男子日本代表として昨年、東京2020オリンピック出場を果たした大塚達宣(早稲田大3年)。昨年末に全日本インカレで5連覇に貢献すると、その後はVリーグのパナソニックパンサーズに加入、現役大学生という立場ながら堂々とレギュラーとして活躍を見せている。
大塚にとって、パナソニックパンサーズはゆかりのあるチーム。小・中学生時代は、ジュニアチームであるパンサーズジュニアに身を置いていたからだ。
そのパンサーズジュニアは、とくに中学生世代のクラブチームでは全国屈指の名門。今年2月に開催された2021 Vリーグジュニア選手権Cブロック大会でも優勝を飾っている。大塚の在籍時も含めて長年、チームの指導にあたる米山博之監督に、話を伺った。
<米山博之(よねやま・ひろゆき)/1970年3月25日生まれ/現役時代のポジションはミドルブロッカー。象印(日本実業団リーグ)ではキャプテンを務め、松下電器(現・パナソニック)でもプレーした。現在はパンサーズジュニアで監督として指導にあたる>
-パンサーズジュニア出身で、トップチームのパナソニックパンサーズでプレーする選手も続々と出てきました
米山監督 ジュニア出身としては、牧山祐介(中央大卒)が第1号になりまして、その次が中村駿介(早稲田大卒)とセッターが続きました。そうして今回、アウトサイドヒッターの大塚が大活躍を見せてくれています。
OBたちが高校や大学、それにトップチームで活躍している姿は、ジュニアチームに所属している選手たちにとって最大の目標になりますし、励みにもなっていると感じています。
-ジュニアチームをご卒業してからも、たとえば大塚選手との交流などはありましたか?
米山監督 彼はとても律儀で、それこそ貴重な時間の合間をぬって、足を運んでくれます。昨年のオリンピックの際にも、挨拶にきてくれて非常にうれしかったですね。
-日本代表での姿もご覧には?
米山監督 もちろん!! こんなに早く、シニアカテゴリーの日本代表選手が誕生するとは思っていませんでしたので。プレーする姿を見ていましたし、うれしく感じました。
<キャプテンマークをつけるパンサーズジュニア時代の⑧大塚(写真は2015年のVリーグジュニア選手権/提供:Vリーグジュニア選手権)>
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<当時からポテンシャルの高さが際立っていた(写真は2015年のVリーグジュニア選手権/提供:Vリーグジュニア選手権)>
-ジュニアチーム時代はどんな選手でしたか?
米山監督 何より、チームを引っ張れる選手でした。プレーはもちろん、チーム全体を見ることができましたし、声だしから挨拶まで生活面でもしっかりとできていました。それらは、やはりご家庭の素晴らしい教育があってこそ、だと感じます。
-今回、トップチームに戻ってきてから、成長を感じた点はありましたか?
米山監督 いちばん驚いたのは、私(192センチ)より身長が高くなっていたことです(笑 ※大塚は194センチ) プレーは当然ですが、身長まで抜かれたか、と。
人間性に関しては、当時から変わりません。今回、トップチームに合流してからも、すぐにジュニアチームへ挨拶にきてくれて、「練習、手伝いましょうか?」と。いつもなら、卒業生たちには「よっしゃ、早く入ってくれ!!」と言うのですが、「ケガでもされたら困るから、休んでおいて」と伝えました(笑) ほんとうに素晴らしい人間性の持ち主です。
-今後に向けて、彼に期待する部分をお聞かせください
米山監督 プレー面や技術面の向上はもちろんですが、やはりケガなく過ごしてほしいと願っています。今ですと、大学、日本代表、Vリーグと活動期間が続いているわけですから、ケガのリスクが心配なところです。それこそオリンピックに何度も出場できるようなポテンシャルの持ち主ですから、体をケアしながら、長く活躍してもらいたいものです。
そして、それはジュニア出身者の全員にいえることです。卒業してからも、高校などのステージで活躍する姿を見られることは私たち指導者冥利に尽きますから。これからも頑張ってほしいですし、応援しています。
<偉大な先輩の背中を追いかけ、成長するパンサーズジュニアの選手たち(写真は2021 Vリーグジュニア選手権Cブロック大会>
(取材・写真/坂口功将〔編集部〕)
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【パンサーズジュニア/チーム情報】
練習場所:パナソニックアリーナ(大阪府枚方市)
練習日:週3回(火、木、週末)
対象:小学生、中学生(いずれも男子のみ)
問い合わせ先
⇒ひらかたキングフィッシャーズスポーツクラブ
〔電話番号〕072-898-0027
〔mail〕hksc@mist.ocn.jp
〔HP〕http://hirakata-taikyo.org/hksc/panthersjr.html
〔特色/アピールポイント〕
パンサーズジュニアの特徴は「基本に徹すること」。挨拶・返事・かけ声に始まり、パスやレシーブの基本の形の反復、そして、最後にコートの雑巾がけやトレーニングなどを行います。勝利への近道、それは「基本」にあります!!
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