V3降格を転機に。長野GaRonsは、あきらめない
- V男子
- 2022.02.16
<試合中も笑顔で、ムードよく戦う選手たち>
選手たちが主体となってチームを高める、意識の変革
意識の変化が形に現れたのが、まず練習量の差。以前は週3日だったのが、週6日に増えた。それも、選手たちが自発的に起こしたアクションだ。
また、「強化方針も含めて、選手たちが決めて実行に移す体制にしています。監督・コーチ陣からの“トップダウン”ではなく、選手たちが主体となる“ボトムアップ”を重視する。それは彼らに自覚を生んだと思います」と篠崎監督は成長を実感する。
今季はコロナ禍を受けて、入団してまもない選手たちがコートに立たざるをえない場面も多い。けれども、年齢差がさほど大きくないことがチーム内のコミュニケーションの活性化につながっている。
入団1年目ながら現在、ゲームキャプテンを託されている福池凌太は、2月13日(日)のトヨタモビリティ東京スパークル戦を引き合いに、このように話す。
「(セットカウント2-1からの)第4セット序盤で相手にリードを許してしまったのですが、自分たちの雰囲気がとても悪かった。それは個々の意識の高さゆえ、でした。『もっともっとこうしないといけない』という発言ばかりで、視野が狭くなっていたんです。なので、『ふつうに自分たちのバレーボールをしよう』と。点が決まったら喜ぶ、楽しんでプレーしよう。そうすることで次第に雰囲気も明るくなって、勝ちにつなげることができました」
<入団1年目の④福池は「リーグ得点王を目指しています」と頼もしい>
今、チームが目指すは入れ替え戦に進み、V2昇格を果たすこと。昨季は内定選手としてV2のコートに立った福池も言葉に力を込める。
「V3に落ちたことは悲しかったです。ですが、昨年の春先からは“どうすれば昇格できるか”だけを意識して、練習に励んできました。出だしはつまずいた部分もありましたが、ここからしっかりと駆け上がってみせます」
機運の高まりも、その裏返しの失望も味わった。それでも、
「たとえ見ているお客さん全員があきらめたとしても、コートに立つ選手は最後までボールを追い続けるのが、バレーボールなので。選手たちには『あきらめないこと』を常に伝えていますし、その姿を常にお見せしたいです」
と篠崎監督。
ここから再び、竜は立ち昇る。長野GaRonsは、あきらめない。
(文・写真/坂口功将〔編集部〕)
<22-23シーズンへは、S2ライセンスが交付されている。ホームタウンでの試合が続く後半戦で勝ち星を重ねたい>
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