世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2021/22シーズン第22節(後半第9節)や延期されていたカードが実施され、いよいよプレーオフ争いも佳境に入ってきました。
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■ステファニが最多22得点、ベテランのアレッティも活躍したターラントが金星
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第22節》ターラント 3-1 ピアチェンツァ
(25-19,25-23,25-27,25-22)
(現地2/20)
今季、スーペルリーガ昇格を果たしたターラントは今節を前に6勝14敗と負け越してはいるものの、リーグでは中団グループにつけており、健闘を見せている。そうして迎えた今節、相手のピアチェンツァはコロナ禍に見舞われ、前半戦ほどの勢いを感じさせない。それでも東京2020オリンピック金メダリストのSアントワーヌ・ブリザール(フランス)の組み立ては脅威だったが…、先手を取ったのはターラント。
<ピアチェンツァの分厚い攻撃と真っ向から対峙したターラント(写真コート奥)>
第1セットで計4本のサービスエースを浴びせて奪うと、続く第2セットは計5本のブロックポイントをマークし連取する。第3セットは競り合いの末に落としたものの、第4セットはOHジョアン・フェレイラ(ブラジル)が得点を重ねて序盤から先行する展開で勝ち切ってみせた。21歳の若いアタッカー、OPトマッソ・ステファニ(イタリア)が最多22得点、また、昨季はセリエA2優勝に貢献したMBアイモネ・アレッティ(イタリア)がサービスエースとブロックでいずれも4得点をあげるなど攻守で活躍した。
<頼れるベテラン、アレッティ(写真コート奥右)>
これで7勝目としたターラントは8位に浮上。もっとも今節を終えた時点で、8位のターラント(勝ち点23)から12位のヴェローナ(勝ち点21)まで5チームが大混戦を繰り広げており、プレーオフ進出へ向けて、一つの勝ち星が貴重な戦いはまだまだ続きそうだ。
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◆《第20節》ピアチェンツァ 3-0 パドヴァ
(25-20,25-17,25-19)
(現地2/16)
後半戦に入ってから1つ勝てば連敗、1つ勝てば連敗、と今ひとつギアの上がらないピアチェンツァ。この日はOHチボー・ロサール(フランス)が最多17得点、OHアーロン・ラッセル(アメリカ)が15得点と両エースが活躍し、勝利した。さぁ、連勝!! といきたいところだったが…(この次の試合が上記の第22節)
<ピアチェンツァのロサール(写真コート奥左端)とラッセル(同右端)>
++++
◆《第22節》ペルージャ 3-1 パドヴァ
(19-25,25-22,25-22,25-13)
(現地2/20)
第1セットを落としたペルージャは第2セット開始時からOHマシュー・アンダーソン(アメリカ)をOHオレイ・プロトニスキ(ウクライナ)に交代。サーブレシーブを徐々に改善していくと、攻めてはOPカミル・リキリチ(ルクセンブルク)が最多19得点、守ってはSシモーネ・ジャネッリ(イタリア)が4本のブロックポイントをマークして逆転勝利を収めた。
<ペルージャのプロトニスキ(写真コート奥中央)が果敢にバックアタックを打ち込む>
++++
◆《第18節》チステルナ 3-2 ビーボ・ヴァレンティア
(25-17,25-21,21-25,17-25,16-14)
(現地2/16)
一気に3連勝といきたいビーボ・ヴァレンティアは2セットダウンから逆襲に打って出ると、第4セット開始時からはOHクリスティアン・フロム(ドイツ)をOHルカ・バシック(フランス)に交代してフルセットに持ち込む。OP西田有志(日本)もチーム最多5本のサービスエースを奪うなど持ち味を発揮したが…、あと一歩が及ばず。
<両者一歩も譲らぬ激闘だった>
++++
◆《第17節》モンツァ 3-0 ラヴェンナ
(25-14,25-19,25-20)
(現地2/16)
未実施だった第17節はホームのモンツァがラヴェンナを一蹴。最多4本のブロックポイントを含む14得点をあげたMBアレックス・グロズダノフ(ブルガリア)が試合のMVPに輝いた。なお、敗れたラヴェンナはOPニエル・クラプウィク(オランダ)がチーム最多17得点とこの日も孤軍奮闘。
<高い打点からクイックを放つグロズダノフ(写真コート奥)>
++++
◆《第22節》ビーボ・ヴァレンティア 3-0 モンツァ
(25-23,25-23,25-21)
(現地2/19)
敵地モンツァに乗り込んだビーボ・ヴァレンティアはこの日、ブロックが冴えた。MBフラビオ・グアルベルト(ブラジル)の最多5本を筆頭に計12本のブロックポイントをマークして、モンツァを封じ込める。モンツァも3選手が2桁得点をマークしたが、連勝は3でストップした。
<グアルベルトは試合のMVPに輝いた>
++++
◆《第24節》モデナ 3-2 ミラノ
(21-25,25-21,25-21,25-27,15-10)
(現地2/17)
この日の会場であるミラノのホームアリーナ、アリアンツ・クラウドの外には、2017/18シーズンから3季プレーしたモデナのOPニミル・アブデルアジズ(オランダ)への温かいメッセージが書かれた横断幕。それに発奮したか、アブデルアジズは両チーム通して最多23得点の活躍。モデナはOHイアルバン・ヌガペト(フランス)が21得点、OHイオアンディ・レアル(ブラジル)が14得点と続き、フルセットの接戦を制した。
<アブデルアジズ(写真左端)のアタックがミラノを襲う>
++++
◆《第22節》モデナ 3-1 ヴェローナ
(25-21,27-25,28-30,25-21)
(現地2/20)
ホームのヴェローナはOPマッヅ・エンセン(デンマーク)が最多25得点、OHロク・モジッチ(スロベニア)が24得点と続き、各セットで競り合いを演じたものの、試合巧者だったのはモデナ。前節までフルセットが4試合続いていたモデナが、この日は3-1で勝利した。
<モデナはOHイオアンディ・レアル(ブラジル/写真コート奥中央)が4本のサービスエースを含む21得点>
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◆《第22節》ミラノ 3-1 ラヴェンナ
(22-25,25-18,25-19,25-19)
(現地2/20)
ホームのミラノは頼れるキャプテンMBマッテオ・ピアノ(イタリア)が両チーム通じて最多となる驚異のブロックポイント8本をマーク。攻めてはOPジャン・パトリ(フランス)がチーム最多19得点、OHトーマス・ジェスキー(アメリカ)が18得点と続いて逆転勝利を収める。一方のラヴェンナは、ついに開幕20連敗に到達…。
<ここ数年はケガに苦しんだ⑰ジェスキーだが、今季は本来のパフォーマンスを発揮>
++++
◆《第22節》ルーベvs.チステルナ
…現地3月2日にチヴィタノーヴァ・マルケで実施予定
◆《第22節》休息チーム:トレンティーノ
《イタリア・セリエA レギュラーシーズン》
==順位表/第22節終了時点==
1 ペルージャ 18勝2敗(勝ち点55)-
2 ルーベ 15勝3敗(勝ち点45)-
3 トレンティーノ 13勝6敗(勝ち点42)-
4 モデナ 15勝4敗(勝ち点41)-
5 ミラノ 11勝9敗(勝ち点34)-
6 モンツァ 11勝11敗(勝ち点31)-
7 ピアチェンツァ 9勝10敗(勝ち点28)-
8 ターラント 7勝14敗(勝ち点23)▲
9 チステルナ 7勝13敗(勝ち点22)▲
10 ビーボ・ヴァレンティア 7勝13敗(勝ち点22)▲
11 パドヴァ 8勝12敗(勝ち点21)▼
12 ヴェローナ 8勝12敗(勝ち点21)-
13 ラヴェンナ 0勝20敗(勝ち点2)-
※勝敗数(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕