世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。コッパ・イタリア(カップ戦)の準決勝、決勝が実施されました。タイトルを手にしたのは…、ブロックデビルズ!!
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■トレンティーノの闘志を攻守で打ち砕いたペルージャが優勝。MVPはレオン
[MATCH OF THE ROUND]
◆《決勝》ペルージャ 3-1 トレンティーノ
(25-17,25-17,23-25,25-23)
(現地3/6)
この週末はアリーナに大勢のファン“シルマニアチ”が駆け付けたペルージャ。舞台はボローニャだったが、まるでホームゲームのような雰囲気に包まれる。その声援を受けたペルージャは開始早々からOHウィルフレド・レオン(ポーランド)が3連続得点をあげると、第1セットだけで計6本のブロックポイントをマークし、大差で第1セットを先取する。
主導権をにぎると、続く第2セットでは7-5からレオンが連続サービスエースを決めたほか、終盤ではOHマシュー・アンダーソン(アメリカ)、MBステファノ・メンゴッチ(イタリア)が連続ブロックポイント。ペルージャが王手を懸ける。
<得点を重ねるペルージャのアンダーソン<左端>>
第3セットも序盤でOPカミル・リキリチ(ルクセンブルク)の連続サービスエースを奪い、ペルージャが優勢に立ったかと思われたが、トレンティーノも反撃。MBマルコ・ポドラスチャニン(セルビア)が2シーズン前まで所属していた古巣を相手に2本のサービスエースをあげたほか、得意のブロックでペルージャの攻撃をはね返す。終盤まで競り合う展開は、23-23からポドラスチャニンのクイック、Sリッカルド・スベルトーリ(イタリア)のブロックポイントでトレンティーノが制した。
<トレンティーノのポドラスチャニン<右端>が強烈なクイックを叩き込む>
第4セットはリキリチの得点で3-1とペルージャが先にリードするも、トレンティーノはOHマテイ・カジースキ(ブルガリア)がサービスエースを決めるなど、流れを渡さない。それでも、ペルージャはレオンのサービスエースやリキリチの得点でブレイクを重ね、じりじりと引き離す。24-20のチャンピオンシップポイントからトレンティーノに3連続得点を許したものの、最後はSシモーネ・ジャネッリ(イタリア)が相手ブロックのリバウンドをダイレクトで相手コートに叩き込み、勝利した。
<決勝点をあげたジャネッリは感情を爆発させた>
MVPは4本のサービスエースを含む最多23得点をあげたレオンが堂々の受賞。ペルージャはリキリチが23得点、アンダーソンが12得点にメンゴッチが11得点で続いた。就任1季目で初タイトルを手にした二コラ・グルビッチ監督は「このチームの一員であること、そしてメダルを首にかけられることを誇りに思う」と喜んだ。
<シルマニアチと喜びを分かち合う。中央がメンゴッチ>
【関連リンク】
FISUワールドユニバーシティゲームズ 第2回女子選抜候補選考合宿を開催
>>><次ページ>セミファイナルで石川のミラノはトレンティーノと激突
◆《準決勝》ペルージャ 3-1 ピアチェンツァ
(25-22,23-25,25-23,25-18)
(現地3/5)
ピアチェンツァはOHチボー・ロサール(フランス)のアタックに、Sアントワーヌ・ブリザール(フランス)が3連続サービスエースと続くなど、開始序盤から4-0と先手を奪う。それでもペルージャはOHウィルフレド・レオン(ポーランド)を中心に攻撃を展開し、22-22からはレオンのサービスエースを含む3連続得点をあげて第1セットを先取する。第2セットからピアチェンツァはOPトンチェク・シュテルン(スロベニア)、OHフランチェスコ・レチネ(イタリア)がコートに送り込まれると、競り合いを制してセットカウントをタイに戻す。
<得点を呼び込んだ③レチネと⑨ロサール>
第3セットは16-19からペルージャがレオンのサーブを起点に5連続得点をあげて逆転し、そのままセットを奪い取る。まさにアンストッパブルなモードになったレオンは第4セット中盤でもサービスエースをマーク。これで一気に流れを引き寄せたペルージャは24-18でマッチポイントに到達。最後はレオンがネットにかかりながらも、この日3本目のサービスエースを決めて、勝利した。
レオンはチーム最多26得点。また、豊富な攻撃陣をそろえるピアチェンツァに対して、ペルージャはOHアンダーソン(アメリカ)、MBセバスティアン・ソレ(アルゼンチン)が最多4本と並ぶなど計13本のブロックポイントをあげて、相手を退けた。
<ペルージャの⑨レオンはアンストッパブルな活躍>
++++
◆《準決勝》トレンティーノ 3-0 ミラノ
(25-14,25-20,25-20)
(現地3/5)
準々決勝で前年度王者のルーベを下したミラノは、チーム史上初のベスト4の舞台へ。さらなる高みを目指し、ボローニャへやってきた。だが、スーペルコッパに続く今季2冠目を狙うトレンティーノが出だしから立ちはだかる。序盤でOPジャン・パトリ(フランス)が相手ブロックにつかまり、3-6とリードを許すと、9-11からは5連続失点。以降も攻めあぐね、大差で第1セットを落とす。
対するトレンティーノは第1セットだけで計7本のブロックポイントをあげて主導権をにぎると、第2セットからはOPダニエレ・ラビア(イタリア)が高い決定力を見せて得点を重ねていく。17-12から3連続得点で突き放し、王手をかける。
<トレンティーノの猛攻と対峙したミラノだったが…>
第3セットでミラノはOPユーリ・ロマノ(イタリア)がアタックにサービスエースに、と奮闘を見せて食らいつく。6-12と離されながらも、OH石川祐希(日本)やロマノのアタック、Sパオロ・ポッロ(イタリア)のサービスエースで3連続得点。だが、ラビアに加え、OHマテイ・カジースキ(ブルガリア)、OHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)が着実に得点を重ねたトレンティーノがストレート勝ちで決勝進出を決めた。
<トレンティーノの⑮ラビアは今季、オポジットとして台頭>
>>><次ページ>先週行われた未消化試合を総ざらい!!
++レギュラーシーズン++
◆《第22節》ルーベ 3-1 チステルナ
(17-25,25-21,25-18,25-20)
(現地3/2)
未実施だった第22節(後半第9節)は、前節(第23節)でモデナから金星をあげたチステルナが勢いそのままに、計4本のブロックポイントをあげて第1セットを先取する。それでもホームのルーベはOHリカルド・ソウザ(ルカレリ/ブラジル)を中心に決定力の高さを見せつけて、逆転勝利に成功。ルカレリは4本のサービスエースを含む、チーム最多20得点をマークした。
<ホームでの逆転勝利を喜ぶルーベの選手たち>
++++
◆《第14節》ピアチェンツァ 3-1 ラヴェンナ
(26-24,24-26,25-22,25-20)
(現地3/2)
未実施だった第14節(後半第1節)でホームのラヴェンナは第2セットを獲得。OHルカ・ウルリッチ(スイス)、OPニエル・クラプウィク(オランダ)が得点を重ねたが…、またしても勝利ならず。OHチボー・ロサール(フランス)の最多13得点を筆頭に4選手が2桁得点をマークしたピアチェンツァに軍配。
<ラヴェンナの①マルコ・ウカシノビッチ(モンテネグロ)が闘志むき出しにプレーする>
++++
◆《第15節》トレンティーノ 3-0 ビーボ・ヴァレンティア
(25-17,25-21,25-20)
(現地3/2)
未実施だった第15節(後半第2節)はホームのトレンティーノが快勝。OHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)が4本のブロックポイントを含む最多18得点をマーク。同じ4本のブロックポイントに加え、3本のサービスエースをあげて、16得点の活躍を見せたMBスレチコ・リシナツ(セルビア)が試合のMVPに選出された。
<豪快なスイングから繰り出される⑳リシナツのクイック>
++++
◆《第19節》モデナ 3-1 ルーベ
(25-21,22-25,25-20,25-20)
(現地3/5)
未実施だった第19節(後半第6節)は、前節(第23節)での敗戦(チステルナに2-3)のショックを振り払うかのように、ホームのモデナが意地を見せる。サービスエース、ブロックポイントともにチーム合計の数字では相手を下回ったものの、OPニミル・アブデルアジズ(オランダ)が最多19得点、OHイオアンディ・レアル(ブラジル)が16得点と続き、ルーベの連勝を8でストップさせた。
<モデナのアンドレア・ジャーニ監督<左>とSブルーノ・レゼンデ(ブラジル/右)>
《イタリア・セリエA レギュラーシーズン》
==順位表/3月5日終了時点==
1 ペルージャ 20勝2敗(勝ち点61)-
2 ルーベ 17勝4敗(勝ち点51)-
3 トレンティーノ 16勝6敗(勝ち点51)-
4 モデナ 16勝5敗(勝ち点45)-
5 ミラノ 12勝9敗(勝ち点37)-
6 モンツァ 11勝11敗(勝ち点31)-
7 ピアチェンツァ 10勝12敗(勝ち点31)-
8 ヴェローナ 9勝12敗(勝ち点24)-
9 チステルナ 8勝14敗(勝ち点24)-
10 ターラント 7勝15敗(勝ち点23)-
11 ビーボ・ヴァレンティア 7勝15敗(勝ち点22)-
12 パドヴァ 8勝14敗(勝ち点21)-
13 ラヴェンナ 0勝22敗(勝ち点2)-
※勝敗数(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕