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春高2025

備一真が出場機会ほぼ0の高校生からV1上位のレシーバーに成長した背景

  • SV男子
  • 2022.03.17

<精度の高いサーブレシーブで今季はV1上位の成績を残している>

 

サーブレシーブの名手、青山繁さんのアドバイス

 

 山田監督のサポートは練習環境の提供だけでなく、「いろんな人の声を聞くことが大事」というねらいから、備には多くの指導者の話を聞く機会が設けられた。その中の一人に、元・男子日本代表で、現在は中京大を指導する青山繁さんがいた。現役時代はサーブレシーブで鳴らした名選手からのアドバイスは、備に大きなヒントをもたらした。

 

 「青山さんが『おれは現役時代、相手サーバーの目を見るようにしていた。逆に、自分がサーブを打つときは、コートと向き合っても、相手チームを見ないようにしていた』と仰っているのを聞いて、自分の中でも試せるのではないかと思って、取り入れてみたんです」(備)

 

 相手の視線を見ることはVリーガーになった今も意識している。すると、何人かの相手サーバーとは、ボールを打たれる瞬間までずっと視線が合うケースもあるという。また、相手チームが巧みにブロッカーたちを配し、サーバーの動きをこちらに読ませないようにすることも。そうした駆け引きを制しながら、味方の攻撃の起点となるべく、ていねいにサーブレシーブを返すのだ。

 

<目指すは、コート上で存在感を放つ選手。大分三好の守護神として躍動する(写真右から2番目)>

 

どんな環境でも、まずは自分自身を磨くことから

 

 バレーボールが好きで、ひたすらにうまくなりたかった。そんな彼だったからこそ、貪欲になれたし、周りも手を差し伸べた。大学時代を振り返り、備はこう語る。

 

 「初めは、関東1部の大学に行けば、力がつくと思っていたのも事実です。ですが、自分が上達しなかったり、チームが勝てないことを環境のせいにするのは違うな、と感じました。それを実感したのが、大学2年目に東海大学秋季リーグで優勝できたとき。練習の場所は提供されていたわけですから」

 

 高校時代に腐ることがなかったのも、レベルの高い先輩や仲間たちが刺激となっていたからだ。大学卒業後にV2男子で成績を残せたのも、「1年目で結果を出すんだ」という野心があったからだ。

 

 今、自分がいる環境で最善の力を出し、己を磨く。それが、備一真の生きざまだ。

 

(文/坂口功将〔編集部〕)

 

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