2023年1月4日(水)から東京体育館(渋谷区)でスタートした第75回全日本高等学校選手権大会(春高)。大会最終日となる8日(日)は駿台学園(東京)と鎮西(熊本)による男子決勝が行われた。
鎮西はエース#3舛本颯真がエンジン全開で得点をあげ、序盤からチームの士気を上げる。対する駿台学園は、サーブで舛本を狙って攻撃を封じようとするが、鎮西#12小手川吟之介が、回り込んでフォローに入ったり、舛本も的確なレシーブから攻撃に転じるので、完全に流れを変えることができない。さらに、鎮西は#6井坂太郎など舛本以外の攻撃陣の活躍もあり、23-25、22-25と2セットを連取。日本一に王手をかけた。
それでも、あきらめないのが駿台学園。第3セットに入ると、集積したデータをもとにブロックポイントやレシーブ位置を少しずつ修正。3セット目中盤には、攻撃テンポの速い#8川野琢磨などを投入してゲームのリズムを変える作戦。この戦略が功を奏して時間差のコンビネーションなどが決まり始めると、レシーブの足も一段と動くようになり、本来の粘りのあるプレーが出始めた。一時は10-14とリードを許して追い詰められた駿台学園だったが、逆転して先に20点台に到達。駿台学園の司令塔#9吉田竜也がコンビネーションを積極的に織り交ぜ攻撃の勢い加速させ、セットカウントを2-1とする。
流れをつかんだ駿台学園は、続く第4セットでは、3セット目で途中出場した#8川野と#13高澤大馳をスターター起用。この2人が、監督の期待に応える活躍をし、駿台学園がセット序盤から流れをつかむ。エース#3佐藤遥斗や、#5亀岡聖成など中心メンバーのリズムもよくなり得点を重ねた。中盤はリベロ#7布台聖が中心となって、ブロックのリバウンドを徹底。丁寧に上げたボールを、#9吉田の速いトス回しでコンビネーション攻撃につなげる駿台学園が得意とするバレーを展開。
鎮西セッターの#4平川天翔は、#3舛本だけでなく、#1平田悠真や#6井坂を多用して巻き返しを図る。しかし、駿台学園の大量リードを埋めることはできず、第4セットは駿台学園が獲得、日本一を決める戦いはフルセットに突入する。
最終セット、鎮西はすべてのボールを#3舛本に託す。対して駿台学園は、#9吉田が攻撃陣を操るコンビネーションを使ったゲームメイク。両校がそれぞれの武器を全面に出した真っ向勝負は、決勝にふさわしい接戦となった。そして、激しい攻防の結果、最後は駿台学園#3佐藤遥斗がブロックを大きくはじく力強いスパイクでマッチポイントをつかむと、鎮西のミスでゲームセット。駿台学園が3-2の逆転勝利で日本一をつかみ取った。
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