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春高2025

髙木大我(鎮西)「お母さんに恩返しがしたくて」インターハイベストリベロは就職して9人制の道へ 悔いなき3年間

  • 高校生
  • 2022.02.18

インターハイ王者として臨んだ第74回全日本高等学校選手権大会(春高バレー)では、決勝で逆転負けを喫した鎮西高(熊本)。その守護神で、優勝した昨夏のインターハイではリベロ優秀選手に選ばれた髙木大我は、大学進学ではなく、就職する道を選んだ。バレー人生の集大成となる春高を終え、その思いを語った

取材/田中風太 写真/中川和泉、田中風太

 

 

 

髙木にとって、今大会は特別な舞台になった

 

 それまでとは違う意味の涙だった。決勝で日本航空高(山梨)にフルセットの末に敗れ、惜しくも二冠獲得とはならず。「素直に悔しいです。でも、3年間やってきて悔いはないですし、自分たちについてきてくれた1、2年生に感謝しています」と声を詰まらせた後だった。進路について話が及ぶと、髙木の目から大粒の涙が流れた。

 「自分は大学に進まず、就職します。うちは片親で、ずっと支えてくれたお母さんに恩返しがしたくて決めました。家族からは大学に行っていいという話をしてもらいましたが、迷惑をかけたくなくて。就職して恩返ししたいという気持ちが強かったです」

 昨夏のインターハイで日本一に輝き、リベロ優秀選手に選ばれた守護神。最後の春高は、バレー人生の集大成となる舞台でもあった。

 

 世代を代表するリベロの一人に成長した髙木だが、中学3年生時は自信がなかった。兄と同じ熊本城北高に進むか、それとも、2017年度の春高で日本一になった鎮西高に進むか。JOC杯では熊本選抜としてプレーしたものの、自分が名門校でやっていけるとは思えなかった。「世代No.1リベロ」と呼ばれた先輩の存在は、それだけ大きかった。「(荒尾)怜音(早稲田大2年)さんがいたので。自分の実力は通用しないだろうと思っていました」。期限の1日前まで決断を下せなかったが、「どうせなら上を目指せるチームで」という家族の後押しもあり、腹をくくった。

 

 ジュニア時代から付き合いのあった荒尾はさらに進化していた。「一つ一つのプレーの精度が高い。ボールの軌道を読むのが早くて、どんなボールでも同じ形でレシーブをしていてすごい」。その背中を追い、全体練習後の自主練習では、「一本も落とさない気持ちで」ていねいにボールと向き合った。

 荒尾が卒業した2年生時からレギュラーになり、昨夏のインターハイでは得意のディグで好守備を連発。絶対的エースの舛本颯真とともに、畑野久雄監督が「心配していない」と信頼を置く守護神に成長した。

 

 6人制でのプレーはこれで最後だが、卒業後は地元の9人制チームでプレーを続ける。

「ほんとうにギリギリまで迷ったんですけど、仲間に恵まれ、こうやって最高の場を用意してもらえて。ほんとうに鎮西高校でバレーができてよかった。悔いはないです」

 これからの人生でもきっと。髙木はその決断を正解にしていくはずだ。

 

 

 

優勝を逃し、涙ながらに後輩を労う髙木(中央) 惜しくも二冠を逃しても、胸を張った

 

髙木大我

たかき・たいが/3年/リベロ/身長175㎝/最高到達点305㎝/合志中(熊本)

 

月刊バレーボール3月号(2月15日発売)では、「春高2022アフターストーリー」と題して、熱戦をプレーバック。髙木を含むレギュラーの3年生が、この1年間を振り返った

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