全国二冠に向けて鎮西が3年ぶりにベスト4進出
「第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)」が1月5日(水)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕。大会3日目の1月7日(金)は男子準々決勝が行われ、鎮西(熊本)と高松工芸(香川)が対戦した。
ともに3回戦で、鎮西は高川学園(山口)と、高松工芸は東海大付札幌(北海道)とフルセットを戦い、勝ち上がってきた両チーム。だいぶ疲れがたまってきたと思われる中で行われたこの戦いは、そんな疲れを感じさせない両エースの激しい打ち合いとなった。
第1セット、まずは鎮西の#4舛本颯真がレフトから鋭いスパイクで1点目をとると、直後に高松工芸の#4牧大晃がレフトから打点の高いスパイクを決めて応戦。その後も、#4舛本と#4牧が得点を重ねていく。
しかし鎮西は、身長210cmの#4牧の前にリズムを崩され、ワンタッチを取られて切り返される場面が増加。さらに中盤、#4舛本が高松工芸の高いブロックの餌食となり、高松工芸に9-17と大きくリードを許してしまう。鎮西はキャプテンでツーセッターの一角を担う#3九冨鴻三や身長192cmの#2平田悠真らの攻撃で食らいついていくが、相手の攻撃を止めることができない。
その高松工芸は#4牧を軸に、#1乙武空良のクイックや#3多田來生の攻撃で着実にポイントを重ねていき、終わってみれば25-14と大きく点差をつけて第1セットを先取した。
第2セットも、#4牧と#4舛本が激しく打ち合う展開に。中盤まで一進一退の攻防が続いたが、9-8と高松工芸に1点リードされた場面で、#4舛本のスパイクが2本連続で決まらず、9-11と3点差をつけられる。15-18まで差を縮められなかったが、1年生ミドルブロッカーの#8荒谷柊馬がサーブで相手を崩すと、#4舛本が気迫のこもったスパイクを決めて、19-18と逆転に成功。その後も、#4牧と#4舛本が打ち合ったが、最後は高松工芸にミスが出て、鎮西が第2セットを25-23と僅差でものにした。
第3セット序盤も両エースの活躍で点数の取り合いとなったが、ここにきて#4舛本がもう一段階ギアを上げ、前衛、後衛問わず打ちまくる大車輪の活躍。高松工芸の攻撃をワンタッチで拾った場面では#4舛本が確実にポイントにつなげて、10-6とリードする。高松工芸も#4牧にトスを集めて応戦するが、連続得点したい場面でサーブミスが出て、点差を詰めることができない。
試合の終盤まで#4舛本と#4牧の打ち合いが続いたが、鎮西が中盤のリードを守り切り、第3セットを25-21で取って逆転勝ち。苦しみながらも、全国二冠に向けて準決勝進出を決めた。