世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2021/22シーズン第23節(後半第10節)では文字どおりのジャイアントキリングが!!
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■3選手が20得点越え。チステルナが敵地でモデナとのフルセットを制する
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第23節》チステルナ 3-2 モデナ
(33-31,25-12,19-25,17-25,15-8)
(現地2/26)
この日、アリーナには約3000人の観客が駆けつけたが、おそらく大半はホームチームのモデナがお目当てだったはず。それだけに、内容・結果はいずれも衝撃的だった。なぜなら勝利したのは、アウェーのチステルナだったからだ。まず、大接戦を制して第1セットを先取すると、続けざまに3本のサービスエースに5本のブロックシャットを浴びせ、大差で第2セットを獲得する。
<モデナのヌガペト(写真コート奥)は精彩を欠いた>
もちろんモデナも黙っておらず、第3セット開始時からOHイアルバン・ヌガペト(フランス)をOHマールテン・ファンハルデレン(オランダ)に、MBダニエレ・マッツォーネ(イタリア)をMBジョバンニ・サンギネッティ(イタリア)に交代して反撃。常にリードする展開で、セットカウントをタイに戻す。モデナにとっては、ここまでは織り込み済みだったはず。前回対戦時(前半第10節)も2セットダウンから逆転勝利を収めている。
そうして迎えた最終第5セットは先にモデナが8点に到達してコートチェンジ。しかし、OHトマッソ・リナルディ(イタリア)がアンストッパブルな活躍を見せて7-8から一気に8連続得点を奪い、チステルナが劇的な勝利を収めた。
<ドラマチックな勝利の立役者となった⑨リナルディ>
リナルディは6本のサービスエースを含むチーム最多24得点をマーク。OHスティーブン・マー(カナダ)が21得点、OPペータル・ディリッチ(クロアチア)が4本のブロックポイントを含む20得点と続いた。Sミケレ・バラノビッチ(イタリア)は「組織と個々が力を発揮してみせた、ほんとうに素晴らしい戦いでした」と胸を張った。
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◆《第24節》ペルージャ 3-1 ピアチェンツァ
(25-18,19-25,29-27,25-20)
(現地2/23)
アウェーのピアチェンツァはMBエンリコ・チェステル(イタリア)の最多4本を筆頭にチーム計13本のブロックポイントをマークするも、最後はペルージャの攻撃力が上回る。ペルージャはOHウィルフレド・レオン(ポーランド)が最多17得点、OPカミル・リキリチ(ルクセンブルク)が16得点と続いた。
<ペルージャのベテランSドラガン・トラビカ(イタリア/写真中央)が吠える>
++++
◆《第24節》ペルージャ 3-0 ビーボ・ヴァレンティア
(27-25,25-21,25-23)
(現地2/27)
第1セットは終盤までリードを許しながら、しっかりとひっくり返してみせたペルージャは勝負どころで確実に得点する試合運びでストレート勝ち。OPカミル・リキリチ(ルクセンブルク)がチーム最多18得点をあげて、試合のMVPに輝いた。なお、敗れたビーボ・ヴァレンティアだが、OP西田有志(日本)が両チーム通じて最多、唯一の20得点をマークしている。
<ペルージャのリキリチ(写真右端)がバックライトからアタックを仕掛ける>
++++
◆《第17節》トレンティーノ 3-1 パドヴァ
(27-25,25-16,20-25,25-21)
(現地2/22)
パドヴァとの前回対戦時(前半第4節)ではフルセットの末に敗れていたトレンティーノ。この日は計13本のサービスエースを許したものの、OHマテイ・カジースキ(ブルガリア)が17得点、OHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)が16得点、と両エースの活躍もあり、しっかりとリベンジを果たしてみせた。
<パドヴァのPHマッティア・ボットロ(イタリア/写真コート奥中央)は4本のサービスエースに3本のブロックポイントに、と奮闘>
++++
◆《第23節》ミラノ 3-0 パドヴァ
(25-18,25-20,25-22)
(現地2/27)
日本人選手所属チームどうしの対決として注目された一戦は、OH石川祐希(日本)のミラノに軍配。MBマッテオ・ピアノ(イタリア)が両チーム通して最多4本のブロックポイント、OPジャン・パトリ(フランス)が14得点をあげた。なお、パドヴァのOH髙橋藍(日本)はリベロとしてフル出場を果たし、サーブレシーブ返球率43%(21本中)の成績を残している。
<パドヴァはOPリーヌス・べーバー(ドイツ/写真コート奥左端)を中心に食らいつくも力負け>
++++
◆《第23節》トレンティーノ 3-1 ピアチェンツァ
(23-25,25-15,25-17,25-14)
(現地2/27)
トレンティーノはOHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)が5本のサービスエース、OPダニエレ・ラビア(イタリア)が両チーム通して最多22得点をあげて、逆転勝利を収める。第1セットを先取しながら敗れたピアチェンツァは、これが今一つ波に慣れていない証しか、今季初の3連敗となった。
<ミケレット(写真コート奥右端)はアタックでも高い決定力を見せつけた>
++++
◆《第23節》ヴェローナ 3-1 ラヴェンナ
(25-21,25-15,24-26,25-20)
(現地2/26)
いよいよ今季全敗も見えてきたラヴェンナはこの試合、登録13名のうち12名がコートに立つなど、あの手この手で勝機を探る。が、ヴェローナのMBジョナス・アゲニエ(フランス)に最多6本のブロックシャット、OPマッズ・エンセン(デンマーク)に4本のサービスエースを許すなど、またしても白星は遠かった。
<ラヴェンナのエマニュエレ・ザニーニ監督(写真左)も試行錯誤を重ねているが…>
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◆《第23節》ルーベ 3-0 ターラント
(28-26,25-19,25-23)
(現地2/27)
後半戦に入ってから無敗街道を突き進むルーベは今節も盤石の試合運び。OPイバン・ザイツェフ(イタリア)が最多16得点、OHマーロン・ヤント(キューバ)が15得点、MBロベルランディ・シモン(キューバ)が13得点と続き、7連勝とした。
<会場では、ロシアの軍事進攻に対して「STOP WAR IN UKRAINE」の文字を掲げ反戦を訴えた>
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◆《第23節》休息チーム:モンツァ
《イタリア・セリエA レギュラーシーズン》
==順位表/第23節終了時点==
1 ペルージャ 20勝2敗(勝ち点61)-
2 ルーベ 16勝3敗(勝ち点48)-
3 トレンティーノ 15勝6敗(勝ち点48)-
4 モデナ 15勝5敗(勝ち点42)-
5 ミラノ 12勝9敗(勝ち点37)-
6 モンツァ 11勝11敗(勝ち点31)-
7 ピアチェンツァ 9勝12敗(勝ち点28)-
8 ヴェローナ 9勝12敗(勝ち点24)▲
9 チステルナ 8勝13敗(勝ち点24)-
10 ターラント 7勝15敗(勝ち点23)▲
11 ビーボ・ヴァレンティア 7勝14敗(勝ち点22)▼
12 パドヴァ 8勝14敗(勝ち点21)-
13 ラヴェンナ 0勝21敗(勝ち点2)-
※勝敗数(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕