鎮西高(熊本)新旧エース対談 水町泰杜から舛本颯真へ「『なんで俺ばっかり』って思ったこともあった。でも…」
- 学生
- 2022.03.14
鎮西高のエースとして活躍した水町泰杜(早稲田大2年)が、同校の後輩で、その座を継ぐ舛本颯真(鎮西高2年/熊本)にエールを送った。それは、同じ立場を経験したからこそ言える言葉だった
ポジティブにエースを楽しむ
――舛本選手が中学2年生だったころから知っている水町選手。高校生になり、舛本選手の成長を感じることはありますか?
水町 中学校のときはおとなしく、引っ込み思案というか、前に出てこられないイメージでした。でも、春高を見ていると、誰が見てもわかるような気迫を感じました。「最後は舛本に預けたい」という仲間の思いをすごく感じ取れたので、すごいエースになっているんじゃないかと思います。
舛本 中学生のころはほんとうに気持ちが弱くて、一度ミスしたら、ミスを重ねてしまう傾向にありました。でも、春高の決勝では「自分に(トスを)持ってこい」とセッターに言っていたので、そういうところで変われたのかなと思います。
――舛本選手は新チームでキャプテンを務めるそうです
水町 知らなかったですが、畑野(久雄)先生(監督)だったらそうするだろうなと思います(笑)
僕はどちらかというと周りの人を鼓舞するのが苦手なタイプで、その分プレーでどうにかしないといけないと思っていました。(舛本)颯真もたぶん前に出るタイプではないと思うので、プレーでみんなを引っ張ってくれたらと思います。
舛本 ほんとうにそのとおりです。自分は周りを引っ張っていくのがあまり得意ではないので、水町さんのようにプレーで引っ張っていけたらと思います。
――鎮西高でエースを務めた水町選手から、舛本選手へメッセージはありますか?
水町 鎮西高は毎年エースで打ち勝つことを目標にしています。春高での颯真のように、追い込まれた状況でも頼られて、打たないといけないことがあるので、体力的にも精神的にもほんとうにきついと思います。直接勝ち負けにつながって、落ち込んでしまうときもあると思いますが、結果を気にせずに鎮西のエースを楽しんでくれたらと思います。頑張って楽しんでほしいです。
――エースを経験し、水町選手が得たことは何でしょうか?
水町 やめたいとか、「なんでこんなに俺ばっかりやんなきゃいけないんだ」と思ったことも正直ありました。でも、これだけ一人に頼るチームってないし、今思えばほかの人は絶対に経験できないことです。自分にしか経験できないと思って、いい意味でポジティブに取り組んでほしい。そして、体を大切にしてほしいですね。
舛本 そのとおりだと思います。頑張るしかないです!
水町 無理はせずにね!
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水町泰杜
みずまち・たいと/早稲田大2年
身長181㎝/最高到達点339㎝/菊鹿中(熊本)→鎮西高(熊本)
鎮西高1年生時にエースの一角として春高で優勝。その後も世代を代表するスパイカーとして活躍した。早稲田大では1年生時からレギュラーを務め、昨年は全日本インカレ5連覇に貢献
舛本颯真
ますもと・そうま/鎮西高2年
身長182㎝/最高到達点335㎝/龍田中(熊本)
水町の後を継ぎ、1年生時からエースを務める。優勝した昨夏のインターハイ決勝では49得点、準優勝だった今回の春高決勝では52得点の大活躍
取材/田中風太 撮影/中川和泉、石塚康隆
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