ベルゴロド 5勝6敗(勝ち点18)-
7 ニジニ・ノヴゴロド 5勝6敗(勝ち点16)▼
8 ニジネヴァルトフスク 5勝6敗(勝ち点15)▲
9 ケメロヴォ 5勝6敗(勝ち点15)-
10 スルグト 4勝7敗(勝ち点12)-
11 クラスノヤルスク 4勝8敗(勝ち点11)-
12 ウレンゴイ 3勝9敗(勝ち点8)▲
13 ウファ 2勝9敗(勝ち点8)▼
14 オレンブルク 0勝11敗(勝ち点3)-
※勝敗(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕